別居している夫との関係をどうしたら良いのか

相談者名
ねこ
私と夫は30歳、交際期間1年半、結婚2年、夫が風俗に行ったことが発覚して現在別居しています。
夫は両親が不仲で離婚。家族とは何か分からない、大切な存在ではないと言います。また自分の感情にも他人の感情にも疎く自分が人を傷つけたとしても仕方ないことだと言い、中・高校時代に楽しい時間を共有した友人だけを大切にしています。
私は夫が中・高校の友人以外に初めて親しくなった人間で交際時代は恐ろしい程二人の間に問題はなく、結婚後は1kの部屋でぴったり密着して暮らしていました。喧嘩もなく仲良くやっていたのですが、結婚してから夫は性的な興味が外に向かうようになり、私は夫に依存的な心情となり嫉妬と不安の毎日でした。何度も話をし、私にとって浮気も風俗も身を切られるように辛いので、風俗に行くなら別れてからと約束をしていました。
けれど夏に夫が出会い系に登録していたことが発覚、部屋を出るという私を夫は引き止めましたが、結局二ヶ月もしないうちに夫は風俗に行ったのです。
私が部屋を出るまでの間話し合いを設け、今後も夫婦として話し合って新しい関係を作っていきたいと言いましたが、夫に拒否されました。夫は自分の感情に向き合えない為さっさと終わりにして楽になりたいようでした。夫は私とは友人になりたいと言い、もう終わった気でいると思います。
結婚後夫と話をする傍ら、自分が変わらなくてはと自立を目指し、同時に夫に対しては変わらない愛情を示すと決めました。苦しくてもまだ努力の余地があるし、いずれ夫に自分の幸せの為に私といることがいいのか離婚して自由になることがいいのか選んでもらうつもりでした。
私達には自分だけの空間や時間がもっと必要で、私はその不満を夫とさらに一体化することで満たそうとし、夫は外に目を向けたのだと思います。
今は二人の関係について考えるのではなく、自分が幸せになる未来を強く望み、自分の世界を広げること、夫に対して変わらず愛情を示そうと決めています。ですが惨めさや嫉妬、夫に対する恋しさや嫌悪感など感情も目まぐるしく変わり、前向きな振りをしているだけで私は執着の中に捕われており、夫が変わることを期待して前に進めていないのではと思うと怖いのです。
私の選択は間違っているでしょうか。もっと他にも考えるべきことややるべきことがあるでしょうか。
カウンセラー
池尾昌紀
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

ねこさんが書いて下さった通り、ねこさんとご主人は、「ぴったり密着して」いる状態だったのだと思います。

心理学ではこうした状態のことを「癒着」といいます。
癒着というのは、二人の心がぴったりくっついてしまっているような状態です。
まるで身体がくっついたまま、生活しているような感覚なので、どこに行くにも一緒、極端に言えば、トイレもお風呂も一緒、みたいな感じになってくるのですね。
そうすると、どんなに愛し合っていても、相手にロマンスを感じにくくなってしまいます。

ねこさんご夫婦の場合は、最初にご主人がそうした状態になり、外に目を向けるようになっていったのではないかと思います。
そんなことをされたら、自分のことを嫌いになったのではないか、自分の元を去って行くのではないか、と感じて、相手を追いかけたくなります。これがねこさんの心の状態だったのではないでしょうか。

ねこさんは、
「私達には自分だけの空間や時間がもっと必要で、私はその不満を夫とさらに一体化することで満たそうとし、夫は外に目を向けたのだと思います。」と書かれておられます。
まさに、その通りの状況だったと思うのですね。

ですから、適正な距離をお互いが作るために、広い部屋に引っ越しをするとか、物理的に距離を置く、といった方法は、ケースバイケースですが、ひとつの手段になってくると思います。

また、パートナーシップの問題は、相手がいることですし、相手の問題行動が引き金になって起こることもたくさんありますから、相手に変わって欲しい!と強く願うケースが多くなってきます。
そう思うのは当然なのですが、他人を変えることは中々難しいので、まずは自分が変わっていくことに取り組むと、相手も変わりやすくなる場合があります。

例えば、相手を追いかけても、相手が逃げてしまう場合は、自分が追いかけなくなっていくことで、相手のほうが追いかけてくれない不安を持って、こちらに興味を示す、というような場合もあるのですね。

もうひとつ。
こうした問題を解決していくのに大切なのは、「自分の幸せ」をゴールに考える、ということがあります。
パートナーシップで問題が起こると、こちらが相手を愛しているから離れたくないと思っているケースでは、この人がいなければ私は幸せになれない、と感じます。
ところが、この状態だと、自分の幸せが「相手ありき」になってしまうのですね。
相手の機嫌はどうか、相手の態度はどうか、ということが気になったり、いつ相手に裏切られるか、いつ相手が去っていくかという不安でとても苦しくなります。

幸せとは、その時の状況ではなく、幸せと感じられるかどうか、で決まります。

私が幸せに感じるのはどうなった時だろう、どんな自分になることだろう、そんなことを考え、私の幸せをゴールします。
その幸せを得るのに必要な人、ぴったりの人は誰だろう、と考えた時にやってくるのがパートナーなのです。

こう考えることができた時、幸せが「相手ありき」から「自分ありき」に変わります。

まず自分が幸せになることを最優先にした時に、この人でないとだめなんだ、という思いから解放されるとも言えるのではないでしょうか。

そう考えてみると、ねこさんの書かれている内容から察するに、ねこさんはご自身やご主人のことをよくわかっておられ、自分ができるベストを尽くしておられる。私にはそう思えます。

では、ご相談にありました、ねこさんが今、やるべきことは何か、というご質問にお答えするとしたら、私は「休むこと」であると思います。
そのことが、今は見えていない、やるべきこと、考えるべきことを見つけることにつながると思います。

自分の幸せを考え、夫にかわらぬ愛情を注ぐ決意。
このゴールは素晴らしいと思うのです。
でも、ゴールに向かって進まなければならない、がんばらないといけない、と思い続けると、そのことが負担になってしまうことがあります。
疲れてしまうことがあります。
でも、そうした負担や疲れをご自身が許せていないように思うのです。
もし、自分が少しでも疲れてしまったり、休んでしまったら、この目標が達成できない。
あるいは、休んでしまったら、もう立ち上がれなくなってしまって不安なのかもしれません。
もしかしたら、そんな風にご自身を追い込んでしまっているのかもしれません。

でも、ゴールに必ずたどりつくことと、休むことは矛盾しません。

例えば、山の山頂に必ずたどり着く、という決意をして山を登りはじめた時、折々に休憩しながらいかなければ、山頂にたどり着くことができませんよね。

今のねこさんの状態は、休まないで山頂に行こうとしているような感じなのではないでしょうか。

前向きな姿勢はとても大切ですし、目標を達成するのに必要な要素です。
でも、そのためには、自分をいたわって、心に余裕をもたせながら、進むことが大切なのです。

ねこさんの強い決意は、折々に思い直す必要がでてくるでしょう。
大切なのは、決意であって、休むことを許さないことではないと思うのです。

そのために、この相談コーナーに書いて下さったように、誰かに助けを求めてください。
弱音をどんどん吐いてみてください。

そのことで、心が軽くなり、余裕が少しでも生まれ、その生まれたスペースが、今すべきことを思いついたり、いいアイディアを生み出します。

もしよかったら、カウンセリングも使ってやってください。

ねこさんのお手伝いが少しでもできたら、とてもうれしく思います。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。