あなたが信頼した度合いだけ、あなたも相手に信頼される
こんにちは 平です。
男女関係があまり得意でないという人の話を聞いてみると、「異性というのは、自分とはまったく違う考え方をする人種だ」という捉え方をしていることがよくあります。
なるほど、男女関係のコミュニケーションに関する本の中には、「おたがいをまったく違う星から来たかのように扱うとうまくいく」などという考え方が書かれていることもあります。
しかしながら、この手の書籍は外国から輸入されたものであることが少なくありません。
一方、日本のような単一民族の国では、性別を問わず、価値観や一般常識は共通のものであることが非常に多いので、それがあてはまる場合はそれほど多くないような気がします。
それよりも、男子校出身であったり、理系の研究職であったりする男性の中には、女性との接触の機会がほとんどないという人もよくいます。
仕事などで接する女性たちとの表面的なコミュニケーションはあるものの、本音で語り合うというような関係性はなかなかつくることができないのですね。
その結果、かなりの奥手になってしまうということも多いようで、そんな男性がしばしばもつ誤解の一つに、「女性は性的な欲求をまったくもっていない」というものがあります。
また、「女性というのは、ごはんをあまり食べない。食事といえば、サラダと少量のパスタぐらい」などという思い込みがつくられることも‥‥。びっくりしますね。
そんな男性たちに、「女性も性的な気分になって、ワイルドに過ごしたいと思うこともあるし、
肉をガンガン食べたいというときだってあるんですよ」と言ってもなかなかイメージを変えてもらうことはできません。
そんなときは、「男性心理、女性心理というよりも、人間心理と捉えたほうがよいですよ」などと提案したりもするのですが、「いやいや、そんなことはないでしょう」と異性を特別扱いする感覚は簡単には消えないのです。
特別扱いというのは悪いことではありません。ただ、特別扱いのあるところには、必ず、大きな気遣いがあります。
そして、気遣いが多ければ多いほど、“親密感”という感情は薄れていきます。
モテる男性の多くは、自分が男だということをあまり意識せず、女性たちの中に、まるで女友だちの一人であるかのようにスッと入っていきます。
そして、だれから見ても話しやすいという長所を持っているようです。
女性の中には、特別扱いを求めている人が多いのも事実です。
シンデレラになりたいとか、お姫様のように扱ってもらいたいとか、そういう願望ですね。
が、しかし、ずっとそのように扱われていると、いずれ必ず息苦しくなるとは思いませんか?
お誕生日など、たまのイベントの日にそんなふうに扱ってあげることは素晴らしいことですが、それよりも優先すべきは“親密感”なのです。
どんな情けない話も、よそでは言えない本音も、どんなことでもたがいに話せるような関係は、とてもラクな関係です。
そんな関係をつくるには、自分の心のすべてを見せる勇気が必要です。
競争社会で生きるために、心の防具を何重にもつけている男性にとって、女性の前で無防備になるというのはとても勇気のいる行動といえます。
でも、そのぐらい無防備な姿を見せ、なんでも話せるあなたであったなら、女性のみなさんは自分は信頼されていると実感できるはずです。
心理学で“自己開示の返報性”というのですが、自分の秘密や心の葛藤をすべてコミュニケーションしてくれる相手には、自分も自分のすべてを相手に話してみようと思えるものです。
そう、あなたが信頼した度合いだけ、あなたも相手に信頼されるのです。
男性が女性をお姫様扱いするのは、けっして悪いことではありません。
ただ、そのために、男性が自分の弱さや本音を隠してしまうことになるとしたら、もっと親密感を感じられる男性のほうに女性は行ってしまうかもしれないのです。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!