人を減点で見てしまう(特に異性)

相談者名
オレンジ
よろしくおねがいします。

私は人を減点法で見てしまい判断してしまいます。心理学的にいうと罪悪感とか自分を責める気持ちが強いから人にも反映して見てしまうということになるのかも知れませんが・・・

例えば、食べ方が汚い人、挨拶ができない人、店員に横柄な人、エレベーターで最初に乗ったくせに開閉ボタンも押さず我先に降りていく人・・・
ちょっとしたことで嫌いにはなりませんが、異性として見れなくなります。だから42歳にもなって独身なのだと思います。
人として相手に不愉快な思いをさせているのが分からない気が使えない、そうゆう人だと男女問わずイライラします。

自分だって完璧ではないのに・・・

私は何様なのでしょうか?

人の良いところも見るようにはしています。でも食べ方とか挨拶とか仮に付き合ったとしても、付き合った相手が注意したりすることなのでしょうか。子供じゃあるまいし人としてどうなんだろうって思ってしまいます。
でもそれだけで気持ちが下がり、良いところより悪いところが目に付いて、長続きしません。

こんなんだから結婚もできないし、付き合うことすら出来ないと思います。

カウンセラー
松尾たか
オレンジさん、ご相談ありがとうございます。
今回、ご相談を担当させていただく松尾たかです。どうぞよろしくお願いいたします。

オレンジさんは、人を減点法で見てしまうことで、人に対してイライラしたり、嫌な気持ちになることがあり、それがご自身を苦しくさせてしまうようですね。
本当は人の良いところを見て、人ともっと親しくなりたいと思われているように感じます。
少しでも心がラクになることを願って、書かせていただきますね。

>例えば、食べ方が汚い人、挨拶ができない人、店員に横柄な人、エレベーターで最初に乗ったくせに開閉ボタンも押さず我先に降りていく人・・・

オレンジさんはこのような人に対して、気持ちが冷めてしまうとのことですが、こうしたことが出来ていない人に対してイライラしたり嫌な気持ちになることって、同じように思う人もけっこういらっしゃるんではないかと思うんです。
もちろん、反対に、こんなことにイライラもしないし、特に気にもとめない、気にならないという方もいらっしゃいます。なぜこのように違うのでしょうか。

例としてあげていただいた、食べた方が汚いとか、挨拶ができないとか、これは幼少時のしつけやルール、マナーとして教えられることが多いかと思います。 エレベーターや電車の乗り降りなども、相手を気遣うことでお互いが心地よくいられるようにとの配慮ですよね。

オレンジさんにとってこれらのことは、「やって当たり前。出来て当たり前」のこととして、育ってこられたのではないでしょうか。 もしかすると、オレンジさんのご両親は、ルールやマナーに厳しい方なのかもしれませんね。
そうだとすると、オレンジさんはきっと小さな頃から一生懸命にその教えを守ろうと努力されたのではないかなと思います。 そして、それが現在の自分の中で、ルールや決まりになっているのでしょう。

そのルールや決まりが、自分がそうしたいと思ってしている場合はいいのですが、もし、「~しなければならない」「~すべき」「~してはいけない」と義務や禁止となっていると、苦しくなってしまいます。

「挨拶はしなければならない」とか、「食べる時はこぼさずにきれいに食べなけばならない」とか、「先にエレベーターに乗ったら、後の人のためにドアのボタンを押して待つべき」というようなルールを持ち、決してそのルールや教えから外れないように努力して努力して頑張っているとしたら、それをやらずにいて平気な顔をしている人を見たらどんな気分になるでしょうか。

きっと「なんでやらないの!」「それをしないで平気だなんて信じられない」「私はこんなに頑張って(そのルール)を守っているのに・・」というような気持ちが湧いてきて、人を判してしまいます。

実は私たちは、知らず知らずのうちに自分の中の決まりやルールを持っていて、それを忠実に守ろうと思うほど、他人がそれ(私の決まり)を破ることに対してイライラするんですね。
だって、自分の中では絶対であることを、他人は気にもせず破るのですから。

だけど、本当はそのルールや決まりを守りたくて守っているのではないわけです。「こうしなければ・・」という思いがあり、無理をしていることも多いのです。 そのルールを守らなかったことで、親に怒られたり、注意されたり、あるいは、それを守ることで、親にかわいがられたり、認めてもらえたりした経験から、「~しなければならない」という思いを持つようになります。

オレンジさんにとっての決まりやルールは、どれくらいありますか? 守るべきルールはどんなものでしょうか。

そして、相手にイライラすると言う気持ちの中には、「私も(出来ないのに無理して、頑張って)ルールを守ってるのよ」という気持ちがあり、本当の私はそのルールを守れない人間という思いが心の奥に潜んでいるからなんですね。
そして、その自分が出来ていないことを自分で許せていないからなんです。

また、多くの人はパートナーに対して自分にないものを求めることがあります。ですから、私が持っていないと思う資質や要素に対して、相手にもっていて欲しい(備わっていてほしい)と思います。 自分が完璧ではないからこそ、相手に求めてしまうのかもしれません。そうすると、欲しい要素が相手にないと感じた瞬間に気持ちが冷めてしまうのではないかと
考えられます。

では、人に対するイライラから少しラクになるために、オレンジさんにやってみてほしいことがあります。
まず自分の中のルールや決まりを見つけ出してみませんか。人の言動にイライラした時こそチャンスで素。 「なぜこんなに私はイラつくんだろう」「なんで嫌な気持ちになるんだろう」と考えることで、自分を縛っている決まりやルールが見えてきます。
それを見つけた時、もしそのルールがあることでご自身が苦しいのなら、「本当にこのルールは必要なの?」と問いかけてみてくださいね。

私たちの決まりやルールは、多くは幼少の頃の体験から出来ています。そのルールによって
助けられてきたこともあったでしょうが、今の自分に本当にそれが必要かどうかを考えてみるんです。
今の自分にもし不必要なものなら、それを手放していきます。そのルールや決まりからオレンジさん自身が解放されようと思ってみてくださいね。

本来、オレンジさんは誰をも愛したいと思う心優しい方です。
そのオレンジさんが、もっと自分自身を愛して、人とどんどん気持ちを繋げて、より心地良い毎日を過ごされることを願っています。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。