「14歳のときの自分が、自分らしく生きることの目標だとか幸せを知っているということなのかなと疑問に思った」ということから、「14歳」という年齢に関して質問をお寄せいただきました。
「14歳」は、学年で言うと、中学2年生になる学年ありますが、あなたにとってどんな時期だったでしょうか?多くの学校では卒業後の進路について具体的な指導が始まるでしょう。ところが、成績や諸条件、親の意向等もあり、自分が行きたい!という思いだけではどうにもならない現実を知る時期でもあります。
そして、この「14歳」の自分を思い出すことが、今の自分自身にとって、どんなことに役に立そうでしょうか?今のあなたにどんなヒントをくれそうでしょうか?それを一緒に探っていきたいと思います。
◎リクエストを頂きました◎
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心理学と関係があるのかわかりませんが、「14歳」について質問があります。
以前占いに行った時に、自分の本当の願いは何かを視るのに、中学2年生(14歳)の記憶を呼び起こす、という人がいました。その時は時間がなく、なぜその年齢なのか質問できなかったのですが。また、先日『幸福を見つける20のレッスン 本当のわたしを取り戻す12ヶ月』という本を読み、この本の中で自分の本当の願いを叶える行動の元になるものに、14歳のときに作成したライフリストが出てきます。
14歳のときの自分が、自分らしく生きることの目標だとか幸せを知っているということなのかなと疑問に思いました。私自身は14歳のころは自分の内面よりも外の世界で生きていくことが大事(必死)で、そのころの願いは「誰々と~」と自分が中心の願いではないので、あまり参考にしたくないのですが。
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リクエストありがとうございます。
今回、担当させていただく安田未稀です。どうぞ、よろしくお願いします。
発達心理学では、年齢に多少のずれはありますが、 14歳前後は、アイデンティティがテーマになる時期と言われます。
自分とは何者なのか?を考え始めるわけですが、難しい話は横に置いて 「14歳」とはどんな時期だったのかを思い出してみましょう。
学年で言うと、中学校2年生になる学年ですね。
中学生としての生活に慣れ、そろそろ進路について考えなければならない 学年。
それは、「行きたい・行きたくない」だけではどうしようもできない世界と の出会いです。
成績という客観的基準や、物理的、経済的な問題、親の意向など、様々な要因に基づき、選択し、判断することが必要になってきます。
私は何をしたいと思っているのだろうか?何が可能なのだろうか?
何を選べるのだろうか?と、自分に向き合い続ける時期と言えるのではないでしょうか。
このプロセスは、したいかどうかだけで決められる「こども」の時期からそれだけでは決められないこともある「おとな」に変遷していく時期だと思います。
もし「14歳」という年齢にこだわって思い出すことに意味があるとしたら、本当はしたいことや願いがあったのに、諦めてしまったあの頃の自分に帰るということではないでしょうか。
諦めたのは、それなりの理由があったのでしょう。
こどものように無邪気に「やりたい!」という思いだけでは選べなかったのですから。
ご相談者の方が14歳の頃は、「自分の内面よりも外の世界で生きていくことが大事(必死)」だったそうですが、自分の願いよりも、親や先生、友人等、周りの人間の願い、期待、その方たちとの関係性に注意が向いていた、ということだと思います。
当時の願いが、「自分が中心の願いではないので、あまり参考にしたくない」と言うことは、裏を返せば、実は「自分中心で感じていた願い」があった、ということではないでしょうか?
例に挙げてくださった本を、私は読んでいませんので、あくまで想像になりますが、「自分中心で感じていた願いを思い出してみてください。そこに自分らしく生きるヒントがありますよ」ということではないかと思います。
14歳の時のパターンで今も生きているかもしれない
ご相談者の方が、14歳の時に、自分の願いよりも周りの意見を大事にしていたのならば、その後の人生も同じパターンで生きてきた可能性があります。
もしそうならば、自分の人生を生きているという実感がなく、いつも苦しかったのではないでしょうか?(行き詰まりを感じられたからこそ、占いにも行き、本を手に取られたのでしょう)
ポイントは、「タイムスリップ」
今のあなたではなく、タイムスリップして、14歳当時の自分になりきり、そして自分がやりたいと思っていたこと、興味を持っていたことを、どんどんリストアップしてみるといいと思います。
当時のあなたには無理だったかもしれませんが、大人になった今のあなたには、それを実現できる力があるかもしれません。
14歳の私では思いもつかなかった方法で実現できるかもしれません。
あるいは、したかったことを別の形で具現化する、という可能性もあります。
例えばこんなケースがあります。
~医者になりたかったけれども、学力不足で断念。自分が本当にしたかったことを思い出すと、「命を大切にすること」だと気づいた。
今の生活の中ではどうしたらいいのだろうか?と考え、倒産しかかっている企業の立て直しを支援する部門に移動する、プライベートでは野生動物の保護活動に没頭。~
したいことを思い出すだけで、こんな展開もあり得るのです。
14歳の自分に会いに行くことで、今のあなたを変えることも可能だと思います。
参考になれば幸いです。
(完)