あなたを愛する人たちの愛によってコンプレックスは溶けていく
こんにちは 平です。
「どうしたら、自分のことを好きになれますか?」
多くの人からこの質問をいただきます。最近、“自己肯定感”という言葉が流行っていますが、「自分のことを好きな人ほど人生はうまくいく」といえそうです。
心理学では“自尊感情”というのですが、究極のところ、あなたが自分のことをどう思っているかということが、世間があなたをどう評価するかということと比例してくるのです。
あなたが、もし、「自分は愛されるにふさわしい」と思っているならば、あなたは「自分が出会う人や、自分を取り巻く世界はきっと私を愛するだろう」と考えることができます。
すると、あなたもまた、まわりの人や世界を愛するようになるでしょう。
一方、あなたが「こんな私なんか‥‥」と自分を評価しているとしたら、「自分と出会う人や、自分をとりまく世界は、私をバカにし、受け入れないだろう」と感じてしまいます。
すると、あなたもまわりの人や世界を愛することができませんから、人生はつらく困難なものになっていきがちです。
さて、心理療法の中でも、自分を愛するための手法というのは古くからさまざまに使われてきました。その中のいくつかをきょうはご紹介しましょう。
古典的な手法の一つが、鏡に自分の顔を映し、その自分をほめてみるというものです。
「がんばってるよ」
「いつも、みんなにやさしいね」
などなど、思いつくままに、自分のことをできるだけほめたたえてあげるのです。
ただ、これでうまくいく人もいますが、中にはこの方法では空しさを感じてしまい、長続きしないという人も少なくありません。
そんなときは、家族やお友だちに「私のいいところ」をできるだけたくさん、言葉やメモで伝えてもらうという方法があります。
この方法では、自分では思ったこともないような評価をまわりの人がしてくれていたことに気がつくこともよくあります。
ただ、自己否定の強いタイプの人だと、「私のことなど知らないくせに、適当なことを言って‥‥!」などと、なかなか人の言葉が信頼できないこともあります。
とくに、自分自身をなかなか愛せない人、自分が人に愛されるということがなかなか許せない人に多く見られます。
そんなみなさんにしばしばおすすめし、意外とうまくいっているのが、「あなたのことを、心から愛してくれている人のことを思い出す」という方法です。
実習でこれを行うときは、ご両親よりも、おじいちゃん・おばあちゃん、おじさん・おばさん、学校の担任・クラブの顧問の先生などが「あなたを心から愛してくれる人」としてよく出てきます。
そして、その人が、どれだけあなたのことを好きでいてくれたか、愛してくれたかということを思い出し、その思いとつながってもらうわけです。
このとき、私がよく使うテクニックがあります。
それは、たとえば、思い浮かんだのがおばあちゃんだったとしたら、あなた自身におばあちゃんになりきってもらうという方法です。
まるでおばあちゃんがしゃべっているかのようにして、孫であるあなたのどこがかわいく、どこがいちばん好きかということを語ってもらうのです。
これが面談のカウンセリングだったとしたら、私がインタビュアーとなり、おばあちゃんになりきっているあなたにこう聞きます。
「あなたには○○さんというお孫さんがいらっしゃるそうですが、彼女はあなたにとってどんな存在ですか」
すると、あなたはこんなふうに答えるわけです。
「目に入れても痛くないという表現がありますが、○○はまさに私にとってそんな存在です。どこがかわいいって、それはね」
どれだけあなたが自分のことを否定していようが、あなたを愛する人たちの愛によって、あなたのコンプレックスはきっと溶けていくのです。
一度、お試しくださいね。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!