相手を変えてみるだけで‥‥

内気で恥ずかしがり屋だったはずの自分が、彼によって変わってきた

 

こんにちは　平です。

彼女は彼と高校のときにつきあいはじめ、かれこれ10年以上が経過していました。

彼は理系の大学を出た技術者でとても真面目な男性です。合コンや飲み会に行くこともなく、
仕事以外の日は彼女とデートしているか、自宅でお勉強しているかなので、浮気の心配もない安心できる彼であるわけです。

しかし、恋のリーダーシップを取れるほどの成熟さはもちあわせておらず、
そんな彼と一緒にいると、彼女もなにかと内気になったり、恥ずかしがり屋さんになったりしてしまいます。

私はよく、「恥ずかしがり屋さんと恥ずかしがり屋さんが恋をすると、なにも起こらない」とお話しするのですが、
二人はまさにそんなカップルでした。

こんなに恥ずかしがり屋さんどうしなので、普通ならつきあうことすらなかったと思うのですが、
たまたま隣に咲いた恥ずかしがり屋さんの花どうしとして恋が生まれ、今日に至るわけです。

ところが、あるとき、彼女が別の男性から「好きだ」とアプローチを受けたのです。

彼は会社の同僚で、彼女より3つ年下でした。

じつは彼女はけっこう美人でモテるタイプだったので、これまでにも何人かに告白されたことがありました。
が、「彼がいるので」とすべてはっきりと断ってきたのです。

今回も「つきあっている彼がいるので」とお断りしたのですが、彼はラテン系のタイプであったようで、
一度断られたぐらいではぜんぜんあきらめません。

「せめて、一度だけでもデートしてください。そしたら、僕はきれいに忘れられますから」

そう言われた彼女は、会社の同僚ということもあり、仕方なく、「じゃ、一度だけよ」と了解しました。

つきあっている彼にも事前に正直に相談したところ、「一度ぐらいなら、いいよ」と言ってくれたのです。

そして、年下の彼とデートをしたわけですが、そのデートがいままで一度も経験したことのないような、楽しくて、
ずーっと笑っているようなひとときだったのです。

彼女は、いつもの彼とデートしているときとこの日の自分の心の違いにびっくりしました。
ふだんは内気で恥ずかしがり屋の私が、この年下の彼と一緒にいるときは、心が自由になって、
彼のことをからかったり、笑ってばかりいたりしたのですから。

考えてみれば、いまの彼とは高校のときから10年以上おつきあいをしているわけですから、
それ以外の男性とはまともにデートしたことがないわけです。

つまり、いつもの彼との過ごし方が、彼女にとっての“デート”というものだったわけですね。

そして、「こんなに楽しいデートもあったのか‥‥」と、彼女は悩んでしまいました。

年下の彼も彼女のそんな気持ちを感じとってか、ふたたび、彼女にこう言いました。

「どうしても連れていきたい場所があるんです。もう一度だけ、つきあってください。
そうしたら、こんどこそ、きれいさっぱり忘れます」

きれいさっぱりが本心かどうかはさておき、こんなふうに彼女が断りにくいような言い方で二度目のデートに誘い、そして、彼女はこんどはつきあっている彼には内緒で、年下の彼とのデートに行くことにしたのです。

いつもの彼とのデートは、彼の部屋に行ったり、家の近くの喫茶店に行ったりがほとんどで、遠出することなどなかったのですが、このデートで年下の彼は、ロマンチックでいい気分になれる場所に連れていってくれました。

で、彼女はまた考え込んでしまったわけです。「なんで、こんなに違うのだろう‥‥？」と。

人間というものは、だれかと一緒にいるときは、そのだれかの感情とたえず共鳴しあっています。

しかし、彼女が長くつきあってきた理系の彼はクールかつ物静かなタイプであり、感情的になるようなことはありませんでした。

彼女はその彼といつもクールかつ物静かなデートをしていたわけです。

その意味では、現在の彼はとても安定感があり、安心してつきあえるパートナーといえるでしょう。

一方、年下の彼は現在の彼とは対極の情熱的かつロマンチックなタイプ。

その彼と共鳴した彼女のハートの中で、長い間使っていなかった情熱やロマンスの部分が動きはじめたわけなのです。

その後、彼女は悩んだ結果、10年来の彼とは別れ、若い同僚とのおつきあいを始めました。

そして、いま、内気で恥ずかしがり屋だったはずの自分が、彼によって変わってきたことを彼女は実感しています。

自分を表現することを知り、それはとても自由な感覚だと感じているのだそうです。

相手によって、恋もこんなに変わるとは‥‥。
それはやはり、「恋は二人で作り上げるもの」だからにちがいありません。

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに！！

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この記事を書いたカウンセラー