自分の長所を見つけるには?

相談者名
Kと申します。宜しくお願いいたします。

私は友人を作るのが得意ではなく、折角たまにできた相手ともそのうち疎遠になって関係が無くなってしまうということを繰り返してきました。
そして、こちらのコラムなどを拝見して考えていくうちに、幼少から親に自分の意見を認めてもらえず、無価値感に囚われているのが原因ではないかと思い始めてきました。
無価値感を癒すには自分の価値を自分で再認識する必要があるとのことですが、自分ではどうにも自分の良いところが見つかりません。
周りの人間に自分の良いところはどこか尋ねても「無い」「考えたこともない」と言われてしまいました。
このようば場合はどうにかして自分で何かできることを作っていくしかないのでしょうか? 私は他人が簡単にできるようなこと(例えば、車の運転など)でも上手くできません。そのような人間でも無価値感から立ち直ることはできるのでしょうか?

また、自分で自分の問題点に気づき、やり直す決心をしたのですが、その決心を向かし仲違いした友人に伝えてやり直したいのですが、可能なのでしょうか? 上手い言葉が思い浮かばず困っています。

以上になります。宜しくお願いします。

カウンセラー
三島桃子
Kさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよろし
くお願いいたします。

無価値感とは、「自分には価値がない」という感覚ですよね。無価値感が強いと、
「こんな自分なんか」という気持ちになるため、自分を大切にできなかったり、自分
をちっぽけなもののように扱ってしまうことが多くなります。そして結果的に対人関
係などでしんどい思いをしてしまいがちです。

では、「価値」って何でしょう。何か人より優れている部分を「価値」というので
しょうか?

もちろん、「笑顔がいい」とか、「よく気がつく」とか、「スポーツが得意」とか、
そういったことはわかりやすい「価値」かもしれませんね。でも、本当の「価値」と
いうのは、その人が持つ一人の人間としての「色合いのようなもの」だと私は考えて
います。

例えば、Kさんは

>幼少から親に自分の意見を認めてもらえず、
>無価値感に囚われている

とご自分のことについて書いてくださっていますね。親に意見を認めてもらえないこ
とがとても多かったとしたら、きっとKさんはつらかっただろうな、と思います。

どんな意見であっても親が「ああ、この子はこんなふうに考えるんだな」という感じ
で受け止めてくれることは、その子の持つ「色合い」を否定せず、認めてくれること
になります。そうすると子どもは自分の存在をしっかり認めてもらえているように感
じられて、無価値感はあまり感じることなく成長していくことができるかと思いま
す。

何かができるから無価値感を感じなくなるのではなく、そのままの自分を認めてもら
えるから無価値感を感じないのですね。

ですから、

>無価値感を癒すには自分の価値を自分で再認識する
>必要があるとのことですが、自分ではどうにも自分
>の良いところが見つかりません。

ということについて言えば、「自分の価値を自分で再認識する必要がある」というよ
りは、「そのままの自分の色合いでいいのだということを自分で再認識する必要があ
る」と考えていただく方がいいかも知れません。

「そのままの自分の色合いでいい」ということは、

>周りの人間に自分の良いところはどこか尋ねても
>「無い」「考えたこともない」と言われてしまいま
>した。

ということでも、まあかまわないのです。(もちろん、いいところをあげてもらえた
ら嬉しいのが人間ではありますが。)

>このようば場合はどうにかして自分で何かできるこ
>とを作っていくしかないのでしょうか?

何かできることを作る、というのも悪くはありませんが、ご自分にとって負担が大き
いように感じるようでしたら、あまりお勧めはしません。

何もできなくてもいいんです。苦手なことがたくさんあってもいい。ただKさんがK
さんであることに価値があるのですから。

そう思うことができるようになると、不思議ですが、無価値感にとらわれることがな
くなり、今のままのKさんであっても、自分が何もできない、というようには感じな
くなってきます。

もちろん、急にそんなふうにはなれないのが普通です。カウンセリングなどでご自分
の気持ちと細やかに向かい合っていくなどということが必要かもしれません。

一方で、対人関係をKさんにとってベターなものにしていくには、無価値感を癒すと
いうことと同時に、「人とのつながり」という方向からアプローチするのも有効で
す。

Kさんがおっしゃっている友人関係のことも、人とのつながりについての悩みかと思
います。

無価値感が強いと、いつも自分の無価値感を感じることに気持ちが向いていて(無意
識にですが)、結果、相手のことを見る余裕がありません。相手の様子や気持ちなど
が見えていないので、その人とつながるということがないわけです。そして、自分は
どんどん孤独になって行きます。

ですから、ちょっと意識して、相手のことを見てみる、ということをしてみるのはど
うでしょうか。今日はこの人は元気そうだな、とか、なんかいつもよりしんどそうだ
な、とか、そういうことを見ようとしてみるわけです。そういう気持ちで見るだけで
いいんです。それが「つながり」の始まりです。

実際にやってみると、今までとは違った感覚になると思います。そして、ふとした時
に相手とつながれるような感覚も味わえることがあるでしょう。

>自分で自分の問題点に気づき、やり直す決心をした

とのことですが、こういう「決心」のことを「コミット」と言います。コミットはと
ても大切です。すべての原動力になりますから。それができたKさんはすばらしいと
思います。うまくいかなくてくじけそうになったら、また改めてコミットする、とい
うことも大事です。コミットは何回も何回もするものだと言われています。

>仲違いした友人に伝えてやり直したいのですが、
>可能なのでしょうか?

連絡をとってみるとしたら、まずはお友だちのことを「見て」あげてください。今、
友だちはどんな状況にあるのか、元気か、自分との仲違いのことを今はどう思ってい
るのか、など、まずは相手に興味を持ってあげてください。その上で、ご自分の気持
ちを素直に伝えてみてはどうでしょう。

仲直りが可能かどうかは、相手の気持ちもありますから何とも言えないわけですが、
もしだめだったとしても、「相手には相手の気持ちがあるんだな」という感じで見る
ことができたら素晴らしいですね。無価値感にはまってしまうと、「自分が価値のな
い人間だから仲直りしてくれないんだ」という感覚になってしまいます。

うまくいかなかったとしても、Kさんに価値がないからではなく、相手には相手の気
持ちや都合があるのだ、ということが大切なポイントですね。

Kさんのことを応援していますね。
ご相談ありがとうございました。

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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