心配な面は良い面にも作用している

子育てをしていると、子供の出来ないところや苦手分野ばかりが目に付いて、心配のあまり口うるさくなってしまうこと、ないでしょうか?

けれど、出来なことや苦手なことだからこそ、裏を返すと良いように働き、その子の才能や魅力になることがあります。

弱いところを叩いて強くするよりも、そのままの子供を丸ごと受け止めて、良い方に作用するように働きかけたいですね。

■親の願い

「ほらほら、さっさと歯磨きしなさい」
「まだ着替えてなかったの?」
「ハンカチ持った?」

先回りしてアレコレ口うるさくして
「もー!お母さん、うるさい!!」
と子供から返ってくる。

「じゃぁ、言われる前にちゃんとしなさいよ」
「あなたがしっかりしないからでしょ」
「あなたがちゃんと出来ないからでしょ」
と返す。

子供が小さい頃は、さらにそれに対してブツブツと聞こえないように文句を言っている場合もあるかもしれませんね。
が、思春期のころになってくると、壮絶な親子バトルに発展することも。
ウチは、息子も娘も既に成人しましたが、娘とはそんなバトルをちょこちょこ繰り広げていました笑

親としては子供にはなるべく
・人から好かれる優しく良い子でいてほしい
・心身ともに健康であるために規則正しい生活、好き嫌いしない食生活をしてほしい
・なにごとにも失敗しないように、事前に努力準備しておける子になってほしい
・なんにでも意欲的に取り組んでほしい
・しっかりした子に育ってほしい

子供への願いは挙げだすとキリがないですね。
親としてはある意味、当然ともいえるのですが。

 

■子供の個性

人にはそれぞれ個性がありますよね。
子供にももちろんあります。

「昔からこの子は、手が掛からないやりやすい子だったわ~」
という子もいれば
「なんだかお腹の中に居るときから、ゴンタちゃんな気がしてたら案の定…」
という子もいます。

赤ちゃんの頃から、表情豊かでよく笑う子もいれば、赤ちゃんなのに妙に貫禄があって威厳すら感じさせるような子、神経質で寂しがり屋で親と離れると直ぐに泣いちゃう子などなど、本当に色んな個性を持って産まれてきてくれます。
同じ兄弟姉妹でも全く違うタイプで、性格が真逆だなんてこともよくあります。

笑顔が多くおおらかで人懐こく、グズらない赤ちゃんの親からは
「子育てって楽しい~」なんてセリフが聞こえてきて、羨ましさを感じる。

けれどそういう赤ちゃんは少数派で、ほとんどのお母さんは我が子を可愛いと思いつつも、寝てくれない、飲んでくれない、言葉が遅いなど、ツラいことや心配することも多いかと思います。

しかし、そのツラさや心配事がずっと続くとは限らないんですね。
成長するにしたがってツラさや心配だったことが、良い面に反映されるようになってきたりもするのです。

 

■心配な面は良い面にも作用している

たとえばウチの娘は、赤ちゃんの頃から人見知りで、私が抱っこしていないとダメなタイプ。
私の友人や知人、ご近所さんに会っても、私に抱っこされながら人をジーッと観察しているような警戒しているような、けっこう神経質な子だったのです。
「”こんにちは”して」というと、そのまま素の表情でコクリと頭を下げる、お世辞にも愛想が良いとはいえない子でした笑
小学校にあがった頃は、宿題をするときには「ママ、こっち見てー、隣に座ってー」と、けっこう手の掛かる子だったのです。

母の私としては、心配になります。
「お友だちや先生に会ったらちゃんと挨拶しなさいよ」
「お友だちと仲良く出来てる?」
「学校で自分でちゃんといろんなこと出来てる?」

つい、口うるさくなってしまいます。
中学生くらいまで、友達関係や勉強、生活面において、なんだかんだうるさくなっていました。

小さい頃のイメージのまま
「この子、このままで大丈夫だろうか?」

「あれ、どうなってる?」
「これは出来てる?」
とヤイヤイ言っていると、ある時やけに落ち着いた口調で
「ママ、そんなに私のこと信用出来ない? 私だってちゃんと考えてるから信じて応援してよ」
といわれたことがあって、ハッ!としたのですね。

そうなんです。
子育てに大切なことは ”心配よりも信頼” なのです。
そのとき既に私は心理学を学んで知っていたのに!
本当の意味で娘に学ばせてもらった気がしました。

もちろん親が子に、手取り足取り教えてあげないといけない時期はあります。
が、中学生くらいからはある程度の助言をしたら、それ以上踏み込まず黙って見守る方が子供のためになることは、とても多いようです。
中学生の頃はちょうど思春期なので親としては、身体は大人ほどに成長していてもまだまだ子供だなと感じるのですが。

けれど、この不安定な時期だからこそ、それでもそんな頼りなさげな自分を信じてくれる人がいる。
寄り添って応援する目があるということが、子供にとってはとても大きな力になるのですね。

現在、大学4年生の娘もずいぶん成長しました。
今も人見知りはするようですが、仲良くなった友達とは積極的に交流していて楽しそうです。
塾や家庭教師のバイトでは生徒さんのことをよく見ているようで、生徒達の性格や勉強の理解度によって授業の進め方を変えて対応しているそう。
すると、テストで結果を出してきてくれるので、娘としても嬉しくて遣り甲斐も感じられるんだそうな。

宿題をしている様子を見てほしかった娘は、どういうところに着目すると生徒達のヤル気を引き出せるのか、自信になるのかをよくわかっているのかもしれません。

 

■子供の個性をまるごと受け容れる

子育て中は、つい
「みんなと同じに出来ているかしら?」
「よその子と比べてウチの子は・・・」
と子供の出来ていないことや、子供が苦手な分野に着目して、そこを
「なんとかしなければ!」
と口うるさくなってしまいやすいです。

それは将来、子供が社会でしっかり生きてゆけるようにという、親から子への愛情でもありますよね。

けれど、誰にでも得意なこともあれば、苦手なこともある。
長所もあれば短所もあって、それは表裏一体なんですね。

世間一般には良しとされていることと、かけ離れた個性を持っていたとしても翻して見てみると、そこにはその子の才能や魅力が光っていたりします。

親である私たちの仕事のひとつは、隠れてしまっているその子が持って生まれたギフト(才能や魅力)を引き出してあげることです。

なので、子供に心配な面があってもその下にどんな才能や魅力が隠れているだろう?という目で見てみてくださいね。
必ず、良い面にも作用していますよ。

来週2月17日(金)は、那賀まきカウンセラーがお届けします。
どうぞ、お楽しみに。

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。