感謝を伝えるという不満解消法
こんにちは 平です。
先日、今年で結婚30周年というご夫婦の奥さまとお話をする機会がありました。
彼女は言いました。
「結婚5年目で、子どもがまだ小さかった頃でしょうか。このころから私は、夫を愛するためにはどんなものの見方や考え方をすればいいのかということばかり考えてきました」
そこで私は奥様に聞いてみました。
「ということは、当時、ご主人に対して、怒りがだいぶたまっていたということですか?」
彼女はうなずきました。
「そうそう、“なんでわかってくれないの?”“なんで助けてくれないの?”といつも不満ばかり感じていました」
当時の奥さまは、二人の小さいお子さんの面倒を見るだけで手いっぱい。
自分のことはいつも後まわしなのに、ご主人ときたら、自分のことを優先してほしそうなアピールばかりしてきたそうです。で、「私はがまんばかりしてるのに!!」と奥さまはいつもイライラ‥‥。
「“あなたは大人なんだから、自分の面倒ぐらい自分で見なさいよ!
私は子どもを見ているんだから!”と思っていました。きっと、悪い態度をとっていたと思いますよ」
しかし、子どもがかわいくて、できるなもう一人ほしいと思っていた奥さま。
「夫婦はなかよしじゃないと‥‥、産まれてきた子どもはパパとママが愛しあってできた愛の子どもにならないでしょ」
それで、奥さまは「どうすれば、このわがままモンスターの夫を愛せるようになるのか」と考えるようになったらしいのです。
そこから彼女は心理学やら宗教やらさまざまな本を読んでみたとか。
その中で、私どもが発行しているメールマガジンに出会い、読者となり、無料のカウンセリングを受けてみたりして、まもなく、私どものスクールの受講生にもなられたわけです。
そして、自分と向き合っているうちに、彼女は自分の心の奥底にあった「愛されるためには、なにかしなくてはいけない」という自己概念にぶち当たりました。
これは彼女の信念というよりも、彼女の生家のご両親ももっていた、ファミリー・ヒストリーといわれるような家族の自己概念でもありました。
さらにいえば、「愛されるためには、なにかしなくてはいけない」という考え方は、日本という国のもつ自己概念ということもできます。
この概念をもっていると、「愛されるために、なにもしていない人」を見ると、自分のルールからは逸脱しているので無性に腹が立ったりします。
といっても、客観的に見てみれば、ご主人がまったくなにもしていないというわけではありませんでした。
その当時、彼女は専業主婦、ご主人はサラリーマンでけっこうよいお給料を稼いでくれていました。が、忙しいゆえに、家事・育児ではあまりあてにはできなかったのです。
一方、彼女の心の中には、「自分は不十分なので、子育てや家事も十分にできていないのではないか」という思い込みがありました。
そして、「この不十分な私には、助けがあって当然だ」とも思っていたので、あまり手伝ってくれないご主人がより腹立たしく感じられたようなのです。
それに気づいた彼女は、あることを始めました。それは、ご主人に、「妻である私、この子どもたちの母親である私の素晴らしいところを、毎日、伝えてもらう」ということでした。
これは、彼女にとってもご主人にとっても、非常によい効果をもたらしました。
たとえば、これまではご主人が家事を手伝ってくれたとしても、奥さまは彼のやり方にいつも不満をもっていて、それがケンカのきっかけになることもしばしばありました。
それもあり、この新しいやり方は、ご主人にとっては家事を手伝うよりラクな方法であり、奥さまにとってはいい気分になれる方法であり、結果、家事や育児にもいい影響が現れるようになったのです。
なかでも劇的に変わったのは、ご主人や子どもたちに対し、これまでは「できていないこと」を責めることが多かったのですが、この方法を取り入れて以来、「できたこと、してくれたこと」に感謝を伝えるという習慣ができたことだったそうです。
もちろん、彼女の気持ちもそれまでとは大きく変化し、その後は長期にわたり、安定した幸せな結婚生活を続けることができたのです。
みなさんも、ぜひ、ご参考あれ!
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!
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