早過ぎる身体の関係

相談者名
sayaka
40代近い女性です。
私には付き合って1ヶ月も経たない恋人が居るのですが、3回目のデートで身体の関係を持ってしまいました。
その後 連日で会い、会う度にそんな関係が続いています。
私には今まで恋愛経験が殆ど無かったのですが、2回目のデートの時にキスをされ、自分の中の性的欲求に火が付いてしまった感じです。
彼から求められると言うよりも私の方から求めてしまうのです。
お互いの事を深く知り合う前に、こんな関係になってしまい、良く無い事の様に感じながらも、常にキスがしたい、身体を重ねたいと思っている自分の姿があります。
彼の事は勿論 好きなのですが、もし今、身体の関係が持てなくなったら、他の男性の所へ行ってしまうと思います。
彼には 『常にくっつき過ぎるのは良く無い』『俺の気持ちが冷めてしまうかも』と言われています。
会う度に身体を求めて来る姿に引いているのかも知れません。
私は外見も内面も真面目なタイプに見られるので、男性とこんな付き合い方をしている事を知ったら、周りの誰もが驚くと思います。
頭では、もっと気持ちの繋がりを感じられる様になってから、関係を持つべき。
付き合いの段階を踏むべきだと思っているのに、自分の中の性的欲求に勝てないでいます。
今は未だ付き合い始めたばかりで、熱に浮かされた様な状態に陥っているだけなのかどうかも自分では判断出来ずにいます。
彼と会いたい=身体を重ねたいと思ってしまう以上、そうならない為には会う回数を減らすしか無いのでしょうか?彼とはもっと分かり合いたいとは思いながらも、お互いの何を知って行けば良いのかも良く分かりません。
私は今後 彼とどの様に付き合いを続けて行けば良いのでしょうか?
カウンセラー
池尾昌紀
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

まず、初めにお話させていただきたいのは、セックスという行為は悪いことをしているのではない、ということです。
状況にもよりますし、何もかもオープンでいい、という意味ではないのですが、セックスはお互いが愛し合うために行うものですし、そこでは安心感やつながりを強く感じる事ができます。
確かに、性的な欲求が伴うものですし、心よりも身体が満たされたいと感じることもあるかもしれません。
けれど、セックスというのは、心と心がつながって愛し合う行為だと僕は思うのですね。

そう思うと、心よりも身体が満たされたい、という心理が働くときというのは、実は別の思いが他に眠っていて、セックスという行為でそれが見えなくなっている状態なのかもしれません。

先も書かせていただきましたが、セックスは、安心感や親密感やつながりを感じられるものです。
ですので、一見すると求めているものは、セックスという行為のように感じられるかもしれませんが、実は、安心感・親密感・つながり、という感情の要素なのかもしれません。
ご相談の内容とは全く逆な話になってしまうのですが、求めているのは身体ではなくて心なのではないか、ということなのです。

誰かに強く寄りかかってしまったり、セックスなどに強い欲求がある場合、相手や行為ではなく、心の奥底にある潜在意識の中に隠れた別の思いがあるケースがあります。

こうした場合、求めているのは、相手(彼)や行為(セックス)ではなく、安心感・親密感・つながりなのです。

その元になっているのは、幼い頃に満たされなかった思いであることがあります。
相手に、幼い頃に愛情を求めていた両親を重ねてしまっていることもあります。

実は、今、目の前にいる人との関係にわかりやすく現れているだけで、ずっと昔から心の底に眠っていた、こうした愛されなかった思い、愛して欲しかった思いが残っていて、それを満たしたいという欲求を 、相手(彼)や行為(セックス)というものを使って、無意識に満たそうとしていることがあるのです。

セックスをしていることで、安心感やつながりを感じることができます。
すると、こうした心の底の愛して欲しい思いが満たされる感じがします。

ところが、本当に欲しいのは、幼い頃から積み重なってきた欲求がです。
例えば、両親。もしそうなら、両親との関係に着目し、その部分に関わる自分の心を扱ってあげないと、どれだけセックスをしていっても、満たされることがありません。

また、愛して欲しい欲求が大きいほど、それが無くなってしまうのを怖れます。
ですから、目の前にいる人に、あるいは、行為にしがみついてしまうこともあるのです。

こうした幼い頃からの思いは、長い間積み重なってきたものだけに、解きほぐしていくには時間がかかることが多いです。

カウンセリングで扱っていく場合は、生い立ちから今日までの人生を語っていただき、自分の人生を整理し、どこに引っかかりや未完了の感情があるのかを見ていくことや、幼い頃の自分にイメージの中で会いにいき、その子を抱きしめてあげるセラピー(インナーチャイルドワーク)などを行いながら、少しずつ、愛されなかった自分を愛してあげられるようなアプローチをしていきます。

さて、目の前にいる人に求めているわけではない、と書かせていただきましたが、それでは、sayakaさんにとって、彼は愛情をくれる誰かのかわりの存在なのでしょうか。

ご相談の中に、「彼の事は勿論 好きなのですが、もし今、身体の関係が持てなくなったら、他の男性の所へ行ってしまうと思います。」と書いてくださっていますが、その言葉とは裏腹に、sayakaさんの苦しみの大きなひとつは、彼ではなくセックスがしたいだけではないか、というものではないかと思います。

なぜなら、もし、そうだとしたら、ご相談の文面に彼の話はこんなに度々出てこないのではないでしょうか。
また、そもそも、彼とどうやってこの先付き合っていけばいいのでしょう、という問いかけでご相談の文章が終わっていないと思うのです。

もし、愛されない思いを満たされたいと思い続けていたとしたら、彼は、その愛を与えてくれ、愛に気づかせてくれた大切な存在です。
それをわかっているからこそ、こうして、本当に苦しんで苦しみ抜いて、今回、ご相談をくださったのだと思うのです。

彼とこれからどのようにおつきあいが進んでいくのかはわかりません。
自分自身と向き合って、本当に愛して欲しかった思いに気づいた後、彼との関係がかわり、お別れすることになるかもしれません。
あるいは、自分と向き合って、やはりこの人だったと、おつきあいが続くのかもしれません。

向き合っていくのは、大変なことですが、そのきっかけを与えてくれたのは、彼の存在なのだと思うのです。

彼に感謝すること、そしてこうして相談をされる勇気を持ったご自身をほめてあげてください。

答えは、自分が本当に欲しかったものはなんだったのだろう、という問いかけにあると僕は思います。
このご相談をくださった時点で、自分と向き合っていく大きな一歩をあるきはじめられらたのです。

どうかその勇気をもう一歩進めていってください。
もし、お手伝いさせていただけるようでしたら、カウンセリングもご利用いただけたらとてもうれしく思います。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。