◆グループランチの憂鬱
「ランチタイムに数人のグループでランチを食べるんだけど、その時間が憂鬱…」
という時に多いのが、本当は「ランチは一人で…がいいんだけど」と思いながら、職場の雰囲気や人間関係をスムーズにしたいという思いからガマンしているケース。
本当はいたくないと思うけど、一緒にランチしなくなったら、
職場で「のけ者」にされるんじゃないか?
浮いちゃうんじゃないか?
いじめられるんじゃないか?
協調性のないヤツと思われるんじゃないか?
仕事にも支障がでてくるんじゃないか?
そんな不安を感じて「ガマン」するしかないと感じていることも多いように思います。
◆ガマンを重ねると…
一緒にランチをしている人達に対して、もともと、悪い印象を持っていなかったとしても、ガマンをし続けると、その人達は「わたしにガマンをさせる人」となってしまいます。
ガマンするのが好きな人はいません。
ガマンは嫌なものです。
するとガマンが嫌な度合いだけ、「わたしにガマンさせる人」のことも嫌いになってしまいます。
また、ガマンが重なって限界を超えてしまうと、「これからは一人で食べますので!」とキレてしまうかもしれませんし、ひどい場合には、ランチだけではなく、会社に行くこと自体が嫌になってしまうかもしれません。
これでは「ランチタイムの憂鬱」どころか「ランチタイムの悲劇」になってしまいますよね。
協調性や思いやり、空気を読むことは大切かもしれませんが、自分が苦しくなるほどガマンをし続けると、ガマンしてまで大事にしてきたことを自ら壊してしまうことになりかねません。
周りを大事に思う気持ちと同様に自分の気持ちも大事にしていくことはとても大切なことなのです。
◆「嫌われてもいい」「変な人と思われてもいい」という勇気を持ってみる
本当は一人で過ごしたいと思っているのに、過ごせないのは苦痛ですよね。
「わたしが楽しんでいないことに気づいてくれたらいいのに」とあなたが思っていたとしても、他の人たちが「みんな一緒があたりまえでしょ」と思っていたら、まさかあなたが一人で食べたいと思っているなんて考えもしないと思います。
だから、あなたが、そっと距離をとろうとしても、親切心から「一緒に食べよ」と誘い続けるかもしれません。
その場合、ちょっと「嫌われる勇気」が必要にはなると思いますが「わたしは一人で過ごしたい」と伝えてみるのがいいかもしれません。
最初は不思議な顔をされたり、変な人と思われたりするかもしれませんが、そのうち、周りの人も慣れてきて「この人と自分たちは違うんだ」と認識され、それがあたりまえになっていくからです。
直接伝えるのはちょっと…という場合なら
今日は昼休みに銀行に行く用事があって…
急ぎの仕事があって… 等
ランチタイムに一緒にいられない状況を時々作って少しずつ、フェードアウトしながら「あの人は一緒にランチしない人」という既成事実を作って認めてもらう、というのもいいかもしれませんね。
ランチは大勢で食べるもの、と思っていたり、職場の暗黙のルールには従うものと思っている人からは、「変な人だなぁ」「ちょっと苦手だなぁ」と思われるかもしれません。
でも、仕事や他の場面で、相手のやり方を尊重したり、協力したり、理解したりできているなら「ランチタイム」くらいは大目に見てもらえるんじゃないでしょうか?
嫌われてもいい。
変な人と思われてもいい。
それでも
「自分」のことは大切にしたいし、「自分」のことを理解してもらう努力をしたい、ということは、すねて、わがままになって、周りに背を向けて嫌「われたっていいモン!」と開き直ることではありません。
周りの目を気にして自分を隠してガマンするのをやめ、勇気を持って自己表現する、ということです。
嫌われたっていいモン!とすねているときは、「気がつかなくてごめんね」といわれても、「今更遅いわっっ!」と拒絶してしまいます。
わたしはこんなに傷ついているんだから、わたしのごきげんをとって、慰めてくれたっていいじゃないという気持ちが隠れているので、自分が納得できるものを与えてくれるまで、優しさも思いやりも受け取れないのです。
周りは自分を理解する側(自立)、自分は理解される側(依存)と感じているともいえます。
一方、嫌われるかもしれないけれど、わたしはこういう人間だと表現したとき、そのあなたを嫌わず、「気がつかなくてゴメンね」と笑ってくれる人が現れたら、その人のことを「いい人だなぁ」と思うことができます。
相手は自分を拒否することもできるし、受け入れて愛することもできると、相手の選択の自由を認めているので、相手の思いを受け取る準備ができているのです。
嫌われてもいいというリスクを知った上で、それでも自分を表現するということは「大人の上級テクニック」なのかもしれませんね。
心地よいランチタイムを過ごしてお昼からの仕事に備えられるといいですね。