「仕事がきちんとできないんです」
「自分がちゃんとできてないんじゃないかと不安になる」
誠実に仕事に取り組むことは大切です。
でも、いつも「できていないんじゃないか」という不安や「ちゃんとやらないといけない」というプレッシャーにさらされているとしたら、しんどいものです。
ストレスにさらされ続けると、仕事自体を続けることが難しくなってしまいます。
今回は、こういった「ちゃんとやらないといけない」というプレッシャーが強すぎる場合の対処法についてです。
◆「きちんとできてない」と思う時に起っていること
例えば、最初にあげた「ちゃんとできない」というお悩みに対して、「そのことで上司や先輩に指摘や注意されましたか?」とお伺いすると、そういうことはあまりなく、自分でそう思っていることがほとんどです。
自分の中の「こうあるべき」基準に自分が達していないので、「できてない」と感じているのです。
完璧主義の人ほど、基準を高く設定して自分を追い込み、責めがちです。
あなたの中に完璧主義な部分はありませんか?
もちろん、自分の中の基準や理想をもって、「きちんと仕事をしたい」と思うのは大切なことです。
仕事の内容によっては、100%でないといけないこともあります。
ただ、「ちゃんとやらないといけない」という不安やプレッシャーが強くなりすぎると、かえって集中力が落ちて、ミスが多くなり、本来の能力が発揮できなくなるものです。
例えば、私も「絶対ミスをしてはいけない」とガチガチになって1個1個細かくチェックするけど、ミスがなくならなかったということがありました。
そんな時に、上司から「リラックスして、ざっと見た方が、ミスは気づきやすいよ」とアドバイスをもらったことがあります。
私たちは適度にリラックスしている方が、一番パフォーマンスがあがるのです。
◆完璧主義なら基準をゆるめる
「できていない」と思うのは、完璧にやらないといけないと基準を高く設定しすぎているか、もしくは、プレッシャーが強すぎて、本来の能力が発揮できていないのかもしれません。
そんな時に効果的なのが、あえて基準を低く、例えば、大体80%を目指すということです。
この80%ときいて、高すぎると思うならいいのですが、それでは足りないような気がすると感じるなら、完璧主義の傾向があるかもしれません。
もちろん、仕事上100%が必要な場合もありますが、80%ぐらいでよいとされる理由は色々あります。
例えば、余程明確な基準がない限り、人によって「これで100%完璧」というのは、違ってきます。
あなたが、100%だと思っても、例えば、上司にとってそれは80%である可能性もあります。
それだったら100%完璧にして見せるよりも、70-80%の状態で見せて、修正した方が時間も短縮できて効率的だという考え方です。
また、ある仕事の成果の80%をあげるのには、仕事全体にかかる時間の20%があればできると言われています。
ただ、これを80%から100%にするには、その4倍の時間(全体の80%)がかかってしまうということです。
それぐらい完璧にするには、時間がかかってしまうのです。
仕事となると、時間を無制限にかけてよいということは少ないはずです。
さらに、完璧主義な人にとっては80%だとしても、他の人にとってはそれが100%、120%であることも多いのです。
自分の基準と他人の基準は違うと知っておくことは、どんな場面でも大切です。
◆自分ができているところに意識を向ける
自分に厳しい人、完璧主義の人は、自分ができてないところばかり目について、自分ができている部分については、「当たり前だから」評価していないことがほとんどです。
99%できているのに、たった1%でもできていないと、「完璧ではない」と気になって、自分を責めてしまうものです。
ですので、あえて自分ができていることに意識を向けることが大切です。
◆最後に
「できてない」から「できるようにしよう」と考えるのは大切なことです。
ただ「できてないんじゃないか」と不安にずっとさいなまれ、過度に自分を責めることは、かえってあなたの集中力や能力、モチベーションを下げてしまいます。
もし、あなたがそういう状態にあるなら、基準を厳しくしすぎていないか、完璧主義にはまっていないかチェックしてみて、基準を少し下げたり、自分ができている部分を意識してみませんか?