誰を先に「許す」のかがポイントです
◎リクエストを頂きました◎
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どんなに親しく過ごした時間や助けてもらったことがあっても、相手の言動で一度でも傷ついたり傷つけられたりすると、関係を絶ってしまいます。
こんなことが続いては、誰とも関係を築けず、いつか本当に一人ぼっちになってしまいそうです。
しかし、許そうにも、当時の出来事を思い出すとやっぱり許せません。
同時に自分は恩知らずの心ない人間なのではないかと悲しくなります。
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●心ない人は人間関係で悩まない
リクエストを頂き、ありがとうございます。
ご相談の文章を読ませて頂き、私はご相談者の方は「人への思いが溢れている」と感じたのです。
> 同時に自分は恩知らずの心ない人間なのではないかと悲しくなります。
だから、決して、ご相談者の方は恩知らずではないし、心ない人間でもないと思います。むしろ、「人が好き」なのだと思うのです。
大切なものほど、私達は関わったり、触れるのが怖くなります。
例えば、あなたが引越しの手伝いをしているとしましょう。
100円の壺なら、片手でホイホイと運べるのに、それが3億円の壺だと言われたら、慎重に落とさないように運びませんか?
できれば、運ぶのを避けたいとも思いますよね?
そのように大切なものや人ほど、私達は怖いし、その対象と完璧に関わりたいと思うのです。
ですので、ご相談者の方は本当は「人が大好き」なのだと思います。
●傷つくのが怖い
ただ、人を大切に思う分、人に対して繊細で相手の言動にも敏感になってしまうのでしょう。
> 許そうにも、当時の出来事を思い出すとやっぱり許せません
こう書かれているとおり、過去に何か大きな傷があり、許せないことがある。その時の思いが、まだ、ココロの中で渦巻いていて、ご自身の意にそぐわない出来事があると疼き、ツラくなるのでしょう。
そして、ご自身を守るために「関係を断ち切る」
でも、それはある意味、自然な流れではないでしょうか。
「過去の傷から遠のく」
それは、当たり前のことですよね。
ただ、「人が恋しいのに、自ら関係を断ち切る」
それを続けてきたとしたら、ジレンマに陥って苦しまれたと思います。とても、ツラかったでしょう。
そのような状況で、このように相談をされたこと、勇気がいったと思いますし、その行動はご相談者の方が「まだ、人と関わりたい」と思っている表れだと思うのです。
だから、まず認識して頂きたいのは「あなたは人が好きで、相手を大切に思っている」ということです。だから、人との関わりが悩みになるのです。
人に興味がない方は、ひとりぼっちになる怖れなど、感じることもないでしょう。
●傷を癒す
過去に大きな傷をうけた人ほど、その後、どうしても受け身になりがちです。それは、「もうあんな痛い目にはあいたくない」という防衛の気持ちが働くからです。
でも、そのままではあなたが本当にほしい「人との繋がり」を感じにくくなってしまいます。
だから、少しずつでいいので、その傷と向き合って頂けたらと思うのです。
私はあの時、どんな風に傷ついたのだろう?
私はあの時、何を求めていたのだろう?
私はあの時、誰に助けてもらいたかったのだろう?
勇気がいりますが、その時の状況を振り返り、その時、感じた感情を理解することで、あなたの中の混乱が紐解き、冷静に振り返られるようになるでしょう。
傷口を見るのは痛いですよね。
でも、ケガをして傷ついても、かさぶたができ、いずれ傷口が塞がるようにあなたの心も癒える日が必ず、きます。
決して、ひとりで行わなくてもいいと思うのです。私達カウンセラーをはじめ、周りに助けを求めてくださいね。
●人に厳しい人は自分にも厳しい
そして、あなたはおそらくご自身に対しても厳しい人なのではないでしょうか?
・○○でないとダメ
・○○すべきだ
・完璧でないと意味がない
・完璧でない私は受け入れてもらえない
・いつも、人に丁寧に接しなきゃいけない
そのようにご自身を縛っていませんか?
完璧を目指すのは悪いことではありません。でも、あまりにもご自身を厳しい目で見てしまうとそれを周りにも期待し、「完璧に接してくれない人は許せない」となってしまうのです。
あなたが一番最初に許すのは「あなた自身」なのかもしれませんね。
ゆるくても、大丈夫です。
うまく出来なくても、大丈夫です。
力を入れすぎなくても、あなたがあなたのままでも大丈夫ですよ。
完璧でないご自身を許せたとき、人間関係で多少イヤなことがあっても、関係を断ち切らず、長く続けられるようになります。
あなたがあなたのお気持ちを断ち切らず、末長くあなたのお気持ちとお付き合いしてあげて下さいね。
(完)