あなたは職場で何か問題を抱えていますか?
「同僚とうまくいっていない」「上司と折り合いが合わない」「部下が言う事を聞いてくれない」と言った職場内の人間関係、あるいは取引先やお客様、仕入先との人間関係の問題でしょうか。
それとも組織体制や会社の仕組みといった制度的な問題でしょうか。
いずれにせよ、問題は早く解消したいものですよね。
問題解消のコツは、問題を「自分の問題」と捉えることです。
「相手の問題」「会社の問題」であれば、相手が変わるか、会社が変わらなければ問題は解決しないことになります。
問題を「自分の問題」と捉えるとは、「自分自身の責任の結果」と問題を捉えることであり、そう捉えることで自分で問題を解決する立ち位置になるのです。
「問題は自分自身の責任の結果」という考え方を、心理学では「アカウンタビリティ」と言います。
「責任の概念」とも言われ、簡単に言うと「私たちに起こることのすべては、自分自身の責任の結果である」つまり「自分の行動の結果は自分が選択したものであって、他の誰か、何かの責任ではない」という考え方です。
これはとても自立的かつ自己責任を追及する厳しい見方のように思えますが、見方を変えるととても自由で開放的なアプローチなのです。
それはこの考え方であれば、「あの人が悪い」「会社が悪い」と誰かや何かを責める攻撃性や、それから生まれる罪悪感や被害者意識から開放されるからなのです。
アカウンタビリティの考え方を取り入れると、加害者にも被害者にもならないので、敵がなく「無敵」となります。
無敵の状態は、人を責めない分、罪悪感を持ちません。人から気分を害されることもありません。そうなると心はとても穏やかでいられることになります。
しかし、人や何かのせいにしない「すべては自己責任」という考え方だと、つい「自分が悪い」「自分がダメだ」と思ってしまいがちですが、そうではありません。
目の前の問題が解決しないとき、私たちは「ベストを尽くしていない」か「問題を解決するには力不足である」かのどちらかの状態と言われています。
もしあなたが問題を解決する力があるにもかかわらず問題が解決していないとすれば、ベストを尽くしていない状態(怠けている、手を抜いている)と言えます。
また、ベストを尽くしても問題が解決しないのであれば、問題を解決するだけの力が備わっていないと言えます。
問題が解決しないときは、「今の問題を解決するためにベストを尽くし続けること」「問題から謙虚に学び、その問題を解決できるくらいに成長すること」が大切なのです。
自分を責めるより、良くも悪くも「今」の自分の状態を認め、問題を「学びの機会、成長の機会」と捉えることです。
問題を「学びの機会、成長の機会」と捉えるコツとして、一つエクササイズをご紹介します。
①あなたが今、抱えている問題について、なぜその問題が起こる必要があったと思いますか?
②その問題を解決するために学ぶべきことや、成長すべき点があるとすればどのようなことでしょうか?
問題について、①・②を考えることにより、すべての問題から学べることがわかります。
「問題は学ぶ機会であり成長の機会」と思えるようになると、問題が起こることへの恐れも小さくなります。
また、一人で考えるより、同僚や仲間と考えることで、新たな気づきや発見もあるので、お互いの問題をシェアし、ディスカッションすることもお勧めです。
職場でそういうディカッションができるようになれば、会社の雰囲気も変わり、仕事も楽しくなることでしょう。
アカウンタビリティに沿って真摯に問題と向き合うことは、自己成長をもたらしてくれるだけでなく、自信、人からの信頼、そして自由と、多くの恩恵を与えてくれます。
私たちは、自分の意志でいくらでも自由になれるのです。
職場に限ったことではありませんが、仕事をしていく上、生活する上で問題が起きた時、ぜひ「学びの機会、成長の機会」と捉えてみてくださいね。