大人らしくふるまうことが、もっとも自然
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
日本の男性の多くは、女性に関して人見知りといえるようです。
最近、草食系という言葉がよく使われますが、この言葉はほとんどの場合、男性について使われることが多く、草食系女子という言い方はまったくといっていいほど聞いたことがありません。
それどころか、最近の女性たちは、肉食系を越え、たとえは悪いですが、“野獣化”しているという報告も男性陣から聞くことがあるほどです。
雑誌一つとってみても、相も変わらず、若い女性のヌード・グラビアばかり掲載している男性誌に対し、女性誌はあの手この手でセックス特集を組んでいますから、知識面においても、女性は男性以上に性のことに詳しくなっているようです。
そして、その一方で、女性陣にとりのこされたかのような、大人になりきれない少年のような男性たちが、とても多数存在しています。
心理的には、“女性=母親”というイメージが強く、ついつい女性に依存してしまう男性が増えているわけです。
そのような場合、「なかのよいカップルで、まだ若いのにセックスレス」という問題がつきまとうことが、どうも、多いようです。
私たち人間は、思春期に反抗期という時期を経るものです。
この時期、親をすごく嫌うことにより、ずっと向けていた親への愛情を異性へと切り替えます。
そして、人生におけるいちばん大事な目的を、「親に愛されること」から、女性のみなさんであれば、「彼に愛されること」へと大方向転換するわけです。
これは、動物の世界とはだいぶ異なります。
たとえば、ネコであれば、親ネコは子ネコを文字通り“猫かわいがり”して育てます。
ところが、子ネコたちも7カ月ほどに成長すると、おしりからオスやメスのフェロモン出しはじめます。
親ネコはそのにおいをかいだ瞬間に、子ネコを半殺しの目に遭わせます。
そして、子ネコは殺されたくないがために、親ネコから離れ、自立していくのです。
しかし、人間の親は自分の子どもをこんなひどい目には遭わせません。
そのため、性的に成熟してくる中学生ぐらいになると、子どものほうから親を嫌ったり、自分を隠したりということをするようになるわけです。
たとえば、女性のみなさんがシャワーを浴びているとき、おとうさんがいきなり浴室に入ってきて、「おれのヒゲそり、あるかな?」などと言おうものなら、あなたは間違いなく、おとうさんを半殺し、いや、全殺しにしてしまいますよね。
このとき、なぜ、これがいやなのかというと、ほかでもない、「大人の体になったのを、おとうさんに見られるのがいや」なのです。
そう、なぜか、私たち日本人の心の中には、「なにも知らない子どものままでいるほうが、親は喜ぶ」という感覚があるようです。
そして、男性も女性もそうなのですが、「性的である自分」を親の前から隠すことにより、以前のままの親子関係を保ち、親を喜ばせようとするわけです。
そして、そんな思い込みがあるので、彼や彼女の前でも、自分が性的になることが、ものすごく悪いことのように感じてしまうこともよくあるのですね。
このタイプの人は、自分の心の中にあるセックスへの興味や性的な欲求を抑圧し、そして、セックスは嫌いだとか、セックスには無関心だとか、自分に暗示をかけるようなことをしてしまい、そのためにセックスレスに陥るといいうパターンが日本では多く見られます。
しかし、本来は、大人になったあなたが、大人らしくふるまうことが、もっとも自然といえるのです。
もちろんそこには、性的なことも含まれています。
セックスという行為は、肉体的なものとして捉えられがちですが、それは精神的な部分でも、大きな安らぎや絆をつくります。
それは、大人であるあなたへの、神様からのプレゼントといってもいいかもしれないのです。
セックスに嫌悪感や苦手意識を持っている人は少なくありません。
それは、じつは、セックスに対してではなく、あなたが自分の体に対してもっているコンプレックスや偏見をあらわしていることも多いようですよ。
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!