人生を豊かにする怒りの整理術(3)~ステップ3:怒っている相手を理解する

怒りには必ずきちんとした理由がある

怒りを整理する3つ目のステップは、目の前で怒っている誰かを理解することで、この相手への怒りを減らしていく方法です。
怒りには必ずきちんとした理由や仕方がない理由があります。
そのことを理解できると、相手を怒りではなく理解して許してあげようと思えてくるのです。
これは自分が怒っている時にも使うことができます。怒っている自分を理解して、そんな自分を許してあげる。
怒りはこうしたやり方で整理することができます。
この回では、前回の怒りっぽい上司の例を取りながら、この視点で具体的に解説していきます。

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怒りの整理術と題して、怒りの心理の解説とその扱い方についてお伝えしていく連載です。

◎怒りを整理する4つのステップ

怒りの整理術は以下の手順で進めていきます。

ステップ1:怒りを否定せず受け入れてあげる
ステップ2:怒りで隠れている本当の気持ちを探す
ステップ3:怒っている相手を理解する
ステップ4:この出来事に意味と学びを探す

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怒りを整理する3つ目のステップは、目の前で怒っている誰かを理解することで、この相手への怒りを減らしていく方法です。

怒りには必ずきちんとした理由や仕方がない理由があります。

そのことを理解できると、相手を怒りではなく理解して許してあげようと思えてくるのです。

これは自分が怒っている時にも使うことができます。怒っている自分を理解して、そんな自分を許してあげる。

怒りはこうしたやり方で整理することができます。

前回、具体的な例として「いつも怒りっぽい上司が、ある時、理不尽なことであなたに怒り、謝りもしないで出ていってしまった。そのことであなたの怒りが止まらない」というお話から、怒りは自己攻撃という解説をしていきました。

今回は同じ例を使いながら、相手を理解することで怒りを整理するやり方についてお話ししてきます。

◇どんな人も怒るにはきちんとした理由がある

いつも怒りっぽい上司。私が悪くないことで怒り出し、それに反発すると、自分の過ちを認めて謝らないどころか怒って部屋から出て行ってしまった。

こんなことされたら、頭にきますよね。いつまでも腹の虫が収まらない!と感じて当然です。

こんな時は「どんな人も怒るにはきちんとした理由がある」という視点で相手を理解しようとしてみます。

「いつも怒ってる上に、理不尽なことで怒る上司に理由なんてあるか!」なんて思いますよね。

性格が悪いんだから理由も何もあったもんじゃない、なんて思えるものです。

しかし、必ず怒るには理由があります。

相手を理解していくためにはこんな質問を自分にしながら進めていきましょう。

「もし、相手に何か仕方がない理由があって怒りっぽくなってるとしたら、どんな理由が考えられるだろう?」
「もし、私が相手と同じような悪い態度を取るとしたら、どんな理由だったらやるだろう」

「私だったら、何があってもあんな怒り方、絶対しない!」そう思うことも多いはずですが、この「自分なら絶対しない」は一旦保留にしておきます。

仕方がない理由。それってどんな事情だったら有り得るんでしょう。

例えば

・部下は知らない大きな仕事上のトラブルを抱えていてそれを処理している。
・上司自身が人の何倍も働いているため、働かない人を許せない。
・上司は最近、会社から仕事(営業成績、新企画、人やセクションの調整など)に対して強いプレッシャーをかけられている。
・上司が入社してから、その上司から厳しく教育されてきたので、厳しさが仕事に必要と思っている。
・仕事以外に大きなストレスがある(妻が病気、子供が不登校、実家の親の介護など)。
・自分の仕事の能力に自信がない。
・自分の人柄に自信がないため、部下に嫌われていると思っている。

こんな感じです。

最初は当てずっぽうでいいんですね。

可能ならこの上司の性格や仕事以外の背景などの情報を知っている人を見つけて、上司の人となりを調べてみましょう。

単に怒りっぽい上司という視点では見えてこない人物像がわかってくると、見え方も変わってきます。

上司のことをよく知る別のセクションの上司に聞いてみるとか。

上司と仲のいい人に聞いてみるとか。

ポイントは上司の粗探しをするのではなく「あの上司のことを理解したいので教えてください」という姿勢で見て、聞いていくこと。

そうやって仕方がない理由を探していくと、

「そんなこと言ったって、私の怒りはMAXなのよ!」と怒りが収まらない時には、最初は「同情」みたいな感じで入ると理解しやすくなります。

「あの人はあの人なりに苦労してるのかもな」
「全然そんな風に見えないけど、実は自信がないのかも」
「実は周りから嫌われてるって思ってるのかな」

こんな風に考えてみましょう。

「ちょっと可哀想かも」と思えてきたら、理解が進んだサイン。

それだけで終わらずに、本当にきちんとした、仕方がない理由があるかもしれないと理解を深めて言ってみてください。

そのことで相手を理解し、許していくというプロセスが進みます。

難しいと感じられるかもしれませんが、うまくできなくても、こうした視点で怒りが整理できるらしい、と頭の隅に覚えておくだけでも、怒りへの対処は進みます。

*次回は最終回、「ステップ4:この出来事に意味と学びを探す」をお届けします。

>>>『人生を豊かにする怒りの整理術(4)~ステップ4:この出来事に意味と学びを探す』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。