好きなことがわからない

相談者名
甘露煮
何か言葉をもらいたくてメールしました。
宜しくお願いします。
わたしはここ数年悲観的になっていて生きる気力がなくなってしまった感じです。
こちらの読み物を拝見させていただいて、自分の好きなものを確認することが必要だと思いました。

ところが好きなものを思い浮かべると、とりあえずいくつかは浮かぶのですが、同時にそれを好きな自分を批判的に見ている自分がいて、そんなことをしているうちにぐったりしてしまいます。
そして、何もいらない何も好きになれないと最後には思ってしまいます。
自分の好きの土台が劣等感や恐れで出来ているように思えるからです。

素直に好きなものを感じられるようになるには、どうすればいいのかアドバイスいただけたらうれしいです。

カウンセラー
寺島やすこ
初めまして、甘露煮さま。
カウンセラーの寺島と申します。
ご相談ありがとうございます。

こちらのホームページをご愛読いただき、ありがとうございます。
甘露煮さんのメールを読ませていただいた限りでは、
もう甘露煮さんは好きなものを見つけていらっしゃいますね!!
一つの参考例ですが、心理学で取り入れる考え方に、
「今その人が手に入れているものが、その人の欲しいもの(好き)なものである」
という考え方があります。

例えば、人はお腹がすいたなぁと思えば、食べ物が欲しくなり、
目の前にパンやご飯があれば、手にとって食べますよね。
また、もし目の前に食べ物がない場合でも、
食べ物を頭に思い浮かべるようにもなります。
また、人はおしっこをしたいなあと思えば、トイレに行きますが、
すぐトイレが見つからないときは、トイレやトイレットペーパーのことをを思い浮かべたりするのです。

そして、例えば、甘露煮さんが、今はスパゲティを食べたいなぁと思っている時に、
他の人が甘露煮さんに「とんかつを食べたいって思ってよ!!」とお願いしたとしましょう。
甘露煮さんが、付き合いでスパゲティを食べるのを我慢して、
とんかつを食べてくれたとしても、
甘露煮さんがスパゲティを食べたいと感じてるのを、その相手がとめることはできるでしようか?

答えは。。。、できませんよね。
実際に行動をどう起こすかは別にできても、
スパゲティを食べたいと欲求を感じることをとめることはできません。

これをさきほほどの、
「今その人が手に入れているものが、その人の欲しいものである」
に当てはめて説明すると、
「スパゲティを食べたいという感覚」が甘露煮さんの欲しいものであると表現できます。
つまり「とんかつを食べたいという感覚」は甘露煮さんの欲しいものではないのです。

では、甘露煮さんの今好きなものってなんでしょうか?
ハイ、その答えは、あなたがメールにも書いてくださっているとおり、
「何もいらない何も好きになれないという感覚」
「劣等感や恐れの感覚」
なのです!!!

えええ?!だって、こんなの好きじゃありませんと思われるでしょうか?
たぶん、甘露煮さんの理性の部分では、
上記の感覚をキライと思われているのは真実なのですが、
心や体などの感情的な部分が感じている欲求は、ネガティブな感覚なのですね。

そして、このネガティブな感覚を欲求に感ずるということは、
日常的にも珍しいことではないのです。
例えば、皆さん自身遊園地に行って、
お化け屋敷に入ったり、ジェットコースターに、
わざわざお金を払って怖い感覚を得ようとしたりしてませんか?
また、怖いホラー映画をみてしまったり、
もっと簡単なところでは、自分の鼻をかんだあとのテッシュを
わざわざ広げてみてしまったり。。。。
※汚いなぁと思ってても、ついやってしまうことありませんか?
と、わざわざ意識的にネガティブな感覚を選択していることもあるのです。

なので、甘露煮さんの場合は、
今、悲観的な感覚が大流行しているのですね。
いちご大福を食べたい~
エルメスブランドのバッグが欲しいな~、
フジヤマに乗りたい~というのと同じように、
今は怖い感覚が欲しいな~と夢中になっていらっしゃるのです。

では、そんなネガティブな思いを味わうとどんなメリットがあるのでしょうか?
それはよりポジティブな思いを楽しめるからということにあります。
また、活き活きした感覚が楽しめます。
例えば、わかりやすい例えであげますと、甘露煮さんの心理状態は、
北極やヒマラヤなどの極限の秘境にチャレンジする冒険家のような状態にあるのです。
昔のリポビタンDのCMのようなファイト一発状態なんですね。

ですから、この状況に変化を起こすには、
そのネガティブな感覚を自分に飽きるまで堪能させてあげることです。
ジェットコースターに乗り飽きて、もうこれ以上はたくさんだなぁというところまで、
逆に自分にネガティブな感覚を与えてあげてみましょう。
悲しいドラマや、悲しい音楽をたくさん見て聞いたり、
怖い映画、ドラマ、小説をづけマラソンというのもいいかもしれません。
とにかく、もう自分はこれ以上はたくさんだぁ~と、
頭よりも体が反応するくらいがちょうどいいでしょう。

感覚を感じるということは、頭でコントロールしてなんとかなるレベルと、
どうにもならないレベルと両方があります。
頭で一生懸命考えた、いろいろ試してみたけれども、
万策つきていますという時は、むしろ我慢や無理をせず、
頭で判断しようとすることをお休みしてみましょう。

甘露煮さんの場合は、
「素直に好きなものを感じられるようにならなくては」という思いから、
自分を解放してあげることです。それは自然に任せてあげましょうね。

ご相談ありがとうございました。

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