手放しに取り組む3つのタイミングとは
「手放し」は非常にパワフルな癒しと変化の手法です。古くなった価値観や、自分を苦しくする思い込み、幸せではない感じ方の癖などを手放すと、心はどんどん軽くなっていきます。
○手放しとは
「手放し」をひとことで説明すると、「手放してもいい何か」を握りしめている手をひらくことです。何かを握りしめている状態では、新しいものやより良いものをつかむことはできないでしょう。
例えば、部屋の扉を出入口と言います。入出口とは言いません。入るより出す方が先、つかむ前に手放すことを、私たちは感覚的に知っているようです。
手放しについて別の表現をすると、選択肢を作ることです。「絶対これ!」と握りしめていたものをいったん横に置いて、「これを選んでもいいし、必ずしもこれでなくてもいい。」と選択肢を用意することです。手放すことで、選べる自由が心に生まれます。
また、固執している思いをゆるめることも「手放し」です。例えば、100か0か、白か黒かと自分なりの判断が厳しすぎる場合、「必ずしもそうでなくてもいい」とか「それ以外にも道はある」と思えたら気持ちが楽になるでしょう。
自分と価値観が合わない人にイライラしたり、「ちゃんとできていないかも」と人目を気にしたりすることも、自分が持っている「こうあるべき」をゆるめたら、感じ方が変えやすくなります。
私たちは数万もの自分的常識・自分ルールを握りしめています。そして、それらが多ければ多いほど、自分が窮屈になります。もし、「思い通りに行かないことばかり」などと感じているのなら、手放しに取り組んでみるといいのかもしれません。
では、手放しが必要なのはどんな時なのでしょうか。今回は3つのタイミングを紹介します。
○うまくいかない状況が続く時
これ以上どうしようもない時、八方ふさがりで行き詰った時、膠着して動かなくなった状況を動かしたい時は、手放しのタイミングでしょう。
一生懸命がんばってきたのかもしれませんが、残念ながら今までの方法の延長線上に解決はないようです。こんな時は、何かを手放して余裕を作ることで、別の可能性を開いていくタイミングかもしれません。
例えば、彼氏から別れを切り出された場合。自分は別れたくなくて、がんばって、がんばって、できることはやり切ったけれど、やっぱりダメでという状況。ここで、怖いかもしれませんが「別れない」を手放してみると、それまで見えなかった可能性がひらけていくでしょう。
○問題が起きている時
問題が起きるのは、「何か不具合がある」メッセージと受けとめることもできます。PCでいえば、不具合の解消に既存のシステムの更新が求められている状態です。古いプログラムを手放し、今に適したプログラムをインストールする時です。
昔から持っている考え方・感じ方が心の癖となって、今の生活に影響しているとしたら、いらない癖は積極的に手放して、自分を幸せに考え方・感じ方を取り入れていきましょう。
例えば、人間関係が原因で転職を繰り返す場合。いつも「自分には居場所がない」という気持ちで退職するとしたら。「私は嫌われる」「私は役に立たない」「私がいると迷惑になる」といった思い込みを握りしめていないでしょうか。だいぶ前から持っている思い込みが、毎回邪魔をしてくるなら、思い込みを手放していくタイミングかもしれません。
困難な状況から抜け出したいと思う時、「何を手放せばいいのだろう?」と考えるのも、問題を乗り越えていくための一つの方法です。
○成長・進化する時
今それなりにうまくいっているとしても、更なる成長・進化を求めるならば、手放しが必要です。今のやり方・今の関係性でできるのは「現状維持」です。もちろん、現状維持を選択するのもいいでしょう。
しかし、更なる成長・進化を望み、今までと違う状況を望むならば、「こうすればうまくいく!」といった過去の成功法則すらも手放していくタイミングです。古いやり方を手放していくと、まったく新しいやり方・関係性が取り入れやすくなります。
例えば、スポーツ選手のフォーム改革。これまでのフォームでも相当な成績を収めてきたとしても、より良いものを求めて、これまでのフォームを手放し、新しいフォームにチャレンジして成功した話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
○手放しと変化へのオソレ
人は本能的に「変化」に対して不安や怖れを持つ性質があります。知っている状態を安全と思い、新しくてわからない世界を避けようとします。だから、たとえ現状が望まない状態であったとしても、現状維持に留まろうとしがちです。
もし、現状に変化を望むなら、手放す勇気を持ってみましょう。かつては必要だった考え方・感じ方などが今の自分を幸せにしていないのなら、それらから卒業するタイミングが来ているようです。「今までありがとう」と感謝して、自分を自由にしていきましょう。
(完)