鎧が外れない。

相談者名
kanna
はじめまして。
43歳の女性。社会人です。
いつも心理学講座などを拝見し、勉強させていただいております。
今日、たまたま「鎧」を脱ぐ(外す)というタイトルの講座を拝見し、メールさせていただこうと思いました。
物心ついたときには、もう鎧を着けていました。
たぶん、とてもとても重たい鎧だし、それを外さないと仕事も私生活もうまくいかないことを、頭では理解しているのですが、心がどうしてもついていきません。
身体障害があるにも拘わらず、両親の方針で今までずっと「健常者と同じ生活」をしてきました。
それで、自覚がないまま鎧がどんどん重くなっているのだと思います。
どうしたら、鎧を外すことができるのでしょうか?
アドバイスをよろしくお願いいたします。
カウンセラー
中原謙一
kannaさん、初めまして
私は中原謙一と申します。
よろしくお願いいたします。

kannaさんの文章を読ませていただいて、それくらい重い鎧を持たないといけないくら
い、大変な人生だったのを感じます。

もしかしたら、それは両親のためかもしれませんね。
もし鎧を脱ぎ捨てたら、身体障害を持つ自分を見て、両親が自己嫌悪に入るのを防ぐ
ために、自発的に鎧を付けられた分もあるのかもしれませんね。

もちろん、kannaさんがおっしゃるように両親の方針で付けた鎧もあるでしょう。
ただ、その鎧をずっと付け続けているところに、そして、自覚が無いところに、全て
の鎧が両親から与えられた鎧ではないことを感じさせます。

そして、kannaさんは気がついていませんが、もう一つ強烈に重い鎧がついているのに
は気がつきますか?
それは「思考」という鎧です。
考えることは悪いことではありませんが、心がどうしても付いていかないということ
は、頭で考えていること(思考)に心が納得していないことを現しますからね。
kannaさんにとっては、最大の鎧かもしれませんね。

そうすると、kannaさんには最低でも3種類の鎧があることになります。
親から付けられた鎧。
自分から付けた鎧。
思考という名の鎧。

この3種類、もしかしたらまだ種類があるかもしれませんが、これらの種類の鎧を、そ
れぞれに合った形で外していくことが必要ですよね。

その前に、一つ質問ですが、なぜ鎧が必要だったんでしょうね。
鎧というのは、自己防衛の一つです。
だとしたら、両親はkannaさんを何かから守るために、鎧を付けさせたわけですよね。
そして、kannaさん自身も、何かから身を守るために鎧を付けたんですよね。
さらに、思考という鎧も、何かの感情から身を守るために鎧を付けたわけですよね。

この「何か」をまず知ることが必要ではないかと感じます。
そして、なぜそれが必要だったのかを知ることが大切です。
その上で、その鎧がもういらないものなのか、まだ必要なものなのかを見極めること
がいるでしょうね。

kannaさんはどこかで、すごく両親に対して気を遣ってらっしゃいますよね。
そして、両親もkannaさんにたいして、違う形ではありますが気を遣っているというの
は感じられるでしょうか?

ここでは、家族全体が、何か少し誤解があるように感じるんです。
その誤解を見つけていくことも、もしかしたら必要かもしれませんね。

ここからは私の推測ですが、この「何か」の招待、それは「社会」というものではな
いかと感じます。
両親としては、kannaさんを障害者にしてしまったという、拭い去れない罪悪感を感じ
ているように感じます。
その分だけ、社会から攻撃されないように「鎧」を付けさせたのではないでしょう
か?
そして、kannaさんはこの「社会」の中に「両親」も含まれているように感じます。

実際、今現在も鎧が取れないのは、kannaさんが社会の中で生きているからで、その社
会の中で生きていくためには、この鎧が必要と自覚無く思い込んでいるところがある
ように感じるんです。

だとすれば、この鎧を外すためにはどうすればいいか、ということですが、それには
以下のような提案があります。

まず、外しやすい鎧から扱っていくことでしょう。
どれが一番外しやすいかは、kannaさんが一番よくわかると思います。
ですので「この鎧が外しやすいかな?」と感じたものからやっていくほうがいいでしょ
うね。
それが両親の付けさせた鎧であるならば、両親の気持ちで「なぜ鎧が必要だったのか」
を理解した上で、心の中の鎧を付けさせようとしている両親に対して「もうやめて!
鎧なんかいらない!」と言えるかどうかです。

もし、それがkannaさん自身が付けた鎧であれば、なぜその鎧が必要だったのか、自問
自答する必要があります。
その上で、もういらないと思ったら、kannaさん自身が鎧を外してあげることが出来ま
す。

もし、それが思考という名の鎧であれば、その鎧の下に隠れている感情が何かを知る
ことが必要になりますね。
その上で、優しく自分を扱っていくことが求められるでしょうね。

ここまで提案させていただきましたが、一つだけ注意があります。
独りでやろうとしないでくださいね。
この問題は以外と根が深い、難しい問題なので、独りでやろうとしてもなかなかうま
くいかないかもしれません。
ですので、カウンセラーなどにガイド、サポートを頼んで、独りでやらないことをお
勧めします。

みんな大なり小なり、鎧を付けています。
その鎧を外そうと意欲が持てるkannaさんは、すごいと私は思いますよ。
私たちは、そのkannaさんの意欲に対して、サポートをしていきたいと感じています。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
kannaさんの鎧が無くなる日が来ることを、心より祷っています。
ありがとうございました。

中原謙一

この記事を書いたカウンセラー

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