皆さんは依存と聞いてどういうイメージを持っていますか?実は依存というプロセスは、人が成長するうえで必ず通るプロセスなんです
今回は恋愛、仕事、対人関係、そのほかすべての人の成長において必ず通る、人の成長プロセス『依存』についての講座です。
皆さんは依存と聞いてどういうイメージを持っているでしょうか?
そういえば「私と彼の関係だったら私が依存側かな」という人もいます。
また「依存、そんな言葉おれには全然関係ない、男は自立しなければ生きていけない」 と極度に依存という言葉を嫌う人もいます。
どんなに依存という言葉を嫌う人、私には関係ないという人でも、実は、依存というプロセスは、人が成長するうえで必ず通るプロセスなんです。
ロマンスのステージ
どんな人でも必ず経験した依存の経験といえば子供時代の経験です。
「いやいやお母さん、気を使わないでください、ミルクは自分で作りますから。たしか哺乳瓶に300ccのお湯と粉ミルク四杯だったかな?」
だとか、
「あ~、いつもすみません、オムツを変えてもらって今回のご迷惑は来月必ず働いて返します。」
と自立している子供は見たことがありません。
大好きなお父さんやお母さんからミルクを飲ませてもらったり、おむつを替えてもらったり、抱いてもらったりした幼い子供時代があります。
この頃はどんなにボロボロこぼしながらご飯を食べても、「○○ちゃん、よく食べましたねえ」と褒められたり、 お漏らしをしても「今日も元気でちゅねぇ~」と褒められたりどんなことをしても全面的に受け入れられます。
これは人が成長する上で通る『依存』というプロセスの中でも最初の段階でロマンスのステージといいます。
このロマンスのステージは、恋愛や仕事でも同じプロセスを通ります。
恋愛関係でいうと、お付き合いが始まった最初の頃です。
彼(彼女)のことが好きで好きでたまらなく思えて、相手のすることが何でもすてきに見える。
今は相手のおおざっぱな性格が嫌いでも、付き合い初めのころはそこがおおらかにみえたりり良い風に見えます。
相手のどんなところでも素敵に見えて好きで好きでたまらなく 「ず~っと、この人と一緒にいたい、24時間徹夜でデートでも構わない」 そのように思える時期です。
仕事関係でいえば、新入社員のころがそうです。
会社の先輩から「最初は何もしなくていいから、ゆっくり3年くらいかけて仕事を覚えていったらいいからね、わからんことがあったら、何でも聞いてね」と言われ、ちょっとくらいの失敗も優しく受け入れてくれる時期です 。
あらゆる関係のスタートは『依存』のプロセスから始まっていきます。
その『依存』のプロセスのスタートがロマンスのステージです。
ハートブレークのステージ
しかし、ある時期から今まで全面的に受け入れられていた時代に変化がおきてきます。
子供時代でいうと、しつけがはじまる時期がそうです。
例えば、お母さんから
「ごはんは、こぼさないようにたべなさいね」とか、
「お外にでかけるからボタンを止めてでかける準備しときなさいね」
と言われはじめます。
親にしてみれば子供を社会にだしても、ちゃんとやっていけるようにしつけを始めただけなのですが子供にしてみればこんな感じをうけます。
『ボロボロご飯をこぼすな~だって?こないだまでボロボロこぼしていてもいっぱい食べていい子だね~って言っていたじゃないでちゅか』
『ボタンを自分でつけろだって~!それは昨日までお母ちゃんのお仕事だったじゃないでちゅか。最近少し待遇が悪くなってきまちたね~!!さては、お母ちゃん僕のこと嫌いになったでちゅか???』
全面的に受け入れられたないことで拒否されているように感じを受けます。
お母ちゃんに遊んでほしい、お父ちゃんに抱っこしてほしいなどのニーズ(欲求)を受け入れられないことで傷ついたりすることがでてきます。
このステージをハートブレイクのステージと呼びます。
恋愛関係にも、このハートブレイクのステージがでてきます。
今まではデートが終わったら毎日車で家まで送ってくれてた彼氏が、急に「今日は仕事で疲れてるから、悪いけど電車で帰ってくれないか」などを言い始めた時に愛情が薄れてきたように感じてしまいます。
彼がやさしくしてくれない、最近かまってくれない、 愛してくれない、自分のニーズに対して裏切られたような感じや、彼から拒絶された感じがしてしまいハートブレイクをしてしまいます。
昔、小さな子供の頃、お父さんやお母さんにニーズをかなえてもらえなかった経験と同じような経験をここでも、もう1回するのです。
罪悪感のステージ
ハートブレークのステージの次は、罪悪感のステージがやってきます。
『おやぁ~、最近ぼくちゃんへのお父ちゃんや、お母ちゃんの待遇が悪くなってきまちたね~』と感じた子供はこの状況を打開すべく作戦をたてます。
「お父ちゃん、新聞受けの新聞とってきました」
「お母ちゃん、おつかいにいってきます」
などとお手伝いをして褒められようとする作戦を立てるのです。
するとお父さんやお母さんから
「いい子だね」
「すごいねー、もうこんなこともできるようになったんだね!」
などと褒められたり、賞賛されたりします。
このような経験を通して『おっ!こうすれば、いっぱいいっぱい褒めてくれるぞ!愛してもらえるぞ!』ということを学び始めます。
がんばって、良い子になってそれで褒められよう愛されようと思います。
しかし逆に言えば、何かしなければ愛されないという誤解を学んだ時期でもあります。
そのままの自分では愛されない何かをがんばってしなければ褒められたり愛されたりしない私はきっと悪い子だからなんだとか価値が無いからなのだという誤解から罪悪感や無価値感という感情が生まれます。
魅了が無い、そんな自分は何かしなければ愛されないと思ってしまう。
この誤解が犠牲というパターンを作ります。
この無価値感や犠牲の心理は恋愛関係でなどで彼(彼女)に嫌われないように、
「あなたの為ならなんでもするわ~、だめなところが言ってね~」と 愛される為に、いっぱいがんばったり、がまんしたりするようことをしてしまいます。
良かれ悪しかれ依存時代に、私達は愛される為にはどうしたら良いのか、どうやったら愛されるのかということを学びます。
ある意味、あなたなりの愛される秘訣を学んだ時期なのです。
その子供の頃に学んだ愛される秘訣を時がたち大人になった今でも使われている方は少なくないようです。
子供頃はお父さん、お母さんに愛してもらおうとしていたものが、大人になり対象が彼に変わったり、友人に変わったり、社会などに変わりますが愛される秘訣のパターンは変わらずに、子供の頃に学んだ愛される秘訣を使ってその対象に愛して貰おうと試みます。
しかし、その愛される秘訣は大人になると使えないことがでてきたり、 間違った学び方をして覚えてしまった愛される秘訣を今も使っていたりすることがあります。
例えば子供の頃は自分の気持を抑え込み親の言うとおりたら愛されたのだけれども大人になった恋愛関係でそれをしてしまった時に上手く行かない恋愛になってしまうとか、そのままの自分では愛されないと子供の頃作った思い込みから犠牲をすることによって愛を得ようとする愛される秘訣などです。
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大人になったあなたが無自覚的に使っている子ども時代に学んだ愛される秘訣や自分はどうしたら愛されると思っているのかという自分の傾向を知ろうとすることをお薦めしたいのです。
そして、 それがもし今のあなたにとって必ずしも効果的なものでなくなっているのであれば、 今の大人のあなたにあった新しい愛され方にバージョンアップすることが必要です。
そうすることであなたの人生がより愛される人生や、より幸せな人生になっていくことでしょう。