子どもがくまさんの人形で遊んでいるようなシーンがあります。
自分がお母さん役になってくまさんの人形に向かって子どもが言うのです。
「あら、くまさんさみしそうでちゅねー。ママがギューッとしてあげるからもう大丈夫ですよ」と。
本当にくまさんはさみしかったのでしょうか?もしかしたらそれはその子どもの心が投影されているのかもしれません。しかし私たち大人にもこの子どもとくまさんの関係のようなことをしていることがあります。誰かを助けてあげたいと思った時もしかしたら自分を助ける時ということがあります。
くまさんの心
子どもがくまさんの人形で遊んでいるようなシーンがあります。
自分がお母さん役になってくまさんの人形に向かって子どもが言うのです。
「あら、くまさんさみしそうでちゅねー。ママがギューッとしてあげるからもう大丈夫ですよ」と。
微笑ましい遊びですね。
さて、このシーンを心理分析として見ていきましょう。
くまさんは本当にさみしかったのでしょうか?
ママ役の子どもがギューッとしてあげるとくまさんは本当に大丈夫になったのでしょうか?
それは疑わしいですね?
なんせ中身は綿ですから。
(一気に微笑ましさが台無しになりますね。すいません)
では、この子どもはなぜくまさんがさみしかったという捉えかたをして、なぜくまさんがママがギューッとしてあげると大丈夫になると思ったのでしょう?
それは投影だと考えられます。
この子どもの中にさみしさがあったから、投影がおきてくまさんがさみしそうにみえたのでしょう。
くまさんの心がさみしかったのではなく、この子の心の投影なわけですね。
この子どもがそのさみしさを癒やすのにママにギューッと抱きしめて欲しい気持ちがあるから、くまさんをギューッとしてあげるとくまさんのさみしさが消えて大丈夫なるという発想になったのでしょう。
つまり投影なわけですね。
本当はさみしくてママにギューッとし欲しいのはこの子どもなんだと言えます。
あなたのくまさん
あなたの周りに、さみしそうに見える人がいてその人が気になる。
しんどいのを隠して頑張っている人がいる。
手を差し伸べて助けてあげなきゃいけないような気がする人いる。
そのような人があなたの周りに現れることが多いということはありませんか?
「あの人は平気そうな顔しているんだけど、本当はつらいんじゃないかなぁ?私にはそう見えるの」という感じです。
それは、もしかしたらこの物語の子どもとくまさんの関係のようなものかもしれません。
それはあなたの気づいてない感情の投影が起きているのかもしれませんよ。
本当はさみしいのはあなたなのかもしれません。
しんどいのを隠して頑張っているのはあなたなのかもしれません。
本当は助けが必要なのはあなたなのかもしれません。
人がこう感じているように見える。
人がこうして欲しいように見える。
そういう時は、あなたの心の投影がおきていることがあるんですね。
投影という考え方を使うと、人を見て自分の心がよりわかるようになってきます。
もし助けてあげなきゃいけない人が本当は自分だったといことが投影という考え方を使って気づいた時は、まずは自分のことを助けてあげてくださいね。
そして自分を助けるにはどうしたらいいのかというヒントを見つけるのも投影という考え方をしていくと見つかることが多々あるんです。
あなたが助けてあげたいと思った人にしてあげたいと思ったことが、あなたが必要としているものであるということがあります。
例えば、しんどさを隠して頑張っているように見える人がいてその人のことが気になったとします。
そしてあなたは「しんどそうだから何かあったの?と声をかけてたくさん話を聞いてあげたほうがいいかなぁ?」と思ったとします。
しかし、投影という考え方を使ってよくよく考えてみると、しんどいという気持を隠して無理していたのは私だったのだということに気づいたとします。
「しんどそうだから何かあったの?と声をかけてたくさん話を聞いてあげたほうがいいかなぁ?」と思ったわけですので、ここであなたの心が求めているのは話を誰かに聞いてもらうこと!
これも投影なのですね。
それがわかったら友達に電話をかけたりして、しんどい気持を聞いてもらうといいですよね。
投影って奥が深いですね。