皆さんは心の健康って考えたことはありますか?
体の健康はもちろん大事ですが、心の健康に気を配っている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
内閣府の平成30年障害者白書によると精神障害者は392万4千人にのぼるそうです。
文科省の調査によると、公立学校の教員で、病気が理由の休職者のうち、精神疾患を理由とする人の割合が6割を超えているとのこと。
そのくらいストレスフルな社会になり、「心の病気」が特別なものでなく、誰でもなり得る世の中になっているということだと思います。
そんなストレスフルな社会を変えることは、一人では難しいかもしれません。
でも、一人一人が心の健康を考えて保つことが、ストレスフルな社会を変えることにもつながっていくのではないでしょうか。
心が元気だと、体にも良い影響を与えます。
心が元気だと、人にも自分にも優しくできます。
健全な心は健全な社会をも育むのです。
では心の健康を保つために、どうすれば良いのか、いくつかご紹介します。
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①日頃の生活習慣を整える
「バランスのとれた食事」「質の良い睡眠」「適度な運動」を取り入れた日頃の生活習慣の継続が、心と体の健康の基礎となります。
②ストレスと上手につきあう
ストレスと聞くと、負のイメージがありますが、実はプラスの側面もあるのです。
またストレスは誰にでもあり、ためすぎることで心や体の調子を崩してしまうのです。
まずは自分のストレスの原因とストレスサインを知ること。
ストレスの原因は、天候や騒音といった環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。
ストレスの原因がわかれば、ストレス要因を減らすといった対処ができます。
ストレスサインとは、ストレスを受けることで自分の心身に起こる変化のことで、人によって症状は違います。
「いつもの自分と違う」と感じたら、それはストレスサインかもしれません。
自分のストレスサインがどういう症状かわかっていれば、早めの対処ができるので、自分のストレスサインを知っておきましょう。
<ストレスサインの例>
・気分が落ち込む
・食欲がない
・眠れない
・疲れやすい
・イライラする
・耳鳴りがする
・いつもは痛まないところ(肩、腰、歯など)が痛む
・好きだったものに興味がわかない
自分のストレスサインに気づいたら、早めにセルフケア(十分に休息をとる、気分転換する等)することが大事です。
要はストレスによる自分の変化に気づき、早めに対処することでストレスをため込まないようにするのです。
ストレスについての詳しい説明と上手なつきあい方は、以前のこちらの記事もご覧くださいね。
③気軽に話せる人、相談できる人をつくる
辛いときや困ったときに、話を聞いてくれる人がいると、それだけで気分が楽になったり、落ち着いたりします。
また自分では気づかない変化に気づいてくれたり、自分では考えつかなかった解決策を示してくれることもあります。
何でも話せる「心を許せる人」が一人でもいると、それだけで心の安定につながります。
④心の病気について正しく理解する
心の病気は誰でもかかる可能性があります。
心の病気について正しく理解することは、予防にも役立ちます。
また、心の病気になってしまった人への配慮にもつながります。
心の病気は、本人が苦しんでいても、周りからわかりづらかったりするので、気がつかないうちに無理をさせたり、傷つけたりして病状を悪化させてしまうこともあるのです。
私たち一人一人が心の病気を知り、理解することは、心の病気になってしまった方の回復の力になるだけでなく、冒頭に触れたストレスフルな社会を変える一歩にもなるのです。
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心の健康を保つ方法はいろいろありますが、体の健康同様、日頃から意識することが大事です。
心の健康を保つために、一人で頑張る必要もありません。
家族や友人といった周りの力や私たちカウンセラーの力も上手に借りて、心の健康を維持しましょう。