10年前の浮気が原因で亀裂

相談者名
藍人
出来ちゃった結婚で、10年になる夫婦です。

私が10年前、結婚当初に行った数々の浮気によって
妻は完全にさめてしまっていたようです。

しかしながら子供のためにと、生活を続け
2子目、3子目と授かったのですが
妻の言い分としては、産みたくないことを
私に告げるのに恐怖を感じ、告げることが出来ず
そのまま、ずるずると生活を続けていたようです。

恐怖を感じさせることについては、私が浮気を行っている時に
はなった暴言・暴力などで恐怖感が染みついてしまった
とのことでした。

1子目が2歳になるころから浮気はやめたので
私の中で勝手に許されたもので、2子目、3子目と
授かり、生活が続けられているものだと思っていました。

しかし、去年より育児疲れもあって精神状態が
安定せず、妻が浮気をしました。

浮気発覚後、妻から別れ切り出され、ずっと別れたかったことを
告白されました。

そこまで、追いつめていたのかと反省しきりで
妻は心療内科へ通院させ、育児などについては出来る限りフォローするよう
していますが、やはり、10年前の浮気のことが頭から離れず
最近では事あるごとに、その話しになり別れ話を繰り返し
妻の状態も快方に向かわないといった状態の繰り返しです。

私は婚姻生活をこのまま続けたいと思っていますが
現実的に無理なのかと思う部分もあります。
状態の繰り返しから抜け出し、少しでも普通の生活が出来ればと
考えますが、どうしたらいいでしょうか。

カウンセラー
大谷常緑
藍人さん、こんにちは。
初めまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

さて、ご相談を拝見して先ず感じたことは、藍人さんにとってこの状況を乗り越
えることができたら、奥さんとのお二人の関係性をとても強固に出来るチャンス
でもあるのだなぁという事です。
過去の出来事はお互いに辛く、過去から続く現在の状況はとても苦しいとは思い
ますが、ここは藍人さんが自分の心と向き合い、自分の心のパターンを癒し、奥
さんを受け容れる、大きな愛で包み込むということができれば、奥さんとの関係
はよい方向に進むと思います。
その為には、藍人さんが自分自身と向き合う決意、奥さんと向き合う決意をする
事が先ず最初に求められます。
しかしこの決意、中途半端な決意ではなかなか上手くいきません。問題がこじれ
ている度合いだけ、決意を揺るがす様々な藍人さんの心の「罠」がやって来るか
らです。
なかなか改善しない状況、奥さんから言われる様々な事による藍人さんの心の動
揺、第三者からの言葉、藍人さんが自分を責める気持ちなど、罠は数多くありま
す。
これらの罠に出会うと、藍人さんの心が揺れるのですが、そこで藍人さんは再度
奥さんと一緒にやっていく事を再度選択し、改めて決意する事が必要になります。
厳しいことを言うとお考えになるかもしれませんが、もしそこまでの気持ちが無
いのであれば、奥さんが今どうされたいか、に従った方がいいと思います。
奥さんは多分意識されていないと思いますが、この状態は、奥さんから藍人さん
に出された課題でもあるのです。

では、具体的にどのようにすればいいかと言いますと、先ずは藍人さんの自分改
革(自己変革)を行うことが必要です。
藍人さんの心の中には、昔からお持ちのとても強いネガティブな自己概念があり
ます。例えば、自分は愛されない存在であるとか、必要とされていない存在であ
るとか、自分は罪深い人間であるなどです。この自己概念に基づいて藍人さんは
常々自己攻撃を行っておられます。
しかし、このネガティブな自己概念は実は勘違い、間違いなのです。
この勘違い、間違いを正す目的で、自分の心と向き合って、
「どうして私はそう感じるのだろう?」
というルーツを探っていただきたいのです。必ずルーツは存在します。特に、幼
少の頃のルーツに辿り着いて欲しいのです。
そして、いいとか悪いとかの判断をすることなく、その時の藍人さんの周囲の状
況を理解して欲しいのです。今までご自分が捉えられてきた見方、考え方を越え
て、様々な見方を試みてください。そうやって探していただくと、新しい見方の
中に、ネガティブな自己概念が勘違い、間違いだったことを気づかせる何かを発
見する事ができると思います。

次に藍人さんにやっていただきたい事は、自分の価値を受け取ることです。これ
は、先の自己概念の変革と同時に行っていただいても結構です。
私達は、自分の出来ていないところ、不十分なところを責め、自分の良いところ
をなかなか受け容れることができません。そうすると、自分が出来ていないとこ
ろばかりにフォーカスしてしまい、等身大の自分の価値を見失ってしまうのです。
その結果、自信が持てず(あるいは強がった嘘の自信は持っているかも知れませ
んが・・・)人の言葉にネガティブに反応したり、人の言葉で傷ついたりしてし
まうのです。
自分の価値を受け取る方法(レッスン)としてお薦めの方法は、毎日、今日一日の
自分の言動の中に自分を褒めてあげるネタを見つけて、それを褒めてあげる方法
です。
褒めるネタは、例えばどんな事でもOKです。今日、誰かに優しい言葉を掛けた、
誰かに頼まれたことをしてあげた、お子様に愛を与えた、今まで手が付けられな
かったことに手を付けた、電車の中で席を譲ったなど、思い返せば必ず見つかる
はずです。
これを続けることにより、今まで自己攻撃に偏っていた自分の価値の見方の癖を、
等身大の見方に矯正することができるのです。
そして、大いに自分の価値を受け取って(受け容れて)欲しいのです。

このような方法で自分の心のコンディションが整ってきたら、奥さんに対する接
し方も変わってきます。
彼女の寂しさ、悲しさ、無力さなどの気持ちを本当の意味で共有し、そして奥さ
んに愛を送ったり、伝えたりする事が出来るようになります。そして、奥さんの
心の中にある藍人さんと同じネガティブな自己概念(ほとんど同じような自己概
念をお持ちのようです)を一緒に昇華していくことができると思います。

心理学の中で「攻撃は愛を求める叫び」という言葉があります。
今、奥さんが藍人さんに求めておられるもの、それは藍人さんの愛です。
先に、奥さんが藍人さんに対しておそらくは意識しないで課題を出していると書
きましたが、実は、奥さんは自分自身に対しても課題を課していたのです。「私
は愛される価値がありますか?」と。

お一人で進まれるうちに迷いが出たり、分からなくなったり、辛い状況が続いた
りする事があると思います。
是非、カウンセリングを受けながら、進められる事をお薦めします。
回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。