ヒーローと問題児と殉教者
家族に問題が起きた時に、子どものは家族の役に立とうとすることがあります。ヒーローの役割、問題児の役割、殉教者の役割をすることで家族に役に立とうとうする特徴をご紹介します。あなたもそうやって家族を救ってきたのかもしれません!
***
家族に何かしらの問題が起きた時に、子どもは何らかしらの役割を持つことで大切な家族の問題を改善しようとすることがあります。
家族を助けたい、家族を救いたい、家族の誰かの役にたちたい、問題を改善したいなど、言葉にすると人それぞれピンとくる言葉は違ってくるかもしれませんが、役割を担って家族の問題を改善することを試みるわけです。
今回は、その役割の中のヒーローの役割、問題児の役割、殉教者の役割をご紹介したいと思います。
●ヒーロー(ヒロイン)の役割
ヒーロー(ヒロイン)の役割は家族の輝く存在、家族の明るい話題、光、希望になることで家族の役に立とうとします。
勉強ができる子になるとか、
スポーツができる子になるとか、
音楽のコンクールで賞を取るなど、
家族の輝く存在、家族の明るい話題、家族の光、希望をもたらすヒーローになり家族を助けようとします。
例えば、夫婦関係が悪い家庭があったとします。
冷え切った夫婦関係でお母さんの心が疲れているとします。
そんな時に、子供が勉強で100点をってくるような成績優秀な子でいたとします。
すると、「あなたの将来はお医者さんとか弁護士さんとかになれるかもしれないね。お母さん楽しみだわ」と、お母さんの心の中に明るい気持ちが生まれたりします。
このようにヒーローの役割は、家族の輝く存在、家族の明るい話題、家族の光、希望をもたらすことで、家族の状況を良くしようとしたり、役に立とうとしたり、助けようとするのです。
もしかしたらあなたも無自覚的かもしれませんが、このような役割をして誰かを助けていたかもしれませんね。
ヒーローをしてきた人はリーダーシップの力が磨かれていることがあります。
大人になってリーダーシップを発揮できたりします。
しかし、子どもの頃の家族の光であろうとするパターンが大人になっても残っていると、良いリーダーであろうとしすぎてしまい「疲れた」などの弱音がはけなかったり、ヘルプの声を出せずに一人で抱え込んで頑張ってしまう方もいます。
もし、あなたも、そんなことをしている自分に気づいた時は、「もうヒーローをしなくていいんだよ」とご自身のインナーチャイルドに言ってあげてもいいかもしれませんね。
●問題児(スケープゴート、悪者)の役割
この役割は自分が問題となることで家族の問題を掻き消そうとする助け方をします。
例えば、夫婦関係が仲が悪く、喧嘩が絶えないご家庭があったとします。
お父さんやお母さんからは時々”離婚”という言葉も出てくるとします。
そんな中、子供が家庭内暴力を起こしたとします。
家庭内で金属バットを振り回したり、壁を殴って穴あけたり、時には家族に手を出したりする。
とても荒れている感じになったとします。
そうすると、お父さんやお母さんはどうなるでしょう?
荒れている子供をなんとかしてあげなければという感じになると思いませんか?
子供の問題をなんとかしなければという意識が向くことになり、両親の離婚話がかき消されてしまうことがあります。
このように問題児の役割は自分が問題、悪者になることで家族を救おうとする役割になります。
表面的な行動だけを見ると家族を困らせたとみられがちなのですが、実は問題を起こすことで家族を助けようとしているのですね。
問題児の役割をやってきた人が大人になったときに、自分のしてきたことをネガティブに評価してしまい、自分は家族を困らせてきた、自分は変わり者だ、自分は嫌われ者だというように思ってしまう人もいるようです。
しかし、先ほど書かせたいただいたように、表面的な行動を見ると家族を困らせるように見えるのかもしれませんが実は問題起こすことで家族を救おうとしてきた、あなたがいたのかもしれませんよ。
そんな時は、問題児をしてきたころの子供の頃の自分に言ってあげるつもりで「問題児になることで家族を救ってきたんだよ。がんばったね」などのポジティブな評価をするような言葉を自分自身にかけてあげてもいいかもしれませんね。
問題児の役割をやっていた人は、エネルギッシュであり、人の痛みがわかる才能が磨かれていることがあるようです。
●殉教者の役割
殉教者の役割は、家族の為に人生をすてる、犠牲をして家族を助けようとするという形で家族の役にたとうとします。
例えば、お父さんとお母さんが不仲であり、お母さんがお父さんの悪口を子供に言うとします。
毎日毎日お母さんはお父さんの愚痴を1時間も2時間も子供に言うとします。
毎日毎日愚痴を聞き続けるってどんな感じがすると思いますか?
少なくとも気分が良くなるようなことではありませんね。
大人でも毎日毎日同じ人から同じ人の悪口を1時間も2時間も聞くという日々になると、しんどさを感じる人は少なくないんじゃないかと思います。
しかし、殉教者の役割をする子は、
「私、友達と約束あるから」など適当なことを言ってその場を立ち去らずに、『私さえ我慢すれば家族がこれ以上ひどくならずに済むかもしれない』など思い、しんどくても愚痴を聞き続けたりします。
このような、自分を犠牲にすることで家族の役にたとうすることを殉教者の役割の人はしがちになります。
あなたには、
「私さえ我慢すれば・・・」とか、
「私さえ飲み込めば」などなど、
そうやって家族の痛みを引き受けて、家族を救ってきたのことは有りませんか?
殉教者の役割をしてきた方は、面倒見の良さや、癒し系、包容力などの才能が磨かれていることがあります。
子供の頃の殉教者の役割のパターンが大人になっても残っていることで、大人になっても「私さえ我慢すれば・・・」という発想が働きやすくなっていて、ついつい我慢してしまったり、ついつい嫌な思いを飲み込んでしまったりする人がいます。
もし、あなたが殉教者の役割をしていた頃の癖が大人になっても残っていて「私さえ我慢すれば・・・」という発想をついついしているようであれば、殉教者をしていた頃の子供のマインドが残っているのかもしれませんね。
そんな時は、大人のあなたの心の中に、「私さえ我慢すれば・・・」と思っている子どもの頃のあなたがまだ住んでいるのかもしれません。
心の中に住んでいる子ども頃の自分に向かって(インナーチャイルドに向かって)、「もう私さえ我慢すればと思わなくていいんだよ」というような言葉をかけてあげるても良いしれませんね。
(続)