仕事で充実感がほしい。
できれば好きなことでお金を稼げるようになりたい。
好きなことを仕事にするには、どうすればいいんだろう?
今回は、好きを仕事にする方法について考えてみたいと思います。
◆仕事とは、誰かに喜んでもらうこと
好きなことを仕事にしたいけど、今の職場や仕事内容は好きなこととは全然違う。
働いてるけど、何かがもの足りない。
今やっているのは誰でもできる仕事だし、自分を活かせているかというとちょっと違う気がする。
もっと違った形で自分を活かす方法、あるんじゃないかな……。
そんなふうに考えている人は少なくないかもしれません。
自分が興味を持てることを仕事にするために、スクールに通ってスキルを身につけたり、興味が持てる職種に転職したりするのも一つの方法かもしれません。
けれど何を身につければいいのかわからない、転職サイトをチェックしてもピンと来るものがないとしたら、まずは自分の得意なことってなんだろう、何をしてると楽しいんだろうと考えることからはじめてみてもいいかもしれません。
仕事とは、シンプルにいうと人の役に立つこと、人に喜んでもらうことなんですね。
自分の特技や才能を使って、誰かの役に立ったり、誰かに喜んでもらったりする。
自分のしたことを通じて、誰かの役に立ったり喜んでもらえた分だけお金が入ってくる。
自分の特技や才能は「これをしてるとき、なんかわくわくする」というものがいいんです。
好きだから、わくわくするから、これがしたいって心が思うから、どんどん進んでやりたくなる。
「これができてうれしい」と心が思うから、やっている。
そんなふうに思えるものがいいんです。
お金になるかならないかではなく、やりたいからやっている。
お金にならなかったとしても、かまわない。これができることがうれしいし、楽しいし、心が喜ぶから。
そんなふうに思えることだと、いいんです。
誰のために、自分の特技を活かしたいのか。
自分の特技を使って、誰を喜ばせたいのか、どんなふうに世の中の役に立ちたいのか。
それを考えていくことで、仕事になっていくのです。
これは架空の物語です。
けれど、こんな展開だってあるかもしれません。
***
「自分には特別なことなんてできないし、才能と言われても何もない気がする」
そう思っていた花子さんは、おにぎりを握るのが上手な人でした。
家に友達が遊びに来ると、いつもおにぎりを握っていました。
そのおにぎりは、お米がつやつやとして甘さがあり、絶妙な塩加減。
とてもとてもおいしかったのです。
遊びに来てくれる友達の間で、評判になりました。
「花子ちゃんのおにぎりは、ほんとにおいしい」
それもそのはず。
花子さんは、子どものころからおにぎりが大好きだったのです。
つやつやのご飯を炊くために、お米のとぎ方や水加減を自分で研究しました。
テレビで観た情報、料理本に書かれていた情報はもちろん、外食でおいしいごはんを食べたときには「どうやって炊いてるんですか?」と聞くこともあります。
おいしいお米の炊き方にも精通しています。
好きだから、知らず知らずのうちに知識がどんどん増えていったのです。
花子さんは「おにぎりは人の心をあたたかくしてくれるもの。だからこそおいしいおにぎりを握りたい」といつも思っていました。
花子さんのお母さんは、ワーキングマザーでした。
仕事がある分、ほかのお母さんたちのように子どもたちにたっぷり時間を注いであげることができないと思っていました。
だから花子さんのお母さんは、休みの日にはおいしいご飯を作ろうと思っていました。
遠足や運動会、家族で出かけるときには、朝早く起きて心を込めておにぎりを握っていました。
花子さんはお母さんの作ってくれたおにぎりを食べるとき、いつも幸せを感じていたのです。
花子さんのおにぎりは、口コミでどんどん評判になりました。
「自分が人を喜ばせることができるのって、おにぎりを握ることくらい」と思っていた花子さんでしたが、小さなお店を構えるまでになりました。
毎日おにぎりを握っているうちに、こう思うようにもなりました。
「おにぎりを通じて、人と人とがあたたかい気持ちになれるといいな。おにぎりが、親子の交流、夫婦の交流になるといいな。一人でも多くの人がおにぎりを通じて大切な人にあたたかさを届けられるといいな」
たくさんの人におにぎりのあたたかさを知ってもらうために、何ができるんだろうと考えました。
『おいしいおにぎりの握り方』というブログを書くことにしました。
おいしいお米の炊き方、おにぎりの握り方、塩加減、どんな気持ちでおにぎりを握っているか、友達とのおにぎりパーティの様子などをブログで発信していったのです。
すぐに評判になりました。
ブログに書かれているとおりにおにぎりを握ったら、すごくおいしかった。
家族でおにぎりパーティをしてみたらとても楽しくて、子どもたちもほんとに喜んでいた。
終電帰りの夫におにぎりを握って置いておくようにしたら、とても喜んでくれた。
そんな声がどんどん集まるようになりました。
おにぎりの達人として、雑誌に出たり、テレビにも呼ばれるようになりました。
親子向けのおにぎり教室も開きました。
「一人でも多くの人に、おにぎりを通じた心の交流をしてほしい」との想いから花子さんは活動していました。
花子さんの想いに賛同した人たちが、花子さんのファンになり、おにぎりを買っていくのはもちろん、活動を応援したり手伝ってくれたりするようになりました。
花子さんの抱いた想いによって、たくさんの人の役に立ち、たくさんの人の心を動かすことができたのです。
みんなが日々の生活の中で愛情を伝え合っている世界。花子さんが作りたかったのは、そんな世界だったのです。
***
◆誰かを喜ばせた分だけ、戻ってくる
おいしいおにぎりを握ることで、人に喜んでもらう。
その対価として、お金をいただく。
これが仕事のシンプルな形です。
自分の特技や才能を活かして、できることをする。それによって誰かを喜ばせる。
自分の特技や才能を使って、喜んでもらったり、役に立てたり、世界に貢献できたりした分だけ、自分のもとに還元される。
それはお金かもしれないし、人と人とのつながりかもしれません。よかった〜という喜びや充実感かもしれません。
ここでいう特技や才能とは、ただの「できること」とはちょっと違います。
できることであっても、そこに自分の喜びや楽しさ、やりたい気持ちが伴わないと、想いを注げないからです。
心からしたいと思うこと、好きだからただただやりたいと思うことだといいんです。
次のことを自分に問いかけてみるといいかもしれません。
・自分は何がしたいんだろう。何を生み出したいんだろう。
・やっていてわくわくする自分の特技や才能はなんだろう。
・それを使って、誰を喜ばせたいんだろう、誰の役に立ちたいんだろう。
はじまりはきっと、大きなことではないでしょう。
例えば自分の子どもを喜ばせるために、紙に絵を描いておもちゃを作った。
絵を描くのが好きだからどんどんハマって、子ども向けの手作りおもちゃのレパートリーがどんどん増えていった。
そんなことでいいんです。はじまりはきっと小さなことなんです。
発信することも大切です。
自分のできることで、人の役に立つことをどんどん発信していくのです。
人に知ってもらうツールが今の時代にはあります。
ブログやインスタでいつでも発信できる時代になっています。
自分がわくわくすることを誰かのために使う。
もっと役に立ちたい、喜ばせたいから研究したり、研鑽したりしてさらにいいものを生み出す。
そして人に知ってもらう。
その循環をどんどん回していくだけでいいのかもしれません。
自分からエネルギーを投じ続けるんです。
それによって人を喜ばせることができた分だけ、何かが返ってくるのです。
お金にならなかったとしても、楽しいことがいっぱいの人生が送れるでしょう。
さらにこんなことも、問いかけてみるといいかもしれません。
・自分の特技や才能を大きな目的のために使うには、どう使えばいいんだろう。
・自分が生み出したい世界って、どんな世界なんだろう。
大きなビジョンを描いてそこに自分のエネルギーを投じて行った分だけ、できることも大きくなっていきます。
喜ばせることができる人が増えた分だけ、影響力も大きくなっていきます。
わくわくすることを通じて、人に喜んでもらうこと。
その種は、きっと自分の中にあります。
あなたの中の情熱を見つけてみませんか?