●プレゼン、発表が苦手●
仕事をしていると、少なからず人前で発表する場面があります。
・プレゼンテーション
・講演・スピーチ
・企画を提案する
・面接を受ける
・会議で発表する
人前で話すのが苦手な人は意外と多いもの。
大勢に向けた発表はもちろん、少人数の会議でも緊張して意見が言えなくなってしまう方もいらっしゃるでしょう。
周りからは得意そうに見えても、本当はあがり症だというお話も聞きます。
研究職でふだんはデスクワークだが、研究結果を発表する必要がでてきた。
リーダー職になって、チームの会議を取り仕切らなきゃいけなくなった。
このように、得意不得意にかかわらず、仕事上どうしても人前で話さなきゃいけない場面もありますよね。
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私は前職のとき、クライアントへの提案、会議のファシリテーション(運営・進行)、講演、社内発表など、毎週のようにプレゼンする機会がありました。
それでも、何度もやっても慣れず、毎回震える手を握りしめて臨んでいました。
聴衆の表情が険しい気がして、どんどん声が震えてしまった。
発表してるうちに、自分でも何を言いたいのか分からなくなってしまった。
質疑応答で想定外の質問を受けて真っ白になってしまった。
そんな苦い経験もあります。
上司や先輩からは「経験だよ」「場数をふめば慣れるよ」と励まされても、やらなくてすむならやりたくないよ…と思ったのが正直なところ。
逃げてしまいたい気持ちと隣り合わせで、準備したり、本番に臨む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、どうしたら、少しでも楽に人前で話せるようになるのか考えていきます。
●人前で緊張してしまう理由●
なぜ人前で話すのに緊張してしまうのでしょうか?
まず、緊張自体は悪いものではありません。
緊張するのは、それだけ自分にとって大事なことで、真剣に取り組んでいるからこそ、起きるものでもあります。
そもそも「成功させたい」「うまくやりたい」と思わなければ緊張もしません。
また、適度に緊張している方が、人は集中できて、高いパフォーマンスを発揮できます。
自分が緊張しているなと感じたときには、「緊張してもOK」と、その状態を受け入れてあげることが大切です。
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とはいえ、極度に緊張してしまうと、ふだんならできることもできなくなってしまいます。
「うまく話せなかったら、恥をかいてしまうかもしれない」
「自分の話を分かってもらえなかったらどうしよう」
「期待に応えないとガッカリさせてしまうかもしれない」
「否定されたり、批判されるかもしれない」
「大事な場面だから失敗したくない」
緊張が強くなりすぎているとき、心では不安や怖さを感じています。
恐れている状況に陥らないように、「うまくやらなきゃいけない」「自分をよく見せなければいけない」と身構えてしまうのです。
このとき、目の前の聞き手にたいして、自分の粗探しをしてくるような敵のように感じています。
例えば、家族や仲のいい友人など、気安さを感じる相手の前ではリラックスして話せるものです。
それは、自分がどんな話をしても、相手は受け入れてくれる味方だと安心できているからです。
もし、プレゼンや発表の場で、自分が親しみを感じられる人がいたら、その人を見ながら話してみるのも良いでしょう。
私自身も、知り合いがいるときには、「すごく緊張しているので、不安になったらあなたの方を見るかもしれません。もし私と目があったら、相槌をうってほしいです」とお願いすることがあります。
そうすると、応援してもらえることが多いのです。
一人でも、自分を理解してくれる存在、応援している味方がいると感じられると安心感を持ちやすくなります。
●「見られる側」から「見る側」へ。意識を外に向ける●
緊張と上手に付き合っていくには、「見られる側」から「見る側」に意識を向けることです。
緊張しているときは、「他人にどう見られているのか」どうしても人の目が気になってしまいます。
このとき、人の目を気にしているようで、実は、自分にばかり意識が向いています。
「うまくできるだろうか」
「話す内容がとんでしまわないだろうか」
他の誰よりも、自分が自分を一番厳しくチェックしているのです。
みなさんも、他の人が話しているときはそこまで気にならないけど、自分が話す側になるとものすごく注目を浴びているように感じられたことがあるかもしれません。
これは、自分が自分に注目している分だけ、周りの人も同じように自分に注目するはずだと感じてしまうからです。
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「見られている」意識が強くなっているときは、あえて「見る」意識をもつといいでしょう。
「何を伝えたら、この人の役に立てるだろう?」
「この人はどんな話を聞きたくて、この場にいるだろう?」
こんな風に、相手に意識を向けてみます。
相手を理解しようとすると、自然と意識が自分の外側に向かっていきます。
「自分が失敗しないように」と思っているときよりも、「相手に何かしてあげるために」と思った方が、勇気も出てきやすくなります。
私自身も及び腰になってしまうときには、「見られる自分」よりも「相手を見ること」を考えるようにしています。そうすると、緊張はあっても、それなりに話せるのです。
以前は、聞いてくれる人が険しい顔をしていると、「私の話がつまらないからだ」と否定的に解釈していました。
でも、「今の話は分かりにくかったかも。じゃあ、例え話を入れてみよう」と、伝えることに集中できるようになっていきました。
また、もしそれで、言い間違えたり、失敗してしまったとしても、相手のことを考えてやったことであれば、「次はこうしてみよう」と前向きに受け止めやすくなったりします。
もし緊張でいっぱいになったときには、自分よりも相手に意識を向けることを、思い出してみてくださいね。