コミュニケーションの一つに「質問」があります。
「質問」はその内容や質問の仕方によって、相手を心地よくさせることもできれば、気分を害してしまうこともあります。
相手に好印象を持たせるような質問上手になるために、「質問」の効果やコツをお伝えしたいと思います。
まず質問することで、次のような効果があります。
■情報が得られる
成果を出すための必要な情報を得ることができます。
■相手が話しやすくなる
会話をスタートさせたり、会話量を増やすのに有効です。
■興味があることが相手に伝わる
会話の中で質問を織り交ぜることで、相手の話をちゃんと聞いている、興味を持っているということを示せます。
■自己アピールできる
質問の内容によっては、「自分はこういうことを知っている」等の自己アピールになります。
■相手に異議を伝える
例えば、相手が「このやり方が成功する」と提案した時、「成功する根拠は何でしょうか?」と質問することで、異議を伝えることができます。
質問は、情報を得るだけでなく、自分の情報を伝える手段にもなるのです。
だからこそ質問の内容、質問の仕方によっては、相手に与える印象が大きく左右されてしまうことがあります。
相手に良い印象を与える質問とはどういう質問なのでしょうか。
質問内容が、先を見通していたり、全体を把握しながらポイントを掴んでいたりすると、相手に良い印象を与えやすくなります。
単に疑問点を探すだけでなく、先を見越した質問や視点の広さを持つことを心がけることで、一目置かれたり、洞察力があるという印象を与えたりします。
また、質問内容で自分の理解力や知識レベルが伝わってしまうので、あらかじめ自分で調べられることは調べて質問すると、自分の知識も増え、「知ろうとする努力」も相手に伝わり、相手も快く答えてくれることにつながります。
反対に、自分で調べようとせず、初歩的なことからなんでもかんでも質問してしまうと、知識のない人と思われるだけでなく、「自分で努力する気がない」「覚える気がない」と受け取られかねません。
最初は丁寧に答えてくれた人でも、何度も同じ質問が続くと、答えた人も「私の答え方が悪いのだろうか」と思ってしまったり、うんざりしたりしてしまうこともあります。
質問の前に自分で調べるなど、あらかじめ自分でできることに取り組むと、その姿勢も相手に良い印象を与えることにつながります。
確認のために以前と同じ質問する場合もありますが、その場合は「念のために確認したいのですが」と前置きをすると良いでしょう。
それから「もしダメだったら」「もし間に合わなかったら」といった仮説での質問が多すぎると、「無駄な質問」と思われ、相手をイライラさせてしまうことがあります。
また仮説の質問を多用することで、相手が批判・否定されたと受け取る可能性もあります。
仮説の質問が悪いわけではありませんが、多用は避けた方が良いでしょう。
質問の内容だけでなく、質問の仕方でも大きく印象は変わります。
同じ内容の質問でも、声のトーンや話す表情が荒いと、尋問と感じたり、批判や否定と受け取られやすくなります。
ソフトな表情、わかりやすい声で、ゆっくり質問すると良いでしょう。
表現を柔らかくするのも有効です。
例えば「失敗したらどう責任を取るんですか?」という表現だと相手を責めるような印象になりますが、「万が一の時の対策もお考えだと思いますが、それについても念のためお聞かせいただけますか?」と表現すると、相手を尊重した感じになります。
相手が気分を害しかねない質問ほど、柔らかい表現を心がけると良いかもしれません。
また、前置きや背景説明が長いと、何が聞きたいのかわからない質問になってしまい、相手が答えられないこともあります。
複数の質問を同時にするような聞き方だと、相手が一度に答えにくくなってしまいます。
事前に自分の頭の中で整理し、シンプルな質問をすることで、相手も答えやすく、好印象も与えます。
相手に良い印象を与える質問とは、「相手に質問することを自分が質問されたらどう感じるか?」と考え、相手を尊重し、気遣う気持ちが大切なのかもしれません。
もちろん相手の性格や気分によって質問の受け取り方が違うこともありますが、そこを変えることは相手を変えることになり、簡単ではありません。
しかし、自分が意識したり、ちょっと心がけることで「良い印象を与えやすい質問」をすることは可能です。
悪気がないのに悪い印象を与えてしまうのは、もったいないことです。
上手な質問は、情報を得られるだけでなく、相手を心地よくしたり、自分の印象アップにもなり、仕事をする上でも多くのメリットがあります。
質問上手になることは、コミュニケーション能力を高めることにもつながりますので、質問する時は今回の内容を参考になさってくださいね。