父が憎くてたまらない

相談者名
choral
私は20代後半の女です。
父(以下「彼」と書きます)の事でご相談があります。

彼は私が高3の時に、多額の借金を姉に押しつけて失踪しました。
その後進学は諦め、現在の職についています。
全給料を家にいれ、母を扶養に入れています。

私は、2才の時に重体になったものの、奇跡的に回復しました。
ですが6才で腎臓病になり、その際に彼に言われた
「あの時(2才で)死ねばよかったのに」という言葉が、
未だに頭から離れません。

彼の性格は「派手好き・躁状態が続く」。
水商売で得た有名人との人脈を大事にし、家庭は顧みない人でした。
自分は海外旅行に行き、家に一銭もお金を入れない人でした。
キャッシングで借りるお金が「給料」だと、小さい頃は信じていました。
賭け事はしない、暴力はふるわない、お酒は飲めない。
こう書くといい人のようですが、父親としての役割を
全く果たせない人です。
正直、抱っこされた記憶すらありません。

4年ほど前、彼がいきなり現れて姉と私を呼びだし、謝罪しました。
1週間後、彼は私だけを呼びだし
「新事業を始めるから、50万円貸してくれ」と言いました。
それ以来、絶縁しています。
今も連絡を取っている姉によると、彼は生活保護を受けながら
新事業のチャンスを狙っているそうです。

血を抜きたい、と思います。
よくリストカットする人は「生きてる証が欲しい」と聞きますが、
私の場合「瀉血」なのです。
汚らわしい彼の血だけでも、抜き去ってしまいたいのです。

何をしてもこの忌まわしい感情は、拭い切れません。
どうすれば今後、楽に生きていく事ができるでしょうか?

ご助言頂ければ幸いです。

カウンセラー
吉原直人
choralさん、こんにちは吉原と申します。
ご相談ありがとうございます。

choralさんや家族の方は、お父さんのことでずいぶんと苦しんで来られましたね。
言葉や文章では、言い表せないほど傷ついておられるのだと思います。
瀉血したいと言うchoralさんの激しい気持も想像がつきます。

人は、言い表せないような痛みや苦しい思いを強いられる時、
誰しも、憎しみやもっとひどい感情を持ってしまうものです。
choralさんが言う「憎くてたまらない」は、
耐えられないような苦痛を耐えて来た証だと思います。

僕も長い間、家族に対する「憎しみ」という感情で苦しんだ経験があるので、
その苦しさやしんどい思いは良く解ります。

「憎しみ」とういう感情は、choralさんが相当長い間傷ついてきた以上、
今、choralさんの心の中に渦巻いていて当たり前だとも言えます。

だけど、今こうしてchoralさんがご相談をくれたのは、
choralさんの心の中が、その激しい感情でいっぱいいっぱいに、
なってしまったのではないでしょうか?
choralさんが感じているその感情が、心の中に渦巻いて、
苦しくて苦しくて仕方が無くなっているのではないですか?

「憎しみ」という感情は、
人に対して許せないと言う強い攻撃のエネルギーを持っていますが、
同時に、この感情を感じているchoralさん自身をも、
苦しめたり消耗させてしまいます。
それが苦しくてどうしょうも無いのです。

だからと言って、その気持ちを拭うことも出来ず、
無視することも出来ない葛藤が、また自分を苦しめてしまいます。

まずchoralさんに、していただきたいことは、
choralさんの、その憎しみを感じさせるに至った数々の痛みを、
吐き出して欲しいのです。

お父さんが借金を残して失踪したとき、どんな日々を過していたのでしょう?

6歳の女の子が、お父さんの「死ねばよかったのに」と言葉に、
どれだけショックを受け、その時どれだけ深い悲しみを感じた事だろう。

父親が居るのに、父として存在してくれてなかったとしたら、
子供が自分の父に抱っこてもらえなかったとしたら、
どれほどの寂しさを感じたのでしょうか?

もう一度その気持ちを吐き出すことです。
そして、今見えている気持ち以外にも色んな感情を感じていました。

子供が親に「死ねばよかったのに」と言われたとしたら、
純粋な子供の心は、自分が要らない存在だと感じたかも知れません。
そしたら、自分がここに居る事が悪いことのように感じてしまいます。

choralさんが今自覚している感情より、
もっと多くの痛みを、心の中に仕舞い込んでいるのです。

その気持ちを、全部吐き出して欲しいのです。
「憎しみ」という感情は、そんな心の中の痛みが長い間解放されずに、
ずっと心の中にこびり付いた状態から作られてしまいます。

この痛みは人に解ってもらうこと、
そしてちゃんとその悲しい気持ちや寂しい気持ちを理解してもらうことで、
少しずつ癒していくことが出来ます。

そして痛みが癒された分、憎しみの感情は減っていきます。
目的は、日々choralさんが感じている苦しさを減らすためです。

僕達の人生に起こった出来事は、変えることは出来ません。
また、その痛みを感じさせた人物を変えることも出来ません。

ただ、その出来事で受けた傷は癒すことは出来るのです。
心の中の感情を変容させることは出来るのです。

瀉血は出来ませんが、心の中に溜まった感情は吐き出せます。

では、どうしたら吐き出すことになるのでしょうか?
それは、人に聞いてもらうこと、理解してもらうことです。

僕達のあらゆる感情は、きちんと理解されたり、
共感されたとき始めて癒されます。

辛かったことを辛かったねと解ったもらえた時、
悲しい思いを理解してもらえた時、
寂しい気持ちを一緒に感じてもらえた時、
その痛み(感情)は解放されて癒されるのです。

まずは、choralさんが感じて来た痛みを取り除いて、
心が楽になることにだけ、今取り組んでください。

そして、choralさんがその痛みを癒せたとき、
次の目標が自然に見えてくると思います。

choralさんが家族のことで、苦しんでこられた事で、
家族のあるべき姿、家族の大切さを、
choralさんは、誰よりも知っている人でしょう?

そして、choralさんが楽に楽しみながら、
幸せな人生を生きたとき、周りに居た人の痛みも、
癒せれていくのです。

choralも諦めないでください。
心の痛みは必ず癒されます。

お電話お待ちしています。

吉 原 直 人

この記事を書いたカウンセラー

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