「対等さの法則」について

パートナーシップがイコールの関係になればなるほど幸せになる!

こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

“イコール・パートナー”という言葉がありますが、男女関係は対等であることがいちばんいいといえるようです。

というのも、男女関係とは、二人の要素を足して2で割ると、とてもバランスのよい関係になるようにできているからです。

昔、非常に堅実なタイプの男性から、奥さまのことでご相談を受けたことがあります。

彼は都内で小さな会社を経営する自営業者なのですが、たいへんシマリ屋さんで、毎年800万円ずつ貯金をしているような人だったのです。

それぐらい貯金できるということは、ベンツにでも乗っていそうなのですが、彼の愛車はカローラで、スーツも量販店で買ってすませているような人でした。

一方、奥さまは、ある意味、人生を楽しむのが上手な人で、ブランド品などもけっこう買っちゃうタイプで、また、ご主人に内緒の買い物をしたり、ご主人が貯金するように頼んでいたお金を、遊びやショッピングに使っちゃったりするようなこともしょっちゅうある人だったのです。

そんなことから、「私個人の預金の範囲なら、彼女がどう使おうがまだ許せるのですが、今回はついに会社のお金まで使ってしまったのです。それが許せなくて、もはや離婚したほうがいいかと考えていまして‥‥」というのが、そのときの彼のご相談だったのです。

堅実な彼の立場に立ってみれば、奥さまはまったくもって、とんでもない人であり、「人として、どうよ!」とさえ思えてしまうわけです。

そして、そんな目で奥さまのことを見れば見るほど、「僕はもっともっと倹約しておかなければ」と感じてしまいます。

しかし、奥さまの目からは見れば、そのご主人はますますおもしろくない人になっていきます。

だからこそ、ご主人以外のことで楽しみや喜びをなんとか見つけようと、奥さまはあちこちで散財しているようだなと私には感じられました。

そして、冒頭でふれた男女関係の法則を思い出したわけです。

私はご主人にこう聞きました。

「あなたが倹約すればするほど、なぜか奥さまの散財がひどくなってくるということはありませんでしたか?」「まったく、そのとおり! いいかげん、キリがないと思い、離婚を考えるに至ったしだいです」とご主人は答えました。

そこで、私はさらに聞いたのです。「じゃ、そもそも、なぜ、この奥さまと結婚したのでしょう‥‥?」。

奥さまと出会ったとき、ご主人は、いろいろなことを楽しむ才能をもつ彼女に惹かれました。

そして、「この彼女と一生を過ごせたら、どんなに楽しいことだろう」と思い、結婚したわけです。

にもかかわらず、ご主人はその後も堅実路線のみだったので、ダンシング・クイーンである奥さまにとっては、結果的に修行僧と結婚したようなことになってしまったのです。

なんの楽しみのないお寺にいるよりも、なにかと楽しいことの多いシャバではめを外したい‥‥、奥さまはこう感じているように私には見えました。

そこで、ご主人にこうアドバイスしたのです。「あなたが奥さまから“楽しむ”ということを学ぶことができた度合いだけ、奥さまのあの散財を止めることができますよ」。

そして、「奥さまとともにいろいろなことを楽しむことを、自分に許可してみましょう」と提案したのですが、「そんなことをしたら、妻はますますお金を使い込んでしまうはずだ!」と大反撃されてしまいました。

しかしながら、彼女も自分の散財癖は自覚しているはずでした。

一般的に、女性の散財の大半は、ご主人への当てつけから起きることが非常に多いのです。

「ですから、奥さまをあなたの敵と見なさず、“あなたの人生に楽しみを教えにきたエンジェル”という見方をして、とりあえず、試してみてくださいよ」とお願いしたところ、ようやく彼もその気になってくれました。

とはいっても、はじめのころは、なにをするのも無駄遣いだと感じていた彼でした。

それでも、だんだん自分に投資をするようになり、服装がおしゃれになったり、セミナーに通い出したりするようになりました。

そうして、彼はどんどん垢抜け、奥さまと二人のライフスタイルが充実するにつれ、いままでとまったく違う雰囲気になっていったのです。

奥さまのほうもそのころには、自分のすべてを否定してくるご主人に当てつけるようにしていた散財もなくなってきて、夫婦はとてもよいバランスをもつようになったのです。

つまり、パートナーシップがイコールの関係になってきたのです。

読者のみなさまに気づいていただきたいのは、あなたがなにか一つのことにかたくなになっていると、あなたのパートナーはそれに相反する要素をもちはじめるということです。

そうやって、男女関係のバランスをとろうとするのです。

だったとすれば、あなたが変わることで、パートナーのパターンを変えることもできるわけです。

 

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

 

※次回は2022年1月11日に更新します。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。