子どものことで、悩んでいる時
自分のことで、悩んでいる時
両方辛いものですが、子どものことのほうが、キツいと感じる方が多いのではないでしょうか。
なぜなら、自分のことなら、我慢がきいたり、コントロール出来たり、自分でなんとかする道があるからですよね。
ところが、子どものこととなると、自分のことのように手出し出来ないことも少なくありません。子どもが大きくなれば、その度合いは大きくなるのではないでしょうか。
手を離して、見守ることが必要になればなるほど、親ができることは少なくなっていきます。
でも、その分、こちらも辛抱が必要になるんですよね。
手や口を出さないって、心配なだけ、キツく感じるものかもしれませんね。
■大きかった父からの影響
こんな思い出があります。
私の父は、頑固で、急に怒ったりするので、ずっと怖いって思っていました。
その父が大好きだったのは、ジャイアンツ。
シーズンが始まると、1台しかない居間のテレビは、ずーっと野球。チャンネル変えさせてくれない父に、子どもの頃の私は腹を立てていて、「野球なんかだいっきらい!」ってずっと思っていました。
でも、おもしろいことが起こったんです。
高校生になった頃、友だちから、好きな野球チームを聞かれたんです。
「ジャイアンツ」
すかさず、そう答えた自分の言葉に、「え?」と思ったのは、私自身でした。
友だちは、どこか他のチームが好きで、あれこれ話しかけてくるんだけど、よくわからない。でも、ジャイアンツのことは、私、結構知ってたし、ルールもわかってた。好きな選手までいたりして。
あんなに嫌だった野球なのに。
■親という存在は上の方にある
親というのは、当然のことですが、子どもよりも、何十年分も長く生きています。
子どもと比べたら、視野も広いし、経験もある。経済力も、腕力も、知識も、当然大きいですよね。
そんな大人の人間が親であるわけですから、子どもからしたら、親のことって、ずいぶん下の方から、見上げているようなところがあるかもしれませんよね。
ということは、その親が言うことって、すごく影響力があるようです。
子どもの頃の私も、好きな番組が観れなくなる、あの父の野球のことだいっきらいだったはずなのに、父の言うことは、なんだか素直に聞き入れていて、野球ならジャイアンツ!って思っていたんですよね。
どこかで、「お父さんは絶対」みたいな思いがあったようです。
そのくらい、影響を受けていたんですね。
親というものは、子どもにとっては、そんな存在だと言えそうです。
■親になった自分という影響力
私たちが親になるといっても、子どもが生まれた瞬間から、必死に子どもの命を守りながらの子育てがスタートしています。
すると、自分が、子どもにとって、どのくらい大きな、絶対的な存在かということに関しては、案外、気がついていないことが多いのではないでしょうか。
でも、私たちの言葉、考え方、立ち振る舞い、感情や何もかも、子どもは、一番近くで見て、感じています。親からの影響を、ずーっと受けて育っていくんですよね。
私たちがそうだったように。
■光を見続けてあげよう
こんなお話をすると、背筋が伸びるような気持ちになりますよね。
子どものことで悩んでいる時に、どうして、自分のことで悩んでいる時より、キツイんだろうって、先ほどお話ししました。
実はそれは、私には、この子にこれ以上、何にもしてあげられない、何にも出来ないって感じているからなのかもしれません。
でも、それは誤解ということは、おわかりですね。
親の影響は、子どもにとっては、とてもとても大きいようなのです。
できることがあります。
子どもの中の「光」、子どもの未来の「光」を見続けてあげることです。
「光」って、いろんな言い方ができます。
可能性、魅力、才能、力・・など、問題や不安ではなく、「光」を親であるあなたが見てあげることに、とても意味があるんです。
■子どもが自分を良いものだと思えるように
ちょっとイメージしてみてください。
目を閉じてもいいですよ。
あなたは、とっても気持ちの良い場所で、リラックスしています。
向こうから、子どもが歩いてきました。
ゆっくりと落ち着いた様子で、微笑みながら、あなたの少し前で立ち止まりました。
子どものこと、見てあげてくださいね。
どんな思いが浮かんでくるでしょう。
子どもは、どんなふうに見えますか。
あなたが育てている、かけがえのない存在を前に、あなたの心に浮かぶ思いを、ひとつひとつ大切に、子どもに伝えてあげてみてください。
あなたが子どもに、大切だと伝える度に
あなたが子どもに、大好きだと伝える度に
子どもは、自分のことを良いものだと思うようになるでしょう。
子どもにとって、大好きで、大切で、大きな存在であるあなたが良いと言ってくれたから。
それが、彼らの生きる力になります。
永遠に続く、大きな力です。
イメージの中でやってみた後、照れ臭いかもしれませんが、子どもに実際にも、伝えてあげてみてください。
あなたからの良い影響は、柔らかな子どもたちの心に、すっと沁みていくことと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お役に立つことがあれば、嬉しいです。
来週金曜日は、小川のりこカウンセラーがお送りします。
どうぞお楽しみに。