相談者名 | 幸 |
好きになった人に告白してフラれました。 そのこと自体は仕方がないと割り切っています。 でも相手の私への関わり方に対して怒りが残っており、今もそのエネルギーに自分自身が振り回されることがあって困っています。 相手は思わせぶりでした。 最終的に相手は好かれているのが気分がいいだけなのだと思いました。 フラれた私はもう離れようと思ったのですが、離れようとすると相手は電話をかけてきてまた遊ぼうと言います。 なので私はもう連絡しないと伝え、そのようにしました。 私はその人のことが好きだから恋人ができてしまったのに連絡をとるのは辛いということを伝えた上で距離を置いています。 そして案の定、嫌な思いをしました。 失礼なことを言ってる自覚はないのかなど疑問が湧き、問いを重ねたところ なんだそれ? 折角好きになった相手だったのに気持ち悪さと怒りが残ってしまいました。 | |
カウンセラー | 帆南尚美 |
幸さん、こんにちは。ご相談ありがとうございます。 カウンセリングサービス カウンセラーの帆南尚美と申します。 今回の幸さんのご相談を担当させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ご相談内容を読ませていただき、幸さんのむなしさが伝わってくるように思いました。 ◇いま起きていることを整理してみる今回のお話には、2つのむなしさがあるようです。 >好きになった人に告白してフラれました。 ひとつ目は、幸さんが失恋したことによって感じているむなしさです。 >折角好きになった相手だったのに気持ち悪さと怒りが残ってしまいました。 これは幸さんが、失恋しただけでなく、その彼に恋心をもてあそばれたようになってしまったことによる、むなしさです。 まず二つ目の、「もてあそばれたことによる、むなしさ」についてお話しさせてください。 「折角好きになった相手だったのに」と幸さんがおっしゃっているように、人は誰かを好きになって、たとえその人とお付き合いするまでには至らなかったとか、あるいはお別れすることになったなどの状況だったとしても、自分がその人を好きになったという事実を大切に扱いたいし、決して無駄ではなかったと思いたいものですよね。 ですから、どうせ別れるならきれいに別れたい、という思いがあっても不思議ではないでしょう。 ところが、今回の彼はそういう気持ちを汲んでくれなかったようですね。 そうすれば、フラれたのは悲しいけれど、ご縁がなかったのだとあきらめもつくものではないでしょうか。 >フラれた私はもう離れようと思ったのですが、離れようとすると相手は電話をかけてきてまた遊ぼうと言います。 幸さんとお付き合いはできないと言いながらも、幸さんとのつながりを続けていきたいという彼の誘い掛けに、好きになった弱みといいますか、そんな彼の言葉につい引き寄せられてしまうのも、仕方のないことだったのではないでしょうか。 >それなのに度々このようにして連絡をしてくる真意も測りかねますが、 それだけ幸さんが魅力的で、一緒にいたり話したりすると、彼が楽しい気持ちになったことの証明でもありますね。 とはいえ、幸さんが彼を好きだという気持ちを彼は受け入れることができないと言った(ふった)のですから、彼が誠実であるならば、幸さんに自分から連絡をしたり、誘ったりすることを控えようと思うものではないかと、私は思います。 もちろん、彼がそうやって、いつまでも幸さんに「ちょっかいをだす」ように連絡をしてくるには、彼の側にも理由があったのでしょう。 しかしそれはとても身勝手で、思いやりに欠けたことと考えることもできなくはないですよね。 でも、ここで一つ疑問に思うことがあります。 これについては、上で述べたひとつ目の「失恋した痛みによる、むなしさ」と関係があります。 失恋すれば誰だって悲しいし、むなしいし、自分の価値が地に落ちたような気がするものですよね。 ところが幸さん、あなたはこうおっしゃっています。 >自分の気持ちを持て余し、終止符を打とうと告白。 なんだか、フラれることを前提として告白したかのようですよね。 恋をしている女性が告白をするときに、相手の方とお付き合いしたい、もっとラブラブになりたい、という明るい未来を思い描いて気持ちを伝えることもあれば、 後者の方。 実際には、いくら自己否定の気持ちがあったとしても、誰にも好かれるはずがないなどということは、あるはずがありません。 そして自分は好かれるはずがない、そんな価値はない、と思っている人は、「私のことを好きになってくれるなら、誰でもいい。」とか「私に対する好意は、断れない。」という感覚を持つようになることがあります。 幸さんがそのような感覚をお持ちかどうかはわかりませんが、このように「自分は誰にも好かれるはずがない。」という自分に対する思い込みがある場合には、少しでも自分に興味を示してくれる人がいると、たとえその相手が不誠実であったとしても、そんな相手を拒否したり遠ざけたりすることがなかなかできなかったりするのです。 例えて言うならば、間違っているとは思いつつ不倫をずるずると続けてしまうとか、自分を大切にしてくれないパートナーとの関係をなかなか切れないというのも、同じような背景があったりするのです。 相手にとっては、拒否されないことはすなわち好意である、と勘違いすることもあるでしょうし、そのことから、いつまでもつかず離れずの都合の良い関係を求めてくるということも考えられるのです。 ですから、「自分は誰にも好かれるはずがない。」という思い込みが、相手に不誠実であることを許してしまうこともあり得るのだということなのでしょう。 ◇誰かに受け止めてもらうここで少し息抜きといいますか、肩の力を抜いていただきたいのですが、幸さんはご自分のことを動物に例えるとしたら、何だと思いますか? 私には、幸さんはかわいいかわいい、子犬のようだと思えるのです。 好きな人がいれば、好きだという気持ちを体全体で表現し、なんの裏もない、しっぽをぶるんぶるんと振り回す子犬のイメージです。 大好きな人には、向かっていきます。 ところが、YesなのかNoなのかわからない態度をしてくる人と出会ってしまいました。混乱しますよね。 でもその一方で、幸さんは多くのことを「ひとりでなんとかする。」ということを続けてきた方なのかなとも思います。 今までの人生で何があって、そのような「ひとり」を選ぶようになったのかはわかりません。 「ひとり」で解決できることもたくさんありますが、「ひと」を頼るともっと早く、もっとあたたかく、もっとスムーズに問題が解決することがあるのです。 その意味では、幸さんがこの相談コーナーに投稿くださったのは、本当に勇気がいったことなのではないかなと思います。 ですから、その勇気を一歩進めることで、もっとご自分を癒し、次のステージに進むことができるようになるのではないかと私は思います。 そのためには、ぜひ信頼できる誰かと今の苦しい気持ちを分かち合い、理解してもらってください。 信頼できてあなたの味方になってくれる人を選んで話してみてくださいね。 上述したような、今なにが起きているのかという心の状態を理解することと、それとは別に誰かにあなたの今の苦しさを受け止めてもらうことで、混乱と怒りとむなしさから解放され、より良い心の状態に戻すための一歩をすすめることができるのだと私は思います。 参考にしていただけましたら、たいへん嬉しく思います。 |