対立があるとき、どうする?

職場に限らずですが、対立はどうしても起きてしまうものだと思います。
対立から、新たなアイディアややり方など、良い結果がもたらされることもありますが、そうでない場合も多いものです。
第一、対立によって大体の人が気分の悪さを感じると思いますし、それによって、職場であれば各人のパフォーマンスが低下するといった問題もあるかもしれませんね。

皆、何にでも、過去に成功した自分なりのやり方を持っているものです。
そんな自分のやり方がそれぞれにあるわけですから、意見の相違は出てしまうものです。
特に、そんな自分のやり方が正しいと思い、こだわりが強くなると、それが対立の元にもなったりするのです。
人によっては、自分を守るために、その正しさを強化する人もいます。

最近、私にこんな出来事がありました。
私はカウンセラー以外に仕事を持っているのですが、このところ、私の職場が結構大変だったんですね。
私が所属している部署は、今までやっていた業務もバックグラウンドも全然違う人たちで構成されていて、年齢も離れていて、皆、共通点がない上に、それぞれが自分のやり方で何でもやろうとする感じの、なかなか統一感がないグループなんです。

今年、ある男性がリーダーになった途端、皆の不満が続出しました。
彼はリーダーをやるのが初めてだったので、皆、親切心で彼に教えたり意見を出していたのですが、段々、彼は全てを拒絶して、誰の意見も聞かなくなり、かなり年配の先輩にさえ高圧的に接するようになっていきました。
それをきっかけに、皆はやる気をなくしたり、文句ばかり言ったり、仕事をしなくなったり、何かあると喧嘩腰になったりと、どんどん職場の雰囲気が悪くなっていきました。
私もそのリーダーから何度も怒鳴られている内に、何だか心がついていかなくなったんですよね。
リーダーへの反発心も強くなったし、何でこんなに苦労してプロジェクトを盛り立てていかないといけないのかって不満も大きくなっていたし、やる気をなくした皆の気持ちはすごく理解できたけど、だからと言って、ちゃんと働かない皆にも腹を立てていました。
そしたらプロジェクトの終盤では何だかこの仕事がもうどうでも良いような気がしてきたんですよね。
頑張ったところで虚しいなあ、と。
皆もそうみたいで、元々バラバラな人たちなんですが、プロジェクトは空中分解状態でした。

このプロジェクトは失敗という形で終わるだろうと思っていました。
だけど、ある時、やっぱりこのままじゃいけないんじゃないかって思ったんです。
悩んだ末に、自分の正しさは一旦置いておいて、メンバー1人ずつとコミュニケーションを取ることから始めてみたんです。
まずは皆がどう思っているのかを聞いて、受け止めることから。
もう一度、皆が仲良くなれるように。
皆が職場で少しでも気持ち良く過ごせるように。
その為に自分ができることは何だろう、そこにフォーカスしていったんです。
そして、どうしたらこのプロジェクトが良くなるのかについて皆で考えていったんです。

プロジェクトは、完璧ではないけど、それなりの形で終えることができました。
何よりあのギスギスした最悪な職場の空気が変わったし、前よりも皆と仲良くなれたんです。
先日、会社の評価面談があったんですが、そこで上司から言われたんです。
「源さんが入ることで柔らかくなる局面が多かった。感謝しています。ありがとう。」って。
思いもかけぬ言葉に、とても驚きました。

やり方や正しさにこだわる気持ちはとてもよく分かります。
何故なら、こうしたらもっと良いのに、とか、こんな良いやり方もあるのに、という思いもまた、あなたの愛であったり、あなたから皆への貢献でもあると思うからです。

ですが、やり方や正しさではなく、最終的な成功や、皆の幸せについてより考えられた時、対立は解消できるのではないかと思います。
そもそも、あなたが望んでいたゴールは、対立ではなく、最終的な成功や、皆の幸せだと思うのです。
あなたが最終的な成功や、皆の幸せについてフォーカスできた時、きっと状況が変化したり、そんなあなたを評価したり良いと思ってくれる人が現れると思うのです。
対立ではなく、あなたが本当に欲しかった結果が得られますように。

この記事を書いたカウンセラー