欲求の心理学〜手段ではなく、感情を手に入れる〜

欲しいものは、欲しい感情や感覚を手に入れるための手段!?

欲求とは、私たちの欲しいものへ手に入れるための道しるべとなる素敵なものですが、満たされない状況が続くとあっという間に欲求不満というストレスに変化してしまいます。
それらを解消するために必要なのは、限定的な手段ではなく欲しい感情や感覚を手に入れるという視点なのです。

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欲しいものはありますか?

それは、今欲しいものかもしれないし、いずれ欲しいと感じるものかもしれません。

欲求とは、私たちの欲しいものへ手に入れるための道しるべとなる素敵なものですが、満たされない状況が続くとあっという間に欲求不満というストレスに変化してしまいます。また、”欲している”状態であり、手に入っていない状況であるということが出来ます。

今回の心理学講座では、欲求の心理学の観点から欲しいもの手に入れる方法をご紹介します。

 

■欲しいものを認識してみる。

欲しいものを手に入れるためには、あなたの中で欲求として認識できることがとても大切です。

なぜなら、欲しいものは、欲しいと認識できて初めて求めることが出来るからです。

普段から、欲しいものが明確な人にとっては、欲しいものが認識できないことなんてあるの?という質問が飛び込んできそうですが、実際には欲求を認識できない方もたくさんいらっしゃいます。

それは、調和の国日本ならではかもしれませんが、自分の欲求より、周囲の方や社会との協調を優先してきた経験が多い方や欲しいものが手に入らないという経験をして求めること自体を諦めてしまった人にとっては、求めないことが当たり前になっており、欲しい気持ちを認めることが出来ないこともあります。なので、欲求を叶えるためのスタートは、あなたの中にある欲求を欲求として認めてあげることからスタートします。

改めて、お聞きします。

あなたの欲しいものは何ですか?

■欲しいものは、欲しい感情や感覚を手に入れるための手段!?

皆さんは、「この世界は、すべて投影である」といった言葉を聞いたことがあるでしょうか?

投影とは、外の世界に心のフィルターを映し出しているというもの。
投影されているものは、人それぞれが持っている心のフィルターが基になっていますから、同じ対象のも人や物に投影をしていたとしても、投影するものも異なるわけです。

例えば、会社にいるAさんという上司をみていたとしても、「優しさ」を投影する人もいれば、「厳しさ」を投影する人もいるといった感じで異なります。

投影する対象として、欲しいものも例外ではありません。
欲しいものは、欲しいものに欲しい感情を投影していることが多く、欲しいものを手にしたと同時に手に入るであろう感情や感覚を欲しているという見方も出来ます。言い換えれば、欲しいものは欲しい感情や感覚を手に入れる手段なのです。

例)
(欲しいもの)       (手にしたときに手に入る感情・感覚)
結婚生活         ⇒ 幸せ・安心
素敵なパートナーが欲しい ⇒ 自信・喜び
家            ⇒ 安心
お金           ⇒ 自由・安心

 

■手に入る感情や感覚を欲しいものの基準にすると選択肢は広がる

欲しいものは、欲しい感情や感覚を手に入れる手段と見ていくと、欲しい感情や感覚を手に入れる方法は他にもあります。

例えば、結婚生活を手に入れれば”幸せや安心”が手に入ると思っていたとしましょう。
もちろん、結婚生活が手に入れば幸せを感じることも、安心を感じることもできることも事実です。

しかし、”幸せや安心”を手に入れる手段が結婚に限定してしまうと、結婚が出来なければ、私は幸せになれないし、安心も出来ないという絶望的な構図が出来上がってしまいます。

それは、一つの誤解であり、真実ではありません。ここで、欲しいものに主軸を置くのではなく、「私がどうしたら幸せを感じるだろう」「どうしたら安心を感じることができるだろう」といったことに興味を持ち欲しい感情や感覚を手に入れる主軸をおくと、「ペットを飼うこと」かもしれないし、「好きな仕事に没頭すること」といった欲しい感情や感覚を手に入れるための選択肢は広がっていきます。

欲しいもの(結婚生活)といった限定された手段だけではなく、欲しい感情や感覚(幸せや安心)を手にすることに着目し叶えていくことで欲しいと思っていたものが欲しいと感じなくなることありますし、逆説的ですが、欲しい感情や感覚を広がった手段で手に入れることで、ご機嫌なあなたでいることができますから、結果的に素敵なパートナーが出来るということもあります。

積極的に、欲しい感情や感覚を手にすることを主軸に選択肢を増やして、欲しい感情や感覚を先取りしてみましょう。

想定外の方法かもしれませんが、欲しい感情や感覚を手に入れた分だけ、その感情や感覚に合った環境がやってきます。

良かったら、お試しくださいね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。