好きなことをすると人は魅力的になる
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
「恋すると人は美しくなる」とはよくいわれますが、私たち人間は、好きな人のことや、好きなもののことを考えているとき、とても魅力的になるようです。
そして、それはどうやら、あなたの気分と関係があるようなのです。
アニメでも、登場人物が落ち込んでいるときは、暗いオーラが出たり、顔にタテ線が入ったりしているような絵になりますよね。
一方、おかあさんがケーキを買ってきてくれたというようなシーンでは、登場人物もキラキラと光り輝き、目がパッチリと開き、エネルギーが放出されるような絵が描かれます。
好きなものに出会ったときのあなたも、まさにそんなふうに光り輝くのです。
ある航空会社の人に聞いた話なのですが、ヨーロッパ便やニューヨーク便などの長距離国際路線の場合、日本からの出発便では、なぜかクレームが出ることはほとんどなく、一方、現地から日本に帰ってくる帰国便はクレームがよくあるらしいのです。
なぜなら、出発便には、「これから旅行で大好きな場所に向かう」という喜びがありますから、それが人の気分をよくし、寛容な気持ちにもさせるようなのです。
ところが、帰国便では、旅行の楽しみが終わろうとしていますので、狭い機内に閉じこめられていることも大きなストレスに感じられ、私たちも気分を悪くしやすいというのです。
うちの奥さまはお買い物が大好きなのですが、わが家の近所にアウトレットモールができたとき、オープン前の入場チケットを手にし、3時間も並んでいたことがありました。
「3時間も並ぶなんて、なぜ、そんなことができるの?」と聞いたところ、「大好きなものを目の前にして、入場時間がどんどん迫ってくる、あのかんじがたまらない」ということでした。
ちなみに、その前日、うちの奥さまの機嫌はすこぶるよかったことを、ここに報告しておきます。
どうも、男女関係のみならず、あなたが好きなことに打ち込んでいるときは、ふだんと同じような自分であるにもかかわらず、まわりの人からは光り輝いて見えるようです。
ということは、その状態のときこそ、あなたの魅力がいちばん溢れているのですから、あなたは異性から恋をしてもらいやすい状況にあるともいえるわけです。
私どものカウンセリングのクライアントだった北海道のある女性は、日本ハム ファイターズの大ファンでした。
彼女はファンクラブに入り、日々、応援に励んでいたのです。
野球ファンには男性のほうが圧倒的に多いので、彼女はなにかとメンバーにかわいがられていました。
そして、そのなかでは比較的無口でカッコよかったいまのだんなさまとめぐり逢ったのです。
野球ですから、当然、勝ったり負けたりするわけです。そのたびに、彼女は彼の前で、いろいろな感情表現を見せました。
しかし、彼ときたら、北海道の男性らしく忍耐強く、あまり感情表現はしないほうのタイプでした。
人間は、自分にないものをもっている人に好意をもつといわれています。
つまり、彼から見た彼女は、感情表現が豊かで、そこがとてもかわいく感じられたようです。
そして、ある日、日本ハムが2-0で負けていたときのことです。
2アウト満塁になり、バッターはクリーンナップの主力。
そんな逆転の大チャンスに、このバッターは見送り三振をしたのです。
当然、応援団のメンバーには、「ああ~~、なんてこった~~っ!」とため息とともに失望感が広がります。
しかし、そんななかで彼がひとこと、「こんなときにこそ、応援するのが応援団だろう!」と一人応援を始めたのだそうです。
その姿に彼女が惚れ込み、まもなく二人はつきあうことになったのです。
その奥さまが、なんで私どものカウンセリングを受けにいらっしゃったかというと、当然、夫婦仲がうまくいかなくなったからなのですが、その奥さまがいつもおっしゃることが、「応援団にいたころの私たちが、いちばん光り輝いていた」ということでした。
でも、赤ちゃんが生まれて以来、すっかり応援には行けなくなっていたのです。
そこで、私はこう提案しました。
「お子さんはご実家にでも預けて、久しぶりに二人で応援に行ってはどうですか?」
そうして、ふたたびスタンドに戻られた奥さまは、日ごろのストレスをおおいに晴らし、しかも、その日、チームが勝ったこともあり、ご主人のことが大好きだったころのあの懐かしい感覚までも取り戻せたようで、なんとか二人の危機も回避することができたのです。
そう、恋の大チャンスは、あなたが大好きなことをしているときや、大好きな場所にいるときこそ、やってくるのかもしれませんよ。
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!