人付き合いに苦手意識があるときには、周囲に過剰に合わせすぎているかもしれません
こんにちは。
今日の心理学講座はカウンセリングサービス『服部希美』が担当します。
パートナー、恋愛、職場、取引先、家族、友人、お子さんがいらっしゃる方であれば、子供に関する人付き合い。
社会で生きていると、避けては通れない「人付き合い」に悩む人は多いのではないでしょうか。
大きなトラブルがあるわけではないけれど、人と会った後になぜか疲れ切ってしまう。正直、人付き合いが面倒臭いと感じてしまう・・。
こういうとき「自分は人に合わせられない自分勝手な人だから、うまくいかないんだ」と感じる方もいらっしゃると思うのですが、実は、逆のことが起きていることも多かったりするのですね。
*周りに合わせなきゃと思いすぎていませんか?
私たちは、社会のルールを守ったり、相手に合わせたり思いやったりすることを通じて、信頼関係を築いていったり、場に適応しようとします。
たとえば仕事であれば、職場のルールを守ったり、職場や取引先の人とうまくやっていけるよう自分の心に折り合いをつけたり、求められる「いい社員・いい後輩・いい上司」を引き受けたり、期待に応えられるよう努力したりしますよね。
友人関係であれば、相手に話を合わせたり、自分の欲求を飲み込んで相手に譲るということも起きたりします。
真面目で誠実であったり、輪や人を大切にする方ほど、自分のことは横に置いておいて、周りを優先したり合わせたりすることが多いかもしれませんね。
それ自体が悪いわけではないですし、大切なことなのですが「環境や周囲に合わせて適応をする」ことばかりに重点を置きすぎて、度を越してしまうと、心や体のバランスが崩れてしまうことがあるのですね。
これを「過剰適応」といいます。
自覚ができていればまだいいのですが、その生き方が当たり前の中でやってこられてたりすると、反射的に相手や場の空気や流れに合わせてしまったり、我慢や遠慮をしていることすら気づかないこともあったりします。
人に会った後に、どっと疲れが出る。ひとりになってから「なぜか」モヤモヤする。相手はとてもいい人なのに、誘われても会う気になれない。予定の直前に体調を崩してしまったり、動けなくなってしまう・・こういうことが起きてはじめて、自分が合わせすぎていたことに気づく、ということも起きたりするようです。
ですから、もしも思い当たる方は、人付き合いの中で無理をしすぎていないか、合わせようとしすぎていないか、チェックしてみるといいかもしれませんね。
*周囲と自分とのバランスを整えてみる
周りを尊重し合わせることと、自分を大切にすることは同じぐらい大切なことです。
このバランスが崩れているときには、いままでの自分の頑張りを認めてあげた上で、自分に意識を向け戻る時間を積極的に作り、バランスを整えていきましょう。
たとえば、ご飯をよく味わって食べてみたり、ゆっくりお風呂に入ってみたり、マッサージを受けたり、自分の体に目を向ける時間を意識的に作ってみたり、日々のルーティーンを「自分のために」すこし丁寧にやってみましょう。
外にばかり意識が向いていると自分のことを蔑ろにしてしまいがちですから、自分を大切する時間を意識をして作ってみるといいですよ。
また、寝る前に、今日できたことを3つ書き留めて、自分の頑張りを認めていくのもいいと思います。
過剰に適応しようとする背景には「ありのままの自分では役に立てない」とか「ありのままの自分では愛されない」といった思い込みがあることが多いようです。
無理に合わせたり頑張りすぎなくても十分によくやっているし、役に立てているということに気がつけるといいですね。
そして、もしあなたが人の意見に合わせすぎてしまったり、我慢しすぎたり、自分の欲求を伝えることができない自覚がある場合は、すこしづつ「自分の気持ちも伝える」ことを練習していきましょう。
ポイントは、伝える時に「私は、こう思うのだけれどどう?」と主語を自分にして伝えること。
そうやって自分の欲求や感じていることを伝えられるようになってくると、すこしづつ気楽に人と過ごせるようになってくることが多いですよ。
周囲に合わせるのがあまりに当たり前になっていると、周囲の人も、あなたが周りに合わせていることに気づいていないことも多かったりしますから、少し勇気が必要ですが、できるところから自己表現してみていただけたらなと思います。
参考になれば幸いです。
(完)