自己中心的かつマイナス思考を直したい

相談者名
はなびし
初めまして。自分の性格で深く悩むところがあり、
回答集も拝見しましたが、私の事例での回答を知りたいと思いましたので書き込みさせて頂きます。
私は小さい時から、自分のしたいと思うことは通してきました。人生の選択をする時に他人(特に両親)の言うことを聞き入れることはしませんでした。
その中で会社倒産による失業・結婚・離婚などを経験しました。
ことに離婚は相手の浮気が原因だったため、何か人に注意されると「私なんかダメなんだ」とすぐ悲観的になり、泣いてしまいます。
また最近では会社の上司や両親から「人の立場に立っていない」と注意を受けることが多いのですが、いざ人の意見を聞くと、反発心や自分はこうしたいという要求が生まれたりします。再婚も考えているのでこのままではダメだと思っています。
どうすればよいでしょうか?よろしくお願いします。
カウンセラー
中山けんたろう
はなびしさん、はじめまして。
ご相談を担当させていただきます、中山けんたろうです。
よろしくお願いいたします。

さて、「自己中心的かつマイナス思考を直したい」というタイトルで、率直な内容のご相談をお寄せいただいたと思います。
また、私どもの回答集もお読みいただきまして、ありがとうございます。
ご自分の性格について深く悩まれているということが、ひしひしと伝わって参ります。

悩み、特に、自分の性格や考え方に関する悩みは、現在の自分の中に「自分で自分のことを受入れられない部分」があることから生じてきます。
「自分で自分のことを受入れられない部分」というのは、「自分で自分のことを認められない部分」と言い換えられます。
「認められない部分」が、自分自身の中にある状態ですね。

例えば、「明るく振る舞いたい」と思っている人が、人と接するときはどうしても明るく振る舞えないとします。
そして、明るく振る舞えない自分のことを自分で認められないとき、そこに悩みが生じてきます。

「別に明るく振る舞えなくてもよい」と思っていたら、そもそも悩みは生じてこないわけです。
また、明るく振る舞えない自分のことを、「今はしょうがない。いつかは明るく振る舞えるようになるんだ。」と今の自分を認めることができれば、やはり悩みは生じてきません。
悩みの代わりに、「目標」が設定されてきます。

現状は、はなびしさんご自身の心や思考の中に、常に、その「自分で自分のことを認められない部分」が存在しているわけです。
この状態は非常にしんどい状態です。
例えば、気に入らない服であれば、さっさと脱いで別の服に着替えることもできますが、相手は自分自身の中にあるもの、しかも、実態は目に見えないものですね。
ですから、今後どのようにしていけばよいのか、深く悩まれるのも無理はないと思います。

今までに、会社倒産による失業・結婚・離婚などを経験され、今は再婚を考えていらっしゃる状況とのこと。
いろいろなご経験をされ、その中で他人や親御さんから様々なことを言われてこられましたね。
それでも、これから再婚をして新たな人生を切り拓いて行こうと思われているはなびしさんは、本来はとても前向きで、気力に溢れている方なのではと思われました。

けれども、上司の方やご両親から、「人の立場に立っていない」という注意を受けることが多いということもあり、今までのご自分の性格や考え方に自信が持てなくなってきていらっしゃる状態なのかもしれません。
もう少し踏み込んで申し上げるとすれば、自分の中に、自分自身をかなり強く「責めていらっしゃる部分」をお持ちなのではと思われるのです。
自分の至らない点、ダメな点を責めれば責めるほど、自分に自信がなくなってしまいます。

前妻さんの浮気が離婚原因であったとすれば、世間一般的には、前妻さんのことを責めることがあったとしても、ご自分をそこまで責める必要はないわけです。
ところが、今は、何か人に注意されると「私なんかダメなんだ」とすぐ悲観的になり、泣いてしまわれるわけです。
よほど心に思うところがあってのことだと思うのです。
前妻さんを責める以上に、はなびしさんがご自分のことを「(自分は)ダメなんだ」とひどく責めていらっしゃる姿が浮かび上がってきています。

前妻さんが浮気をしたことについて、はなびしさんは、例えば「自分にも非があった」と思って自分を責めていらっしゃいませんでしょうか。
「自分がもうちょっとこうしていれば、離婚せずに済んだのではないか」と思って、自分を責めていらっしゃる部分はありませんでしょうか。

自分で自分のことを責めて責めてもう限界すれすれの時、他人からちょっとしたことで責められたとしたら、すぐに心の許容量を超えてしまうものです。
ですので、「これからどうすればよいのか」の1つ目のポイントとしては、「自分で自分のことを責めることをやめる」ということになります。

自分で自分のことを責めている場合、他人から何か注意をされると、他人から「自分自身の内面まで責められている」という受け取り方をしてしまうものです。
「自分で自分の(内面の)ことを責めているのだから、他人も自分の(内面の)ことを責めているに違いない」と思ってしまうからなのです。

でも、他人は、はなびしさんの内面のことまではわかりませんね。
ただ、はなびしさんの行動に対して、修正を求めてくることしかできないはずなのです。
上司の方やご両親がはなびしさんのことを「人の立場に立っていない」と注意をされるときは、実際は次のような仕組みになっているのです。

「あなた(はなびしさん)が本当に「人の立場に立っていない」かどうかはわからないけれども、少なくとも、「人の立場に立っていない」ような行動に見えるよ。」
そういうことしか言えないわけです。

ですから、「私なんかダメなんだ」と、ご自分を全否定するようなことまで考える必要はありません。
自分で自分のことをこてんぱんに責めていらっしゃるからこそ、「私なんかダメなんだ」とすぐ悲観的になり、泣いてしまわれるわけです。

自分のことを責めていない人は、「私なんかダメなんだ」と悲観的になりませんし、それで泣いたりもしないものなのです。

ここで、視点を変えてみましょう。
本当に「人の立場に立っていない」人が、何か人に注意されると「私なんかダメなんだ」と思うでしょうか。
決してそのようには思わないはずです。
本当に「人の立場に立っていない」人は、極端な表現をすれば、「自分は自分。放っておいてくれ。」と思うものですね。

つまり、はなびしさんは、「人の立場に立っていない」人なんかでは決してありません。
むしろ、「人の立場に立ちたい」と思っていらっしゃる方なのです。

ちょっと時間を巻き戻してみましょう。
「小さい時から、自分のしたいと思うことは通してきました。」とお書きいただいています。
自分のしたいことを通すには、強い意志、周りを説得する力、実行力、責任感などが必要になってきます。
はなびしさんは、そのような力をお持ちだったからこそ、ご自分のしたいことを通して来られたのだと思います。
素晴らしい才能だと思います。

そして、人生の選択をする時に他人(特にご両親)の言うことを聞き入れることをされなかった。
無理からぬことと思います。
そのように生きて来られたわけですから。

その「人生の選択」というのは、ご相談内容から推察しますと、具体的には「仕事」と「結婚」が含まれていると考えてもよろしいでしょうか。
自分で仕事を選び、自分で結婚相手を選んで来られたわけですが、その際に、他人や特にご両親の意見を聞き入れなかったわけですね。

ところが、勤めていた会社が倒産して失業し、結婚相手が浮気をしてそれが原因で離婚という結果になってしまわれた。
「あの時、他人や両親の意見を聞いていれば、もっと違う結果になっていたのではないか・・・」、そのように思われているのではないでしょうか。

人間は、自分自身で選択しているときに、生きている実感を感じられるものだと思います。
自分の人生を歩んでいるという感覚ですね。

はなびしさんは、まさにそのような人生を歩んで来られたのではないでしょうか。
いざ人の意見を聞くと、反発心や自分はこうしたいという要求が生まれるのは、はなびしさんに限ったことではありません。
他人から言われたことには、何かしら反発したり抵抗を感じてしまうものです。

ここでまた「これからどうすればよいのか」のポイントを2つ挙げるとすれば、
・他人(特に両親)の気持ちを汲む。
・人の意見をひとまず感謝して受け止める。
ということではないかと思います。

はなびしさんの周りの人は、おそらく、よかれと思って様々な意見を言ってこられたのではないかと思います。
その相手の「気持ちを汲む」ことができれば、はなびしさんの「人間の器」が、一回りも二回りも大きくなると思うのです。

さらに、「人の意見をひとまず感謝(ありがとう)して受け止める」。
けれども、最終的には自分が決断する、という姿勢を持っていただければなあと思うのです。
そういう姿勢は、他人を大切に扱い、自分のことも大切に扱うことにつながります。

今まで、他人の意見を「うるさいもの」、「邪魔なもの」としてはねつけてこられたのではないかなと感じられたのですが、いかがでしょうか。
過去に他人の意見を疎ましく思った度合いだけ、結果が思うようにいかなかった時に、人の意見をきかなかった自分を責めてしまうものです。

繰り返しになりますが、
人の意見は人の意見として、感謝してきちんと受け止める。
けれども、最終的には自分で自分の道を決める。

そのような姿勢を持つことができた時、結果がどのようになったとしても、後悔したり、自分を責めることはなくなるものです。

失業や離婚という経験をしたからこそ出会えた人、学べたこと、味わえた感情があるのではないかと思います。
それらはすべて、これからのはなびしさんの人生にとって役に立ってくれるものです。

「人生に無駄なことは一つもない」という言葉があります。
上記の回答の中で挙げさせていただいた3つのポイントを心に留めて、できることから少しずつでも実行していかれた時、本心から「人生に無駄なことは一つもない」と言えるようになっていらっしゃることと思います。

最後になりましたが、もし、さらにお話をされたいと思われたり、心の中で思っていることをとにかく吐き出したい、ガス抜きをしたいと思われましたら、ご遠慮なく電話カウンセリングや面談カウンセリングをご利用いただければと思います。
今回のご相談がはなびしさんにとって何かのきっかけになれば幸いです。
ありがとうございました。
それではまた。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

退会しました。