5年前の経験から好きな人に気持ちを伝えられない

相談者名
さとこ
5年前、誰かわからない人から一方的に好意を寄せられ、無理やり首に抱きつかれてキスをされました。それ以来「警戒が足りなかった私が悪い・私がおかしい」そう思いつづけ、逆に「自分がそういう対象に見られるわけがない。女としての魅力はない。」と無意識の内に思い込むようになりました。
好きな人が出来ても、あのとき私が感じたことと同じ気持ちにさせてしまうんじゃないか、それが怖くて気持ちを伝える事が出来ませんでした。
この間初めて好きな人に気持ちを伝えれました。結果は振られたんですが、少しだけ何か乗り越えれたような気がして満足でした。
ですが、後日その彼から手を握られ、5年前と同じ恐怖を感じました。彼の気持ちが理解できなくて混乱したのもあるんですが、それ以上に触れられてる事が怖かったんです。本当は複雑ながらも嬉しかったのに、嬉しいと思った自分が何故かすごく許せなくて、ひたすら怖くて動けなくなって震えが止まりませんでした。数日後、歯止めが利かなくなり「振ったくせにどうしてあんなことをするんだ」と、八つ当たりのように支離滅裂に責めつづけてしまいました。
そんな自分をまた責め、自己嫌悪に陥り、冷静になれるまで2ヶ月かかりました。冷静になれた今、彼に謝りたいと思うのですが、謝るにはやっぱりこのことを話さないとうまく説明できない。でも彼との今の関係上ヘタに話すと重いと感じられてしまうのではないかと、ためらっています。もうどうすればよいのかわからなくなってしまって、辛いです。冗談とかのノリならば触られることは全然平気なんです。
でも、それ以外ではまったくダメなんです。
満員電車で仕方なく密着状態になってしまうのも怖いので
公共の乗り物に乗るのにもすごく勇気が要ります。
好きな人から触れられる事でさえも異常なまでの恐怖を感じたので、
このままだと男性とお付き合いできることもなく死んでいくんじゃないかと
とても不安なんです。だからこそ、責めてしまった彼に話して謝ることで、
異性に対する恐怖を またひとつ乗り越えたいんです。
それは私の一方的なわがままでしょうか。
彼に私の重荷を押し付けてしまう事になってしまうんでしょうか。

(長くなってしまい申し訳ありません。)

カウンセラー
根本裕幸(退会)
さとこさん、こんばんわ。根本です。
お待たせしました。
ご相談、ありがとうございます。さとこさんは、とても繊細な心をお持ちのようですね。
それゆえに、きっと必要以上に自分の感情を抑えてしまうことも多いのではないでしょうか。

> 5年前、誰かわからない人から一方的に好意を寄せられ、無理やり首に抱きつかれてキスをされました。それ以来「警戒が足りなかった私が悪い・私がおかしい」そう思いつづけ、逆に「自分がそういう対象に見られるわけがない。女としての魅力はない。」と無意識の内に思い込むようになりました。

それは酷い経験だったと思いますよ。
ある意味では“襲われた”感覚すらあるのではないでしょうか。

でも、自分をついつい責めてしまうようなプログラムが心に埋め込まれているような感じってしないでしょうか?
何かがあると「自分が悪い」という風に感じてしまう仕組みがあるような気がしますね。

ちょっと今、勇気を持ってその当時の気持ちと向き合ってみましょう。
もしあまりに怖い気持ちが出てきたら、それは一人で扱うものではなく、カウンセラーや信頼できる友達と一緒に扱うものだろうと思いますから、決して無理はしないで下さいね。

その5年前の酷い出来事があったとき、どんな気持ちがしたんでしょうか。
一つは恐怖心がありますね。
もう一つは嫌悪感もあったかもしれません。
気持ち悪いような感じ。

今思い出せる範囲でいいですから、その時の状況を振り返って見ましょう。
そして、そのときの気持ちをただ感じてみてください。
恐怖に震えていた自分がいたのであれば、当時はそんな自分を責めてしまったけど、今は優しく接してあげて欲しいんです。
もちろん、できる範囲でね。
セラピーでも実際、そんな感情的な再体験を通じてこの痛みを手放していくことが出来ます。

でも、知らない人に見初められるということは、それだけさとこさんが魅力的って証拠ではないでしょうか。
でも、その一方で、自分を魅力的な女性だと認められない自分もいらっしゃるのかもしれませんね。

> ですが、後日その彼から手を握られ、5年前と同じ恐怖を感じました。彼の気持ちが理解できなくて混乱したのもあるんですが、それ以上に触れられてる事が怖かったんです。

5年前の体験がやはり男性に対する恐怖心を植え付けてしまったのでしょうか?
だとしたら、その経験ってやはり、本当に恐ろしいものだったのではないかな。
そこでは本当に責められるようなことではなくて、優しくしてあげたいところですね。

ただ、この二つの経験から、何かしらさとこさんの雰囲気に男性をそんな気にさせる心の隙間があるのかもしれません。
その隙間は、普段の自分が何かに無理をしていたり、過剰にある種の感情を押さえ込んでしまっているときに出来るものです。

以前、何度もレイプされた経験をもつ女性をカウンセリングしたことがあるのですが、彼女はとても魅力的にも関わらず、決して自分のその魅力や色気を認めようとはしませんでした。
そうして、そんな魅力的な部分をものすごい力で心理的に抑圧されていたんです。
“隠されると見たくなる”って法則が心の世界にはあるんです。
同様に“禁止されると欲しくなる”って似たような法則も。
吉本新喜劇などでもありますが、押入れの前に立って「ここには何もありませんからね。見ちゃダメですよ」っていうシーン、見られたことってないでしょうか。
怪しすぎるんです。

信じられないことかもしれないけれど、自分の魅力やセクシャリティを必要以上に抑圧してしまうと、逆にそれが周りに透けて見えてしまうことがあります。

さとこさんの場合は先ほど紹介した女性のような極端ではないかもしれないけれど、何か自分の魅力を抑圧してしまっているところがあるのかもしれませんね。
それが知らぬ間に隙となって、男性にふっと近寄られる結果を招いてしまうのかもしれません。

もちろん、実際にお会いしてお話しを伺ったわけではないですから、これは一つの例に過ぎないと思ってくださって結構です。自分の場合はどうだろう?ってちょっと思い巡らせて見てください。

> 本当は複雑ながらも嬉しかったのに、嬉しいと思った自分が何故かすごく許せなくて、ひたすら怖くて動けなくなって震えが止まりませんでした。数日後、歯止めが利かなくなり「振ったくせにどうしてあんなことをするんだ」と、八つ当たりのように支離滅裂に責めつづけてしまいました。

彼を責めてしまうくらい、自分を責めてしまったのではないでしょうか。
どうしてそんな自分を許せないのでしょうね。

> そんな自分をまた責め、自己嫌悪に陥り、冷静になれるまで2ヶ月かかりました。冷静になれた今、彼に謝りたいと思うのですが、謝るにはやっぱりこのことを話さないとうまく説明できない。でも彼との今の関係上ヘタに話すと重いと感じられてしまうのではないかと、ためらっています。もうどうすればよいのかわからなくなってしまって、辛いです。

まずは、そんな気持ちに自分自身が素直になってみましょうね。
彼に謝りたい気持ちがあるということは、彼に申し訳ない気持ちでいっぱい、ってことですよね。
そして、それを話すと重たく感じられるんじゃないかな?って心配し、不安になっていますよね。
そしたら、まずはお手紙にその気持ちを表してみましょう。
1回目のお手紙は彼には出さないって決めて書いてみてください。
そして、その手紙を翌日また開封して自分で読み直してみてください。
重たいかな?と思えば、またその個所を書き直してみましょう。

そうして、2回目の手紙を書いてみます。
これは実際に彼に送るつもりで。
もちろん、彼の住所がわからなかったりしたら、投函しなくてもいいですからね。

こうして何度か言葉にして表現してみると、自分の抱えていた気持ちが少しずつ楽になっていきます。
それが何よりも大切なことですね。

もしやっぱり直接伝えたい場合や、自信がない場合には、カウンセリングを無料のものでも、面談でも何でも結構ですから、自分のために利用してみてください。
そして、その中で実際にその言葉を伝える練習をしていきましょう。
一度感情的に体験するだけで、やはり自分の気持ちが少し解放されますから、その分、彼に重たい思いをさせなくて済むようになりますね。

> 好きな人から触れられる事でさえも異常なまでの恐怖を感じたので、
> このままだと男性とお付き合いできることもなく死んでいくんじゃないかと
> とても不安なんです。だからこそ、責めてしまった彼に話して謝ることで、
> 異性に対する恐怖を またひとつ乗り越えたいんです。
> それは私の一方的なわがままでしょうか。
> 彼に私の重荷を押し付けてしまう事になってしまうんでしょうか。

じゃあ、せっかくの機会ですから、先ほどの方法を少しアレンジして紹介しますので、実際にやってみて下さいね。
これはイメージを使った簡単なセラピーです。
ちょっと彼を想像してみてください。
そして、彼の顔をちょっと見つめてみてください。
そのとき感じる気持ちをただ感じてみましょう。
どきどきする気持ち、不安な気持ち、申し訳ない気持ち、ただそのときの感情を感じてみましょう。
そして、ただその気持ちをイメージの中で彼にコミュニケーションしてみてください。
ありのままの気持ちをできるだけ素直に言葉にしてみてください。
もし、声を出しても大丈夫そうでしたら、小さい声でも発してみるほうが効果的です。

そうして少しずつ彼への重たい気持ちを処理していきましょうね。
(もちろん、彼がそれを重たくとるかどうかは分かりませんけどね)

男性への恐怖心を乗り越えたい気持ち、僕も応援しています。
ステキな恋を楽しめるように、少しずつチャレンジしていきましょうね。
僕にお役に立てることがあれば、また機会を改めて声をおかけください。
扉はいつでも開いていますから、ご遠慮なく。

ありがとうございました。

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