自分の男性性・女性性に見合った人に恋をする
◆男性性・女性性の見本は誰?
まずは、男性性・女性性の性質をキーワードであげてみます。
男性性の性質は「力強さ・責任感・たくましさ・包容力・与えること・粘り強さ・リーダーシップ・論理的思考・決断力・行動力・持続力・推進力・発言力・大胆さ・計画性・合理性・客観性・自己主張・冒険・リスクをとること」などがあげられます。
女性性の性質は「やわらかさ・ぬくもり・包み込む・慈愛・献身・サポート・理解すること・受け取ること・感情・直感・美しさ・母性的・育む・順応性・適応力・純粋さ・共感・傾聴・情緒・流れにのる・ゆだねる・癒し」などがあげられます。
私たちの男性性・女性性の原型、つまりモデルとなる人は、お父さんお母さんです。とはいえ、必ずしも親と同じような性質をもつようになるとは限りません。
たとえば、暴言を吐くような荒々しい父親と苦労性で犠牲的な母親のもとに生まれた娘は、幼少期から母親を守ろうとしてきたので極端に男性性を伸ばす場合があるのです。
これはお母さんの男性性が極端に弱いので、それを補うように娘の男性性が強くなり、家族としてのバランスをとっている例です。このように親とは異なる性質を伸ばしていく場合もありますが、育った環境の影響は大きいようなのです。
◆パートナーシップはバランスの法則からなりたっている
ここからが今回の本題になりますが、パートナーシップにはバランスの法則があり、自分の男性性・女性性に見合った人に恋をするといわれています。
たとえば、世の中を見回してみると「逞しくて力強い人」と「穏やかで愛情深い人」がお付き合いしたりしていませんか?男性性豊かな人の隣には、女性性豊かな人がいることが多いのです。
また、男性性と女性性の差があまりない場合には、中性的な雰囲気になります。中性的な人は中性的な人とお付き合いすることが多いかもしれません。昨今このケースもとても増えています。
バランスの法則からいうと、自分に見合う人を選んでいることになるのですが、私たちは自分の男性性・女性性を何らかの理由により抑圧してしまうことがあります。自分の「性」をあまりよくないものだと思っているとか、性的に子供の自分ではいられるけれども、大人の自分になることに抵抗をもっているような場合です。
すると、本来は豊かな女性性をもっているにもかかわらず、その女性性を抑圧していると、同じように男性性を抑圧している男性が引き寄せられるという現象が起こることがあります。
本来はとても頼もしい男性が好きなのにもかかわらず、甘え上手な男性ばかりがアプローチして来るようになります。ですが、本来の自分のバランスではないので、お付き合いをしてみると「物足りない」「何かが違う」と感じてしまうこともあります。
そうなると「じゃぁ、本来の女性性のバランスに戻せばいいのね?どうやったら女性性を上げることができるの?」と言いたくなることでしょう。
カウンセラーがまず聞くのは「お母さんとの関係性はどうでしたか?」ということです。女性性の使い方はお母さんをモデルにしていることが多いので、お母さんとの関係性はどうしても避けて通れない部分だからです。
◆女性性を上げる鍵はお母さんとの関係にある
私たちが成長していくプロセスで、お母さんにガッカリした分だけ、お母さんから離れたくなります。つまり、お母さんに対して「ああなりたくない」と思った分だけ、心理的には女性性との距離ができてしまうのです。
たとえば、「お母さんが感情的な人だったから、私は穏やかな人でいたい」「お母さんが過干渉だったので、私は相手の自由を尊重してあげたい」「お母さんは泣いてばかりいたから、私は男に泣かされるのはまっぴらゴメンだ」などの経験があったとします。
すると、お母さん的な性質を心の中で否定するようになります。自分の中にある「お母さん的な女性性の性質」については、無自覚に制限がかかるようになるのです。ですが、お母さんの感情的な部分は情熱的なところでもあるし、過干渉な部分は親密さでもあるし、泣いてばかりのところは反応力でもあるのです。
つまりは女性性を上げたいと思ったら、お母さんを承認する気持ちが必要で、お父さんもまた同様です。それについてはシリーズ次回に引き継ぐことにいたしましょう。
(続)
1.男性性・女性性を整えると人生が整う
2.男性性・女性性からみるパートナーシップのバランス
3.女性性のハートブレイクを癒すために
4.男性性と女性性のアンバランスさを整えるために