様々な人から「仕事が成功する秘訣なんてあるのですか?」と尋ねられることがあります。
そんなとき、私は「秘訣は人それぞれオーダーメイドですが、共通している事柄もありますね」とお話しています。
オーダーメイドの部分は、それぞれ「仕事の成功」のゴール(定義)が異なるので、必然的に辿る道も異なります。
例えば、お金をたくさん稼ぎたいという人もいれば、地位や名誉が欲しいという人もいます。
仕事を通じて自信をつけたいという人もいれば、好きなことで食べていきたいという人もいます。
あるいは、家族や一般の人に喜びを与えたいという人もいます。
これらが複合している場合もありますね。
このように、「仕事の成功」のゴールは人により様々ですから、その為の秘訣もそれに応じて多種多様になるわけです。
一方、共通した部分は、何をゴールにするにしても必要な部分になります。
それは、自分のゴールに向かって「諦めないこと」「失敗を怖れないこと」です。
「継続は力なり」という言葉がありますが、どんなことでも向き合いながら継続していると、そこから学ぶことが沢山あります。
例えば、私は学生時代英語がとても苦手だったのですが、仕事で海外出張や海外との折衝をしなければならなくなり、学びながら仕事を継続しているうちに少しは英語が使えるようになりました。
現在のようにポータブルの翻訳機が無い時代でしたから、向き合わざるを得なかったのですね。
もっとも、その仕事を離れてしまった今では私の英語力は元に戻ってしまったので、やはり継続して向き合うことは大切だと思います。
「どうせできない」との思いが心の中にあると、何かしらの理由を付けて向き合うことを止めてしまったり、諦めてしまったりするので、「どうせできない」という気持ちではなく、「何とかするぞ」「何とかなるぞ」という気持ちを持つことが大切です。
そして、向き合い続けたら向き合い続けたなりの成果が必ず生まれるので、そちらに目を向けて自身の楽しみや喜びにすることがとても大切です。
私たちはとかく“できない自分”に目を向け、自身を責めることに興味を持ちがちですが、そうするとやる気を失くし、向き合うこと自体が苦痛になって継続することができなくなります。
それを避けるためにも、アリの一歩でも構いませんので、ぜひできたことに目を向けるようにしてください。
そうすると、徐々にかもしれませんが、諦めずに自分なりの「成功」に向かって歩み続けることができると思います。
一方、「失敗を怖れない」ことですが、誰しも真剣に向き合おうとするほど失敗の怖れが強くなってきます。
なぜならば、それほど注力して時間や、場合によってはお金をつぎ込んで向き合うのですから、当然と言えば当然かもしれません。
途中で沈むかもしれないと思っている船に乗って旅をするようなものですね。
しかし、その船に乗らなければ「成功」という目的地には辿り着けないのです。
そこで重要なのは「決意」です。
私たち人間の持っている大きな力の一つは「選択する力」です。
自身でその船に乗るかどうかは自分で選択することができるのですね。
当然のことながら、その選択の結果の責任は自身にあります。
これは仕事の成功のみならず、人生の多くの重要な事柄に対しても言えることですね。
従って、その船に乗るかどうかは誰かに決めてもらうのではなく、自分自身で決断し、その結果の責任を取る覚悟が必要です。
場合によっては、リスクを評価し、期限や注ぎ込むお金額を決めて取り組んでみる、そして再度評価してみるという方法もよいかもしれません。
このような話をすると、ますます怖れが強くなって決断することができない人もいるでしょう。
しかし、その船に乗るリスク(注ぎ込む時間やお金など)と成功のメリットを客観的に(ここが重要です)見詰めることによって決心がつくように思います。
その時に重要なのは、深刻さを持たないことです。
私たちは追いつめられると、自己破壊的な決断や萎縮した決断を下します。
この深刻さは、実はあなたの心の深い部分から発せられている心理パターンです。
心の癖なのですね。
この心理パターンもその原因となっている自分自身に対する、あるいは誰かに対する誤解や勝手な解釈、観念による裁きなどが溶ければ変えていくことができるのですが、それらを変えることには怖れによるかなり強い抵抗があり、一朝一夕には進まないのが現実です(変えられないわけではありません)。
先ずは、できるだけおおように構えることを意識して決断されることをお勧めします。
怖れを見詰め始めると、それはどんどんと大きくなっていきます。
また、何か新しいことを始めるに当たっては、失敗はつきものです。
例えば、私たち人間は馬などの動物とは異なり、生まれてすぐに歩けたわけではありません。
ハイハイして、つかまり立ちをして、それから歩けるようになりました。
その過程で、何度転んだことか、何度泣いたことか、もう記憶には残っていないかもしれませんが、それが現実です。
私たちは失敗を通して学び、改善し、そして進歩します。
従って、失敗を怖れていては学ぶ機会もありません。
「失敗は成功への道程」「失敗は成功への糧」という気持ちで、取り組んでいただけるといいかと思います。