妻の浮気、そしてやり直しに向けて

相談者名
のりさん
本年の1月に妻の浮気が発覚。その浮気のきっかけは私の欠点「怒りっぽい性格、家事育児に消極的、思いやり・気配りのなさ、愛されている実感が無い、セックスの強要」とのこと。
“怒りっぽい性格”とは、人前でも平気で妻を怒る。子供に八つ当たりする。大きな声で怒鳴ること。
“育児放棄”とは、子供の学校のこと、保育園のこと、全て妻に任せきりで用意はしない、お便りも見ないのが気に入らないとのこと。しかし、子供の授業参観は積極的に参加していた。
“家事放棄”とは、もっと家事を積極的に手伝って欲しいとのこと。妻が妊娠中の大変な時でも、布団干しや、食料品の買い出しで重い物を持っていた。もっと気配りが欲しいとのこと。自分では、土日の家事は精一杯手伝っているつもりでした。妻に家事育児にもっと積極的に参加して欲しいと言われても、「俺は他の人に比べれば十分やっている。俺の会社の男は土日なんてパチンコ三昧なんてざら」と自分の肯定ばかりであった。
“思いやりのなさ、愛されている実感が無い”とは、私が妻へ愛情を注ぐことを怠っていたのは確か。私が妻へ愛情を注ぐのを怠ってしまったから、妻から私への愛情も減ってしまった、この悪循環。
“セックスの強要”とは、あまり妻にその気が無いときも断ると私が怒るから受け入れていたということ。嫌なのに受け入れるのが苦痛だったらしい。
※浮気発覚後の妻の態度
最初は、「私はなんて事をしているんだ。もう取り返しのつかないことをしてしまった」だった。でも直ぐに、「浮気なんて誰でもしていること。だからびくびくする必要なんてない」となった。そして妻の本音が、“私と離婚し、浮気相手と一緒になりたい”であることにが気付いた。
私が欠点を直そうとしている今でも、妻は私を好きにはなれない。それは浮気相手の魅力が優るからとのこと。最近では、妻は私の前では、また、私から話しかけると不機嫌になる。私の話を聞こうとしない。一緒にいるのが嫌そう。態度は最悪です。
※私の妻に対するこれまでの態度
浮気発覚時は、直ぐ「許す」と言えた。「やり直そう」と言った。
しかし、“正しさの争い”をして、妻にお前が悪い!、早く浮気相手を忘れろ!の態度をとってしまったことも多々あり。

やり直しに向けて私のすべきことは何でしょうか?

カウンセラー
池尾昌紀
のりさん、こんにちは。

池尾昌紀と申します。ご相談ありがとうございます。

自分なりにがんばってきたつもりだったが、それが不十分だったの
かもしれない。

のりさんの文面からはそうした後悔の思いが伝わってきました。

パートナーに浮気をされたら、誰もが深く傷つきます。のりさん
も、きっと深く深く傷つかれたにちがいありません。こうした時
は、当然ながら、傷ついた分だけパートナーへの怒りが表に出てく
るものです。

しかしながら、のりさんは、相手を責める気持ちよりも、自分を責
めておられるように思います。

ご自身が書いておられるように、育児家事や奥様への振舞いに対す
る後悔の念がそうさせているのは事実でしょう。けれどもそれだけ
でしょうか。

自分に悪いところがあるからといって、浮気していいはずがない!
と怒りをまっすぐぶつける人だっています。一般的にいえば、それ
は普通だと言われそうです。でも、あなたはそうではないのです。
まず初めに自分を責めておられるのです。

その理由は、あなたが本質的に「優しい」方だからだと僕は思います。

ご相談を読ませていただいて感じたことのひとつは、のりさんが自
分の「怒りっぽい性格」をなんとかしたいと思っておられるのでは
ないか、ということでした。

それは今回の出来事がきっかけではなく、長い間、のりさんが思っ
てこられたことではないでしょうか。そんな自分を変えたい。そし
て、それが今回のご相談である[やり直すために自分がすること]
につながっているのだと思いました。

「怒り」とは本当の感情を隠すフタである、という言葉があります。

隠れている感情とは、多くの場合、「悲しみ」や「寂しさ」です。

それを感じたくないから、「怒り」を表に出して、感じないように
している。

なぜなら、それを感じるのはあまりに辛いから。

もしそうだとしたら、その悲しみの元は、どこにあるのでしょう。

その源は幼少期にまで遡るものかもしれません。

これは一つのものの見方にすぎません。けれど、その見方で考えて
みれば、怒りっぽい人というのは、本当は誰よりも悲しみ隠し持っ
ていて、それが大きいゆえに、また、繊細なゆえに、自分の心を守
るために怒っていると説明することができます。

それほど繊細な心とは、どんな心なのでしょうか。

純粋で、優しいがゆえに、小さなことにも悲しみや寂しさを感じて
しまう、そんな心ではないかと思うのです。だとしたら、そのまま
にしておいたら傷つきすぎて生きてはいられません。それを守るた
めの手段として「怒りやすい」ようになったのかもしれないのです。

もうひとつ。別の視点でお話させていただきたいと思います。

確かに、奥様が言われるように、のりさんには育児家事のこと、奥
様を人前で怒ってしまうこと、その怒りが嫌で奥様がいろいろなこ
とを我慢していたことなど、のりさん自身が指摘されて「悪かった
なあ」と思い当たることもあるでしょう。

けれど、もう一度振り返って考えてみて欲しいのです。

あなたは、今まで仕事をがんばってやってこられたのではありませんか?

あなたにとっては、意識することがないほど、当たり前のことだっ
たかもしれません。

それはどうしてなのでしょう。

奥様と子どものために、やってこられたのではありませんか?

では奥様はどうでしょう。

育児家事をはじめ、家のことを一生懸命やってこられたのではない
でしょうか。

奥様にとっては、当たり前のことだったと思います。

それはどうしてなのでしょう。

ご主人と子どものために、やってこられたのではないでしょうか。

どちらも自分のやれることをがんばってこられたのです。

努力しなかったわけではない、それどころか、一生懸命身を削るよ
うに頑張ってこられたのだと思います。

自分を誉めてあげて欲しいのです。いたらないところもあったかも
しれないけど、俺もがんばってきたんだな、と。そして、奥様に対
しても。

もしそこに欠けているものがあったとしたら、それはお二人の心の
「つながり」、簡単に言えば、コミュニケーションだったのではな
いでしょうか。

パートナーが浮気をするような大きな問題が起こった時、誰もが傷
つき悩みます。

けれど、それは、今まで表に出てこなかった二人の間にある問題に
気づかせてくれるチャンスでもあるのです。

のりさんは、奥様の態度について「目の前では、また話しかけると
不機嫌になる」と書いておられます。

一見すると、のりさんのことを嫌っているように思えますが、そう
とは言い切れないと思います。

冒頭に書かせていただいた、のりさん自身の怒りについての部分を
思い出してみてください。

不機嫌になる、というのは「怒り」のひとつの形です。

もし、同じ事が言えるとしたらどうでしょう。

奥様は、不機嫌の下に本当の気持ちを隠しているとしたら。

それが「悲しみ」や「寂しさ」であるとしたら。

なぜ、そんな思いを隠し持っているのでしょうか。

それは、のりさんに「申し訳ない」と思っているとは考えられませんか?

のりさんには、文面では語り尽くせないたくさんの思いをお持ちだ
と思います。

今日書かせていただいたことを念頭におきながら、是非、もう一度
ご自身の心の中を見てあげてください。

ひとりで気持ちの整理をするのが大変であれば、カウンセリング
サービスの無料相談電話をお使いいただいてもいいと思います。

誰かに思いを話すだけでも、とても心は軽くなります。

機会があれば、お話できれば幸いです。

のりさんが幸せになるお手伝いが少しでもできれば、これほどうれ
しいことはありません。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。