還暦夫の不貞

相談者名
shino
夫は60歳、私は59歳です。去年の秋頃何気なく見た夫の財布からラブホテルの割引券を見つけてしまい、夫の部屋を探すとED薬、コンドーム、ラブホテルのポイントカードが出てきました。私達は12年以上レスでした。原因は私にあったと思います。妊娠の怖さと実親の看病、更年期の心身の不調で気持ちが付いていけず、一度拒否してしまいました。それ以降夫は求めてこなくなり、私もそれはそれで楽だと甘んじてしまいました。それ以外は冗談も言い合える普通の夫婦でしたが、だんだん会話はとげとげしくなっていたかもしれません。夫は管理職にあり、仕事熱心で友人も多く、多趣味で行動的な人です。ただ欲しい物やしたい事があると必ず手に入れ、実行し、のめり込み、我慢が苦手な人です。夫の不貞はおそらく風俗で、10年以上月1~2回以上はあったのではないかと思います。知った時は1週間全く眠れないほど悩み、悲しみましたが、夫への愛情はまだありましたので、まず自分が変わり再構築をしようと夫を誘いました。最初夫は驚いていましたが、すごく嬉しそうでした。それからは夫婦生活も頻繁にあり、恋人時代のように手を繋ぎ、下の名前で呼び合うまで関係は良くなりましたが何をしていても気が乗らず、涙がでて仕方がないときがあるのです。男性の生理を全く理解せず、夫に寂しい思いをさせてしまったことは悔やまれますが、このまま黙って消化できるまで待てばいいのか、夫に告白したほうがいいのかわからないでいます。
カウンセラー
三好成子
shino様はじめまして
今回はのshino様のご相談担当をさせていただきます三好成子と申します。

私は今57才ですのでshinoさんと同世代です。
私たちの年代は親世代が戦後の復興の中
女性として、男性として生きるというよりも
生きるということだけで精いっぱいだったように思います。

ですので
その子供世代の私たちは
ラブラブで 仲の良い夫婦というものをあまり見せてもらっていないようにも思うの
です。

セックスや愛という言葉も何かしら、どこか気恥ずかしく
結婚後何年かすると『なくても良い』ものとしてとらえてしまいそうになることもあ
ると思います。

どこかで
そういうものだと思ってきた、思わされてきたような
それが教育だったのか、慣習としてだったのか定かではないのですが
セックスレスに違和感がないという事もあってもおかしくはないような
そんな環境に、私たち世代は置かれながら育ったところもあるのかも知れませんね。

一方で
いつまでも男として、女として
セックスを介してお互い認め合っているご夫婦も存在することも確かなのです。

せっかく男として、女として生まれてきて
いつまでも異性として扱ってもらいたいという気持ちは
消えるどころか
年齢とともに意識をすることが多くなってくるように思います。

自分の人生の終焉の時を意識する時に
「これでいいのだろうか…」
「このまま終わりたくない」
という気持ちが上がってくると

やっぱり女性である部分をちゃんと認めてもらっておきたいと
思っても不思議なことではありませんよね?

もちろん、男性も同じだと思います。

それを踏まえてshino様がご主人の求めを拒絶したというにも
それ相応の理由があったからこそだと思うのです。

shino様が書いてくださっていましたように
『妊娠の怖さと実親の看病、更年期の心身の不調で気持ちが付いていけず。。。』
という文面ですね。

妊娠の怖さがったのですね?
きっとshino様の心に何かしらの痛みがあったのだと思います。

そして
ご両親の看病となると
セックスで愛を交わす、楽しめるような心にはなれなかったのでしょうね。

そこに、年齢的な更年期の心身の不調が出ていたのであれば
愛するご主人の求めであっても、応じることも
その時は到底無理だったのだと思います。

きっと、その後もセックスはなくても
仲良く暮らせていたということは
ご主人も頭ではちゃんと理解して、
shino様を大切に扱ってくれたのだと思うのです。

ご主人のことを
『仕事熱心で友人も多く、多趣味で行動的な人です。
ただ欲しい物やしたい事があると必ず手に入れ、実行し、
のめり込み、我慢が苦手な人です』
と書いてくださっています。

この文章を拝見する限り、とっても男性的なエネルギーにあふれる方のようですね。

ただ、欲しいものやしたいことがあると必ず手に入れ・・・
と言うように
我慢や保留状態が苦手なところもおありのようですね。
ちょっとだけ自信がないのかな?と思うところでもあります。

自分の価値やパワーを確認せずにはいられない方なのかな?とも感じました。

ご主人はshino様の事をとっても大切に思われているようですね。

Shino様を傷つけたくない
そういう気持ちでおられたことは間違いないようにお見受けいたします。

時々いらっしゃるのは、奥様を大切に思いすぎて触れられないので
自分が触れると汚すような感じがしてセックスを求められないけれど
体は男性という事を証明したくて、
先ほどもお話ししましたように、男性として産まれた以上
男性として扱ってもらえる場所、例えば風俗店に出入りしてしまうという
そういうお話もあると言われています。

Shino様と心の距離を感じたからとか、嫌になったから風俗に…というものではなく
Shino様を大切にしたいがために、結果そうなったというもののように思えてなりま
せん。

ご相談内容物を拝見して感じたことは
shino様も、ご主人様も
お互いにお互いを大切に思いやっていらしたのだなぁ?
と思いました。

文面のどこにも「うらぎられた」とか「ひどい」とかの言葉がありません。

それどころか
私が申し訳ないことをしたのではないかとおっしゃっているのですから
そして
いろんなことを飲み込んで乗り越えようとして
Shino様からご主人を誘われる勇気を出されています。

セックスレスが長いご夫婦で、誘う方の恥ずかしさや
躊躇する感情、拒否されたらどうしよう?という恐れがあって当然なのに
それを乗り越えて行かれたということに感動しています。

二人にとって最高の時間が訪れたのですね、shiho様の勇気によって。

本来ならば
このまま良かった良かった、で終わるのですが
仲良くなればなるほど
裏切られていたんだという思いが強く、
ご主人が信じられなくなってしまうのかも知れません。

ご主人を責めたいのに
そうさせた自分がいるという事を感じていらっしゃるので
同時に
ご自分を激しく責めてしまわれるので
とっても痛いのだと思います。

戻らない過去の出来事に 悔やんだり、悔しかったりされているご様子ですね。
お気持ちもすごくわかりますし
このまま何も知らないふりして、傷ついていることを知らないご主人と
何事もなかったかのように生きていくことに悔しさも出てきますね。

今、ご主人も
この12年間の不貞で自分を責めていらっしゃるかも知れませんね。
同じような気持ちでいらっしゃるのかも知れません。

言ってしまえばお互いに楽になるのかも知れませんが
そこからまた
ご主人の罪悪感を刺激してしまうことも考えられます。

こういうときに思っていただきたいことがあります。

なぜ知ってしまったのだろう。
知らずにいればもっと楽に毎日過ごせていたかも知れないのに…

と思う時

『私はなぜ 知らなければならなかったのだろう?』
という考え方に変えて見てほしいのです。

ご主人の求めを拒否せざるを得なかった理由があって
その後、セックスが無いのも楽だと思ったにも理由があるはずなんです。

ご主人が再度求めてこなかったにも理由があって
風俗を利用したにも 理由があると思うのです。

そして
それをいつか知られてしまうような行動・・・
例えばポイントカード…とか

なので この件が発覚するにはそれだけの理由と恩恵があったはずなんです。

あのまま何もなく、何も知らず人生を終わるよりも
もっと素晴らしい人生になるように
物事は用意されていた

そう思えることで
『今』の意味づけが変わった来るのではないかと思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

「近ずぎてウザい・遠すぎてさみしい」 自身の経験から、人との心の距離感や対人関係の悩みには親子の距離感が大きく関係している事に着目。【母子癒着】といわれるくっつきすぎた心を見ていくことで、人との距離感を整えていくカウンセリングを得意とする。 誰にも言えない気持ちに寄り添ってくれると好評。