回避依存の彼が忘れられない

相談者名
Masumi
半年片思いし続けた同僚に振られて5ヶ月経ちましたが、忘れられません。
彼は自立した人で、職場では表面的な付き合いをして本心を見せず、用事がないと人に近づきません。
仕事で他人を支配したがる等、回避依存の傾向があります。
私はACで、仕事・アルコール依存症の父、娘に依存する母を持ち、冷たい男を好きになります。
彼には異常に親身に仕事の手助けをして貰い、好きになりました。
でも近づくと彼は無愛想になり、散々冷たくされました。
反面、私の側で空咳する、チラ見する等妙に意識しており、両極端な態度を繰り返され、私は疲弊していきました。
彼の本心を知りたくて熱烈にアプローチしましたが、「仕事が忙しい」と避けられ、2人で会ったのは1度きりです。
その時彼は落ち着かない様子で目を泳がせ、言葉少なで、でもニヤけて嬉しそうで、別人みたいでした。
彼は褒めると「俺よりAさんの方が上」と必ず卑下しました。
例えば飲みに誘うと、彼は私の上司に話を持ちかけ、私を誘わず回りくどい方法で同席しようとします。
同席した折、彼はすぐ私の隣に来ましたが、緊張していました。
彼の腕に触れると、席をたってしまいました。
「今度2人で飲みに行こう」とメールすると「行きたいと思わない」と返事があり、私は激昂して「では何故隣に来るの。
貴方が好きです。
本心を言って」と迫り、「そういう気持ちをもてない」と振られました。
勘違いだったかなと反省し、彼には軽くフォローして、以後は事務的に接していました。
その後も彼は、私の前ではシャイになり、時に挑発的な態度をとりました。
例えば、私の前の席の女性に優しい言葉をかけたり、ホワイトデーは彼女だけにお返しをしていました。
彼を責めたくなりましたが、エゴを押しつけたり、自我を失い諂う事を空しく感じ、無視しました。
すると彼は私に注目しなくなりました。
でも彼を見るのは辛くて、辞職しました。
最後、彼に話したいと言うと、「忙しいがこの時間なら大丈夫」「人目が気になるなら、外でお茶でも」と返事があったのですが、タイミングが悪くそのまま別れました。
メールで告白した後まともに話しておらず、素直に気持ちを伝えられなかった事が心残りです。
彼に会いたい気持ちを抑えられません。
しかし、拒絶される事を思うと進めません。
彼はフリーで、ゲイでもない様子です。
どのようにアプローチすべきでしょうか。
カウンセラー
木村祥典
Masumiさん、はじめまして。木村と申します。
ご相談ありがとうございます。

失恋した彼のことを忘れられないのですね。
好きな人に、その気持ちを受け取ってもらえないのは悲しいですし、淋しいで
すよね。
相手の人が好きな気持ちがある分だけ、忘れるのは難しいですし、忘れようと
することも苦しかったりします。

Masumiさんは、彼に素直に気持ちを伝えられなかった事が心残りで、彼に会い
たい気持ちが抑えられないということですが、同時に、拒絶されることを思う
と進めなくなってしまっているようですね。

Masumiに興味があってやさしいのかと思うと、無愛想で冷たい態度を取ったり
という彼の振舞いは、Masumiさんを困惑させるだけでなく、これからアプロー
チをしていくにも、返ってくる反応から彼の様子を伺い知ることが難しくなっ
てしまうことにもなりそうな感じですよね。

では、どうして彼はあのような振舞いをするのでしょうか?

まずは、自分の本当の気持ちを知られたくない時、本当の気持ちがわかりにく
い振舞いになります。
当たり前といえば、当たり前過ぎることなんですけどね。

じゃあ、どうして本当の気持ちを知られたくないか?という部分を見ていくと
、「怖い」という感情や、「恥ずかしい」という感情が関係しているように思
われます。

「怖い」「恥ずかしい」という感情は、どちらかというと感じてあまりいい気
分になる感情ではなく、また、一般的に、男性はこの感情を感じるのが苦手な
ことが多いようです。

彼は「怖い」「恥ずかしい」ということを表現できないために、そのような振
舞いになってしまっているということが推測できます。

分かりやすいように例えると、昔人間に飼われていたけど、いじめられて捨て
られた野良猫のような感じ、というと彼に失礼にあたってしまうかもしれませ
んが、”あえて例えるならば…”ということで、お許しくださいね。

野良猫というのは警戒心が強く、人に近づきませんよね。
昔飼われていたのにいじめられて怖い思いをしたのだとしたら尚更です。

そんな野良猫に、好意から「エサさをあげるからこっちにおいで」と言っても
、まず、近づいてきません。

「ほら~、このエサあげるからー」とその猫に近づいていくと、その猫はピュ
ーと走り去って逃げてしまいます。

それが生き延びるために必要不可欠なエサであったとしても、です。

その猫は、そこが安全な環境(危害を加える(かもしれない)存在である人間
がいない状態)を確認するまで、そのエサに近づけないのです。

自分がその猫に危害を加えたわけでもないのに、危害を加える存在としてその
猫に認識されるのは、心外かもしれません。
だけど、痛みや怖れがあるその猫にとっては、あなたが危害を加える(かもし
れない)存在に感じられるんですよね。

その猫にエサをあげて食べてもらおうと思うなら、まずは、その猫なりの事情
を理解してあげることが必要になってきます。
そして、エサをその場において、自分の姿を隠して、その猫にとって安全に感
じられる環境を作ってあげる必要があります。

野良猫が、人に慣れるのには時間がかかりますよね。
安全を感じさせてあげるために、自分の姿を隠したり、追いかけないように遠
くてこっそり見守ったり、といった努力や、それを続ける忍耐力というのが必
要になってきます。

もちろん彼は野良猫ではありませんので、エサを置いて身を隠して… という
わけにはいきませんし、その必要もないのですが、彼にアプローチをするのな
らば、「時間がかかるもの」として気長に取り組むことと、彼のペースに合わ
せてあげこと、彼を追いかけないことなどが必要になってくると思われます。

Masumiさんにとってご参考になれば幸いです。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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