二人でいる未来が描けない

相談者名
キイ子
今回の心理学講座「諦めの心理学」の諦めの気持ちは、私の今の気持ちそのものでした。私の何を変えていけば、いいのか相談したくてメールしました。

彼との関係ももう7年目になり、私ももう35歳です。
30歳くらいまでは、仕事に忙殺されながらも、この先に何かあるかも・・という希望を感じて走ってきました。そして、今年3月に、それまでかかわってきた私にとってやりがいを感じられる仕事が終わり、4月から新しい勤務先に移動しました。
移動先では、新しい技術を覚えることができますが、私の欲しいものは、ここにはないと感じて、でも、お給料分は働かなくては・・という後ろ向きな気持ちを抱えて、働いています。

時間的には今までより楽になり、年齢的にも自分の生活のこと、結婚のことを考えるいい時期なのですが、彼と結婚した未来を描けず、自分でも私っておかしいのでは・・・と思っています。
一つは、彼は相変わらず忙しくて、月に一度くらいしか会えない。彼は今仕事にやりがいを感じていて自分の人生を走っているという感じ。
私は、時間ができた分だけ寂しいと感じることが多くなり、その気持ちを満たしてもらえない分、彼に期待を持たないようにしようという心の動きになっています。(今まで何度か怒りぶつけたことはあります)
二つ目は、今自分がいるレールにこのままのって仕事をしていくことでいいのか、という思い。
私は仕事にやりがいをずっと求めてきました。今の場所では目指すもの、役割が違うと感じています。

このまま結婚すると彼の仕事のペースに合わせた生活になりそうで、私は二人の生活の基盤を築いてあげることに喜びを見出せるタイプでもない気がします。

もっとイキイキと生きたい。そんな自分のことばかり考えている私だから、こんな状況になっているのかもしれませんが、今の延長線上には希望が持てないと感じるのも正直な気持ちです。
自分の感性に従って、走ろうとすると彼との関係のバランスがとれなくなり、二人の未来というものはなくなるだろうと思います。だけど、このまま何かを諦めたような気持ちで関係を続けていっても、自己嫌悪か彼を責める気持ちになるだろうと思います。
いろいろ考えてしまうと、自分の気持ちが分からなくなってしまいます。
何かご返事をいただけるとありがたいです。

カウンセラー
伊藤昌代
キイ子さん、はじめまして。伊藤と申します。
ご相談ありがとうございます。

心理学講座をご覧くださってありがとうございます。
> 私の何を変えていけば、いいのか
ということですね。キイ子さんが希望を取り戻し、より魅力的になれるよう、見つめ直していくお手伝いやきっかけになればと思います。よろしくお願いしますね。

> 彼との関係ももう7年目になり、私ももう35歳です。
> 30歳くらいまでは、仕事に忙殺されながらも、この先に何かあるかも・・という希望を感じて走ってきました。そして、今年3月に、それまでかかわってきた私にとってやりがいを感じられる仕事が終わり、4月から新しい勤務先に移動しました。
> 移動先では、新しい技術を覚えることができますが、私の欲しいものは、ここにはないと感じて、でも、お給料分は働かなくては・・という後ろ向きな気持ちを抱えて、働いています。

メールを拝見して私は二つの事を感じました。
一つは、恋愛と仕事観に行き詰まりを感じているキイ子さん。
もう一つは、これまで突っ走るしかなかったけれども、少し、余裕が出来たキイ子さん、です。

> 時間的には今までより楽になり、年齢的にも自分の生活のこと、結婚のことを考えるいい時期なのですが、彼と結婚した未来を描けず、自分でも私っておかしいのでは・・・と思っています。
全然おかしくはありませんよ。時間的に楽になって、初めて、いろんなことに直面されたのだと思います。

彼に対して、とても不満を持っていらっしゃいますよね。
> 今まで何度か怒りぶつけたことはあります
でも、これまで変化がなかった、、、怒りはぶつけても消えませんよね。
仕事で忙しくあまり会えないということは、キイ子さんの不満の、ほんの一部なんだろうと感じます。
好きな相手に、あれこれ、あーしたい、こーしたいと望むのは自然な事です。
欲求や要求は、全てが悪いのではなくて、相手が「No」であるのに、一方的にや、自己中心的に、望む時に問題は起こります。
・・・本当は、「No」の理由は、「嫌」以外にも、「無理」、「無関心」など様々な事情があるのですが、あまりにも「No」が多いと感じられる時、私達は、欲求や要求ではなく、私自身に「No」と言われているように感じることもあります。
そして怒るわけですが、それでも変わらないとしたら、彼との関係を続けていくには、これまでは、「諦める」しかなかったのだと思います。

でも、キイ子さんは、どうして、これまでそうして、彼との関係を続けたかったのでしょうね?

キイ子さんご自身のお仕事が忙しかった、ということは二次的な理由だと思います。
だって、いくら忙しいからといっても、「近づきたくもないなぁ」という人と、お付き合いしようとは思いませんよね!?
「彼、って素敵だわぁ~」って思っていたのは、どんなことだったのでしょうね。
そして、そんな彼とデートしていた時、その前日、帰宅後、なかなか会えなくて次のデートを心待ちにしていた時等々、キイ子さんは、彼から何を貰っていたのでしょう? どんな自分になれてたのでしょう??
「彼の価値」・・・それが本当の理由だと思いますよ。

キイ子さんは、
> 時間ができた分だけ寂しいと感じることが多くなり、その気持ちを満たしてもらえない分、彼に期待を持たないようにしようという心の動きになっています。
と書いてくださいました。
「諦める」ことを続けていくうちに、恋愛について、
(“私の幸せは、「彼」次第”)
という観念が出来てしまってはいませんか?

パートナーシップを組む二人は、同じ感情を感じると言われています。
キイ子さんはお仕事にやりがいを求めるタイプで、彼は今仕事にやりがいを感じている、・・・なんて、お二人は、よく似ていらっしゃるんですね!
・・・でも、そんな彼ならもしかしたら、彼自身も、寂しさを感じているかもしれませんね。それも、キイ子さんよりももっと早い時期に。
そして、今のキイ子さんのように諦めてしまってるのかもしれません。「未来は厳しいなぁ」と、現実でも仕事をハードなものにしているのかもしれませんね。

もし、キイ子さんが、彼との関係において、自分自身の何かを変えたいと言うことであれば、私からは、
「彼から欲しいものを、(私から彼に)あげる」ことをご提案します。彼を満たしてあげる事です。

彼は知らないか、諦めているんです。キイ子さんが欲しいと思っている、そのものの価値を。だから、欲しいとも思わないし、ずっと待っていてもくれなかったんです。

ところが、キイ子さんは望んでいる(=価値を知っている)としたら・・・、キイ子さんと彼と、どちらがそれを「与えられる人」なのでしょうか?

今、キイ子さんがいる状況、心境では、希望を持ちにくいと思います。
けれど、キイ子さんが、現状から一歩進むことによって、今の状況、心境は一変します。お二人の関係のリーダーシップをキイ子さんからとってみましょう!

彼との未来を描けない二つ目の理由として、仕事のやりがいについて書いてくださいましたね。
お二人に共通な「やりがい」ですが、キイ子さんにとって「やりがい」って何なんでしょう? どんな感情を抱く時に「やりがい」を感じますか?

> このまま結婚すると彼の仕事のペースに合わせた生活になりそうで、私は二人の生活の基盤を築いてあげることに喜びを見出せるタイプでもない気がします。

今、彼を仕事に取られてしまっているような、まるで仕事と三角関係になっているような状況ですね。これをベースに考えると、もれなく「寂しさや悔しさ、もしかしたら惨めさ」がついてくるように感じるでしょうから、キイ子さんにとって、結婚は魅力的なものではないんでしょう。。
でも、本当は、「彼との結婚」と「仕事のやりがい」は関係ないんです。

こんな質問をさせてください。
「どうして仕事に、そういう『やりがい』が必要なんでしょうか?」
そして、いつ頃から「やりがい」が必要になったのでしょう?

これは私の直感ですが、キイ子さんには、心の隙間の寂しさを仕事またはハードワークで埋めていたことはありませんか? 仕事を通して表れているものは、キイ子さんの中に元々あった無価値感が生み出したものであるように感じます。

せっかく時間的に楽になったのでしたら、その余裕に新しい仕事を詰め込むだけでなくて、その余裕を使って、今の仕事や仕事をしている生活を「楽しもう」としていくのも有りなのでは、と思います。
これを上手くするには、「お気楽さ」や「ユーモア」の力を使うことが鍵です。(もし、キイ子さんが「苦手だなぁ」と感じるタイプの方でしたら、それでも使う、使いたいと思うことも変化です。)
仕事や生活の中で、今まで忙しくて、またはその他諸々の理由で、諦めていた「したかったこと」、ありませんか?・・・今がそれをする、絶好のチャンスなのかもしれませんよ。

> 自分の感性に従って、走ろうとすると彼との関係のバランスがとれなくなり、二人の未来というものはなくなるだろうと思います。だけど、このまま何かを諦めたような気持ちで関係を続けていっても、自己嫌悪か彼を責める気持ちになるだろうと思います。

感性を使うことはいい事です。けれど、エゴに従うのはよくありません。エゴは、キイ子さんのネガティブな概念から物事を判断するからです。
走ることも注意は必要です。一方通行にならないよう、彼を見ながら投げかけてあげてくださいね。
何処かで既に、自己嫌悪や彼を責める気持ちがあるけれど、そうじゃないんだって、キイ子さんはこれまで頑張ってこられたのだと思います。でないと、7年間お付き合いは続かなかったでしょう。。。

キイ子さんのその思いは大切にしてあげてくださいね。そして、より良いものとなるように。それがキイ子さんの望む形で出来ますように。
応援しています。

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