「早く仕事を覚えたい!」「もう少し早く、もっと上手くできるようになりたい」「もう少し効率よくするには?」「もう少しわかりやすく伝えられるようになるには?」と主体的に与えられた作業に没頭できる人は、自然と、している仕事を好きになっていきます。
入社当初は作業的なことから仕事を与えられることが多いですから、クリエイティブなキャリアをともなうような転職は別として、それは誰にでも可能だと言えそうです。
人が心に「好き」の感情が芽生えてくる前には、必ず「没頭」という忘我の時期があるんです。
あなたは、なにかに没頭することってありますか?
あまり意識をしたことはないかもしれませんが、没頭しないまま、なにかを好きになることはないですし、人は没頭さえしてしまえばいつの間にかしていることが好きになっていくのです。
通勤電車でなんとなく始めてしまったスマホのゲームが手放せなくなるように、人は限られた時間でもそれが習慣になればハマってしまうことがよくあります。
たとえば、気になる人ができたとき、「なにをしている人なのだろう?」「どんなことが好みなのか?」とか「彼氏、彼女はいるのだろうか?」「もしかして既婚者?」「次はいつ(偶然)会えるかな?」など、あれこれ知りたくなったり考えたりすることってありますよね。
自分のことはそっちのけで、もっと知りたい!とついつい想像してしまう、情報を探してしまう、次に接点を持つための戦略を考えてしまうなど、どうしたら仲良く慣れるかと、その人のことばかり考えてしまうみたいな(笑)
その段階では、その人がどんな人なのかも知らないわけですし、好きかどうかもわからないのに、いつの間にかそうしている。
あのどうにも止まらない衝動に駆られたときのことを思い出してみてください。
ちょうど、そんな感じなのかもしれません。
仕事が嫌いだったり、面白くない、辛いことだと思っている人は、仕事に没頭した経験がない、あるいは、無我夢中になったことがない、そこまでのめり込んだことがないのかもしれません。
もしかしたら、恋愛や誰かを好きになることとは別の次元で、仕事とはこういうものという思い込みが強くあるのかもしれません。
それはちょっとした経験不足。
サクセスとセックスは言葉が似ているだけでなく、いい仕事もいいセックスも、できる人は潜在的にその共通点を学習していける人と言ってもいいのかもしれません。
むしろ、小さなチャレンジをやっていくうちに共通するものに気づいていけるという感じでしょうか。
ちょっとした意識的なチャレンジの経験が多い人ほど、その経験の共通項に気づいて、いつの間にかものごとの法則のようなものを感じ取る力も育まれていきやすくなるのです。
少し話がそれてしまいましたが、仕事であれ、恋愛であれ、それに没頭するためには、自分が夢中になることにある程度の許可が必要です。
判断や自制心が強いとそのチャンスを逃してしまうかもしれません。
一日は24時間という誰もが共通して与えられている時間の中で、あなたはどれだけ自分のために時間を使うことを許せているでしょうか?
「自分のためにしている」という時間を。
自分で考え自分で決めて動くことができるのか、あるいは、なにごとも自分にはあまり主導権はないように感じて受け身で過ごしてしまうのか?
その感覚の差は大きな差を生むことになるかもしれません。
●仕事が好きになるコツは?
一方、仕事を楽しんだり好きになることの要因には、「自分でゲームのゴールとルールを作ること」ができることと言えそうです。
なぜなら、自分でつくったルール、自分で立てたプランだったら、納得感をもって取り組むことができるし、やらざるをえない。
受動的な「やらされる」感じではなく、能動的な「やる!」になるから。
ルールづくりのポイントは、とにかく「遠くを見ないこと」。
来る日も来る日も、まずは自分が立てた目標や方針にそって取り組むことを自分に許すことがポイントです。
冒頭で例えたように、「早く仕事を覚えたい!」「もう少し早くできるようになりたい」「もっと上手くできるようになるには?」「もう少し効率よくするには?」「もう少しわかりやすく伝えられるようになるには?」と一つひとつ意欲を持って課題や目標を見つけ取り組んでみると、多くのクライアントさんは「仕事が楽しくなってきた」という経験をされています。
●自分の成長を感じれること
なにもない自分に小さなイチがたされていくのを感じられるとき、人は自分の成長に喜びを感じることができます。
たとえば、できないことができるようになったり、わからないことがわかるようになったりしたことが楽しさにつながっていきます。
楽しい嬉しい感覚でやっているうちに、自信がつきますし、そうしているうちに周りの人にも気を配れる余裕も出てきます。
場合によっては、周りからも認められ受け入れられ、その主体性が尊重され、責任を持って担当を任されるような環境では、仕事がもっと楽しく好きになれるチャンスが大きくなります。
そうはいっても、そのような幸せな環境が必ずしも用意されているとは限りませんよね。
ですから、最初は他人の自分への接し方に期待を持たずに自分の成長を喜べる自分でいることが、仕事が楽しく好きになるベースになるのだということを信頼してみてくださいね。
どんな職場、職種であったとしても、人はなにかに「没頭」することができたとき、していることが好きになっていくもの、というお話をさせていただきました。
自分がしたこと、していることで人が喜んでくれるのがわかるとき、これも自分の成長や成果を感じる要因になりますよね。
喜んでくれる人というのは、お客様かもしれませんし、同僚や先輩、上司かもしれません。
そうやって自分軸が育ち、他人軸が加わり、双方が影響しあってはじめて、好きで誇りがもてる仕事になるのです。