親子関係

相談者名
たっくん
親子の関係について悩んでいます。
父はとても威圧的で、支配的な人です。
私に対しては、何でも自分の思い通りにさせようとします。
外に出ると、疲れるほど気を使う人です。外面がいいのです。
影で悪口を言っていても、表では何一つ言えないような人です。
ですから、外でのイライラを全て私と母にぶつけます。
お酒を飲めば暴力的にもなります。
私の行動が気に入らなければ「出て行け!」となります。
私達がちょっと何かを落とせば「何をしているんだ!」となりますが、
自分が物を落とすと「こんな所に置いたのは誰だっ!」となります。

父は若くして父親を亡くし、指導してくれたり叱ってくれるような人も
身近にいなかったようですし、長男と云う事もあり我儘に育っていると
聞いています。
母は父に管理されながらも、自分で家計を管理出来るタイプではなく、
与えられたお金を完全に使い切ってしまうような計画性のない人です。
昔から私に不満を漏らしながら、父に依存して日々を過ごしています。

私は絶対に二人のような結婚はしたくありません。
父に出て行けと言われても、自分の想った人と結婚するつもりです。

本当は理解してもらって結婚したいと思うのです‥。
ですが、ここで私が家を出れば全てが解決するのでしょうか?
どうぞアドバイスをお願い致します。

父と居ると、私は憎まれているようにしか思えませんし、母に対しても
信頼できないのです。

カウンセラー
大谷常緑
たっくんさん
こんにちは。初めまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

さて、お父さんの家での振る舞いには、たっくんさんも辛い思いをされるととも
に心が痛みますね。
嫌な気持ちばかりであれば、お父さんの事はもう気にも止めず、さっさと離れて
しまうことも可能かと思いますが、たっくんさんはそのような行動を取ってはお
られませんね。
お父さんに自分の事を理解して欲しいという強い気持ちをお持ちであると同時に、
これはお気づきではないかも知れませんが、お父さんの事を何とか助けたいと思
っておられるように感じました。とても優しい気持ちの方だなぁと思いました。

さて、たっくんさんの目的を果たすためのファーストステップとしては、先ずは
お父さんについて少し理解を深めていただければと思いますので、そこからお話
しを進めましょう。

たっくんさんは、お父さんの事を
“父は若くして父親を亡くし、指導してくれたり叱ってくれるような人も身近に
いなかったようですし、長男と云う事もあり我儘に育っていると聞いています。

と、お父さんがわがままからそのような振る舞いをされているように受け取って
おられる感じがしますが、私が感じるお父さんの実像はこれとは異なります。
寧ろ、お父さんは「自分は不十分だ」と感じられていて、いつも自分を責めてお
らる、心に余裕のない方ではないかと思うのです。
人間は、「今日は気分がいいから、子供に文句の一つも言ってやろうか」などと
は思わないですね。気分が良くて心に余裕がある時には、人にも優しくできるも
のです。そう考えると、お父さんがたっくんさんやお母さんに当たる時には気分
が悪い状態におられる事となります。そして、いつもそのように気分が悪い状態
におられるのですね。
人間誰しもそうなのですが、気分が悪い状態の時には必ず自分で自分のことを責
めている状態です。人が責めようと、責めまいとに関係なくです。
例えば、「あなた太っているね」と言われて痩せていると思っている人が傷つき
不快になるでしょうか?答えは、Noですね。「何言ってるの?」と思うだけで
すね。
しかし、「自分は太っているから駄目だ」とか「痩せようとしてもついつい食べ
てしまう」と自分の事を責めている人が「あなた太っているね」と言われたらど
うでしょうか?自分でもそう思っている訳ですから、傷つき、不快になります。
場合によっては「お前にそんな事言われる筋合いはない!」と逆に怒り出す人も
いるかも知れません。また、そんな事を誰かから言われなくとも、自分の心の中
で「自分は太っているから駄目だ」と思い自分を責めていると、あたかも誰かか
らそんな風に責められている感覚なりますから、いつも不快で心に余裕が無い状
態なのですね。
お父さんはまさに、自分で自分の事をいつも責めていて、心に余裕のない状態な
のです。
そして、その責めている内容は、先にも書きましたが、自分の「不十分さ」「不
完全さ」だと思います。
ここからは一般論になりますが、長男で早く父親を亡くした場合、父親の役割を
代行しようという気持ちが生まれます。家を守る、家族を守る、家族に迷惑を掛
けない・・・様々な重荷を背負い、自分自身に制約をかけます。しかし、なかな
かそんなに上手くはできません。そこで、「やっぱり自分は駄目だ」とか「自分
は出来ていない」とか自分を責めてしまう訳です。そして、ずっとその感覚が残
って、自分を責め続けてしまうのですね。自分にOKがずっと出せていないので
す。

そうだとすれば、お父さんの背負っている「自分は駄目だ」とか「自分は出来て
いない」という自己攻撃が緩めば、お父さんも気分が良くなって来るはずですね。

ではお父さんとどう向き合えばいいかですが、自分にOKを出せないお父さんの
代わりに、たっくんさんが、お父さんにOKを与えてあげることです。
恥ずかしかったり、認めるものかという抵抗の気持ちが出てきて難しいかも知れ
ませんが、たっくんさんがお父さんの価値を認め、それを伝えることなのですね。
その内容はどんな些細なことでも構いません。しかし、具体的に伝えることがミ
ソになります。
例えば「○○してもらって嬉しかった。ありがとう」とか、「○○なお父さんっ
て、頑張ったんだね。カッコイイと思う」などです。

こうすると、お父さんも気持ちが楽になり、怒る回数も徐々にですが減っていっ
て、家庭の雰囲気が変わっていきます。また、たっくんさんとの関係も改善して
いくはずです。
そすうると、たっくんさんのお母さんに対する感じ方、見方も変わっていきます。

結婚と家を出るかどうかの問題は、先ずは前述のような状況改善をやってみられ
てから決められてもいいのではないか、と思います。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。