自分の人生

相談者名
まりも
わたしは十歳で母を亡くして父と妹と三人で暮らしてきました。いま32歳です。女性です。父は仕事と家事と私たちの世話と、大変だったとおもいます。いまはわかるんです。でも当時からずっとパチンコや飲み屋に通ったりで夜中内緒ででかけて朝方帰ってきたり、その度私は無事に帰ってきてくれるか不安でねむれませんでした。 お金もそういうので使ってしまうので、食べるものがなくて、辛い思いをしました。十年間くらい?そういう生活で。 保険料滞納したり家賃払わないで裁判になったり。その度私は区役所にいったり手続きをやりました。だからお金の管理はその頃から私がやっています。なんだか面倒な尻拭いをみんなやってきたような。いいこともたぶんあったと思うんです。けどこういうこと思い出すと父を信用できなくて。家族なのに。母がいなくなってもやっていくために、神様はわたしにこういう役割を与えたのでしょうか。がんばって全うしなければならないのかもしれませんがもう息切れしてしまいそうです。父はもう年ですし、年金もないし。妹は病気ではたらけない。わたしは仕事は有っても不安定な私でちゃんと続けられるのか…
結婚とか好きな人に出逢うとか、辛いなかでも夢見てきたけど、いまになってもびっくりするほどなにもないです。そんなことに自分だけうつつを抜かしてはバチがあたりそうですけど。
なんだかただ毎日心配でこころから楽しいとか幸せとおもいきれなくて、当たり前のようにだれかと出会って結婚して子供が生まれて、そうやって新しい人生を自分の人生を作っていけている人が羨ましいです。私は違う人種なのでしょうか。あきらめないで、そんなことに執着してるから、不満がつのるのですか。
生きているのをやめたいです。この言葉を言う度涙が出ます。
カウンセラー
三島桃子
まりもさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよ
ろしくお願いいたします。

まりもさんは10歳の時にお母さんを亡くされたのですね。まだまだお母さんを必要
とする年齢ですから、たいへんな思いをたくさんされてきたことと思います。

まりもさんもおっしゃるように、お父さんもがんばられたのでしょうね。お父さんに
とっては、パチンコや飲み歩くなどのストレス解消がなくてはやっていられないよう
なせっぱつまったお気持だったのかもしれませんね。

けれども、お母さんを亡くした子どもにとっては、「お父さんもお母さんみたいにい
なくなることだってあるんだ」ということがとても現実的に感じられますから、お父
さんの夜の外出は、ただ「寂しい」以上の、足元から崩れるような不安を感じたので
はないでしょうか。

でもまりもさんは妹のいる「お姉ちゃん」ですから、自分の不安をぐっとこらえたこ
とも多かったのでは、と思います。

また、経済面でも辛い思いをされたんですね。食べるものがないと、命に直結する危
機感を感じますから、どんなにか不安だったと思います。しかもいろいろと辛いこと
がある中で、区役所での手続きをしたり、お金の管理をしたり、「親の代わり」の役
割もこなされてきたんですね。

>母がいなくなってもやっていくために、神様はわたしにこういう役割を与えたので
しょうか。がんばって全うしなければならないのかもしれませんがもう息切れしてし
まいそうです。

息切れしてしまうのも無理はありません。本当にこれまでよくがんばってこられまし
たね。

こうやってご相談をいただいたということは、まりもさんにとって何かを変えていく
タイミングがきたのを、ご自分で直感的に感じているのかもしれませんね。

では、まりもさんがご自分の幸せを実現していくためにどうすればいいのか、という
お話に移りたいと思います。

(1)相談できる場所、仲間を見つける

まりもさんのように、今後の生活や人生の見通しに困難さを抱える方はたくさんいま
す。そういう方たちがお互いに情報交換したりして支え合うような団体があるかと思
いますので、ぜひ捜してみてください。インターネットや電話帳、市役所や各自治体
にある福祉事務所の情報コーナーなど、いろいろなところをあたってみてください。

まりもさんは「生きているのをやめたい」ところまで追い詰められているわけですか
ら、自殺防止の電話相談などで話してみると、何らかの情報を得られるかもしれませ
ん。

自治体が行っている女性を対象にした相談窓口などもあるかもしれません。とにかく
あたれるところは全部あたってみてください。

中には対応の悪いところもあるかもしれませんが、そういう場合は気にせずに次にあ
たってください。

それから、妹さんはどういったご病気でしょうか?病気によっては、同じ病気を持つ
人の家族で作る家族会というものがあるかもしれません。精神疾患患者の家族会は多
いですし、その他の難病や完治しにくい病気などは家族会があることがあります。

家族会では気持ちの面で理解し合い、共感し合えますので、他の人には話せないこと
が話せることが心の支えになりますし、役に立つ情報を手入れることができると思い
ます。

(2)社会制度の利用について

お父さんの年金がないなど、今後のことを考えると、福祉制度を上手に利用していく
ことなども考えなければならないかと思います。先ほども出てきた各自治体の社会福
祉事務所には相談窓口があるはずです。相談したこともあるかもしれませんが、まり
もさんにとって生きるか死ぬかというところまで追い詰められていることを率直に伝
えて相談すると、利用できる制度を紹介してくれるかもしれません。

ただ、自治体の機関としては、例えば生活保護などを受ける人をできるだけ少なくし
たいというような部分がありますから、積極的には情報提供してくれないかもしれま
せん。

その場合に大切なのが、自分で調べた情報や、(1)で挙げたような場での口コミ情
報です。

「○○という制度があって、××の条件で利用できるようですが」などと福祉事務所
で伝えれば、より情報を得やすくなります。

それから、私は社会制度の専門家ではないのであくまで参考までになのですが、「世
帯分離」という制度もあるようです。健康保険などの「世帯分離」と、生活保護を受
ける際の「世帯分離」は違うようですので詳細は調べていただかないといけません
が、経済的に困窮した場合にこの制度が役に立つこともあるようです。

(1)と(2)については素人ながら、まりもさんにとって必要な情報だと思いまし
たので書かせていただきました。間違いなどがありましたらお許しください。

(3)心理面について

ここからが私たちカウンセリングサービスの専門分野になります。

○「自立」を手放し、弱い自分を表現する

まりもさんはお母さんが亡くなってからは「家族の面倒を見る」という「自立」的な
役割を背負ってきたのではないかと思います。そして、お父さんと妹さんはそういう
まりもさんに依存しているところがある感じがします。

心理学では、頼る側を「依存」、頼られる側を「自立」といいます。

「自立」の人は周りからは「しっかりしていてちゃんとできる強い人」に見えます。
でも、人間は誰でも弱さも持っています。ところがいつもお世話役を買って出ている
と、周りの人にはその弱さが見えず、「この人は強いから大丈夫」と、いつも頼って
きます。

まりもさんもお父さんや妹さん、また、職場の人や友だちなどからも「しっかりして
いて強い人」と思われているのではないでしょうか。

これはバランスの問題で、「自立」の度合いが強いほど、相手の「依存」の度合いも
大きくなります。「自立」の度合いが小さくなると、相手の「依存」の度合いも小さ
くなります。

ですからまりもさんの「自立」の度合いが小さくなると、お父さんや妹さんが意外と
しっかりする、ということもあり得ます。そうなればまりもさんはぐっとラクになる
と思います。

「自立」の度合いを小さくしていくためには、自分の弱さを素直に表現する必要があ
ります。

「私、もうダメかも、って思うぐらい余裕がないの」
「もう疲れきっているの」
「これからどうしたらいいのかわからないの」
そんなふうに周りの人に言うことも弱さを表現することです。

また、助けを求めたり、何かを頼んだりして頼ることも弱さを表現することです。

ところが、「自立」の人は、なかなか自分の弱さを表現できません。
今までがんばってきた分、弱さを見せるということに負けるような屈辱感を感じた
り、そもそも弱さを見せるということが感覚的にわからなかったりします。
弱さを見せたことがほとんどないために、弱さを見せる自分になったら今までの人間
関係がどうなってしまうのかわからないような怖さを感じることもあります。

そういう抵抗感はあるかもしれませんが、まずは信頼できるお友だちや(1)(2)
で挙げた相談できる場などで、自分の弱さを素直に表現してみることにチャレンジし
てみてはどうでしょう。それが家族間のバランスにも影響を与えると思います。

同時に社会制度の活用などで、まりもさんが過剰にいろいろなことを背負わなくても
いい方向を見つけていけるといいですね。

○幸せになることへの禁止を手放して、リーダーシップを選択する

>結婚とか好きな人に出逢うとか、辛いなかでも夢見てきたけど、いまになっても
びっくりするほどなにもないです。そんなことに自分だけうつつを抜かしてはバチが
あたりそうですけど。

というまりもさんの言葉から感じることは、ご自分が幸せになることを強く禁止して
いることを感じます。そこには、「自分だけが幸せになるわけにはいかない」という
思いも感じます。

でも、「自分だけが」と思ってしまうことが心理のワナなんです。

心理学には「リーダーシップをとる」という考え方があります。自分がまず幸せにな
ると、自然に後に続く人が出てくる、という考え方です。特に、家族は心理的なつな
がりが強いので、まりもさんが幸せになることで必ず良い影響を受けます。「自分だ
けが」ではないのです。「私が幸せのリーダーシップをとる」なのです。

もちろん、リーダーシップをとることにも抵抗感は出てきやすいものです。罪悪感を
感じたり、嫉妬されるのではないかと怖くなったりするかもしれません。それを乗り
越える時に必要なのが「選択の力」です。とにかく幸せを選択する、と決めた時、変
化が起き始めます。

>なんだかただ毎日心配でこころから楽しいとか幸せとおもいきれなくて、当たり前
のようにだれかと出会って結婚して子供が生まれて、そうやって新しい人生を自分の
人生を作っていけている人が羨ましいです。私は違う人種なのでしょうか。あきらめ
ないで、そんなことに執着してるから、不満がつのるのですか。

うらやましいのは当たり前ですよ。決して、本当に決して、まりもさんは「違う人
種」ではありません。あきらめていないということは、まりもさんの生きる力の表れ
です。

執着があるとすれば、「弱さを見せない自分」や、「幸せを禁止する」というところ
に執着している(離れられない)のだと思いますよ。

他にもお伝えしたいことは尽きないのですが、長くなりましたのでこのあたりで失礼
いたします。よろしければ初回無料の電話相談を利用していただいて、複数のカウン
セラーとぜひお話してみてください。

「生きているのをやめたい」、そんなふうに感じる時は、「もっと違うように生きた
い」時です。そして、それは実現可能なことです。
まりもさんを応援していますね。ご相談ありがとうございました。

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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