私が受け取ったビッグプレゼント

私は子供の頃から「娘を産むこと」が夢でした。
しかし結婚後、5年以上子宝に恵まれず。
働きながら不妊治療をするも、先の見えないツラい治療に嫌気がさし、途中で通うのを止めること2回。
3度目の正直!今度は妊娠するまで通い続けるぞ!と決めた通院にて初めて体外受精、顕微授精をし、娘を授かりました。

初めて受精卵をお腹に戻した日の、なんとも言えない不思議で幸福な感覚を今でも覚えています。
目にも見えないくらい小さな卵なのに自分の体に居てくれていると思っただけで、なぜかすごく心強くて「一人じゃない」「私だけの体じゃない」感じがしました。

その日から、早すぎるとわかっていても何度も妊娠検査薬を買ってきては試し、真っ白だとガックリ落胆し、少しでも線のようなものが見えると大事に大事に取っておきました。
車の揺れが良くないと聞くと、極力揺れないようにクッションを何枚もお尻の下に敷き、揺れを吸収。
(異常に座高の高い助手席の私に夫と二人で爆笑)

不妊治療の病院でもらった毎日お腹に貼るテープに「卵ちゃん、がんばれ~」「待ってるよ~」「スクスク育て~」とメッセージやイラストを描き、下駄箱には赤ちゃんが「これ私の靴かも」と思って来てくれるというおまじないのファーストシューズとラブレターを置き、ジンクスと言われるもの(マクドナルドのポテトだとかパイナップルだとか・・・)も一通り試し、いざ妊娠判定日。

2時間ほどの待ち時間を、緊張しすぎてスマホすら触らず何もできず椅子にただ座って祈りながら2時間待っていた記憶があります。
結果は…
hgcという数値が高いと妊娠の可能性も高いのですが、数値は低めだけど一応妊娠反応が出てはいます、という感じ。
首の皮一枚繋がった。
それだけでもう、嬉しくて嬉しくて。ぽ~っとしながら家に帰った記憶があります。

それから毎日スマホで検索魔。
「hcg低いけど出産まで辿りつけた人」で探しまくる。
希望が欲しかったんです。
hcgや母体の年齢から出産まで辿りつける確率を調べられるサイトがあって。
一時はその妊娠継続率がたったの9%!と表示され「やっぱり無理かも。期待しないほうがいいかも」と落胆し。
精神的に忙しい日々を過ごしていました。

そこから胎のう確認、心拍確認、9週の壁、12週の壁・・・。
安定期まではずっと綱渡りのような心境でした。
ほんっとーーーーに、妊娠も出産も、私達がここに存在していることって奇跡でしかないな、と何度も感じました。

何度も祈りながらすごした妊娠期間を経て、無事に辿り着いた出産は想像以上にハードなものでしたし、その後の育児はそれにさらに輪をかけたようにハードでした。
正直、感動の出産、育児、のスタートではなかったです。

でも、産まれてきてくれた娘は必死に日々を生きようとしていました。
そして私はその小さな奇跡のかたまりちゃんの命の灯火を絶やさぬよう、必死で命を守ってきました。
奇跡のかたまりちゃんは今日もスクスク育ってくれていて、間もなく一人で立つこともできそうです。
歩き出す日も近いと思います。

私、子供が産まれたら、親の大変さが身に染みるんだろうなぁと想像してたんです。
それも確かにあったのですが、一番感じたのは「子供という存在が、ただそこに生きているだけで、いかに親を癒やして助けて、親の人生を豊かにしてくれているか」ということでした。

罪悪感が強く、どこか「産まれてきてごめんなさい」という感覚を持ったまま生きてきた私は、過去に師匠に自分が赤ちゃんだった頃のイメージセラピーをしてもらったことがあります。
私がまだ泣くことと笑うことしかできなかった赤ちゃんの時。
それでもそんな赤ちゃんの私の姿を見て母は「また明日も頑張ろう」と思えて救われていた時のこと。
そのことを思い出すセラピー。
その時はただわけもわからず涙が出たのですが、今はその当時の母の気持ちがすごくわかりますし、無力だった頃の私がどれほど母を救ってきたのかわかります。

子供だった頃の私達は親への愛情が深すぎるがゆえに無力感を感じることも多かったけど、私の場合は自分が「親」という立場になってやっとわかりました。
子供の私は何もできなかったけど全然無力なんかじゃなかったこと。
親にとって、ものすごい光で、生きがいで、希望だったこと。
そのことを娘が教えてくれました。

「私はお母さんの希望。私はお父さんの癒し。私は家族の宝物。」
きっと誰しもそんな時代があって、大人になった今でもその本質は変わらないのです。
あなたは家族の光だし、あなたは世界の癒しです。
あなたが生きていてくれるから今日も世界はあたたかい。
生きていてくれて、ありがとう。
この世界に産まれてきてくれてありがとう。
私をお母さんにしてくれてありがとう。
世界中のお母さんの声の代弁です。

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