子どもの反抗期問題

子どもの反抗期。
どの家庭でも多かれ少なかれあることですね。
最近では友達親子という関係性もあり、反抗期はなかったと自らおっしゃるお子さんもおられるようですが、やはり反抗期の頃の親の対応や、関わり方など、悩まれている親御さんは多いものです。
だけど子ども自体は、親に反抗する自分自身がよく分からなかったりするところもあって、それなりに悩んでいるようなんですね。その多くが “反抗期” というカタチで存在するのだと思います。
それがあってもなくてもこの頃の子どもというのは、親御さんにとっては気になる時期ですね。
反抗期というのは、子どもにとって何なのでしょう。
そしてこの時期を親や子はどう乗り越えていくのがいいのでしょうか。
今日はそういうお話です。

 

■そもそも反抗期とは

・子どもの自立の始まり

子どもの反抗期って、その子どもによりますね。
すごく幼い頃はイヤイヤ期なんて言い方がありますが、実は自立しようとしている子どもの行動であって、この『反抗期』って名前も大人から見た言葉ですよね。
だから親にとっては反抗期でも子どもにとっては自立。自分で自分という存在を探している時期です。
でもそうはいってもこの反抗期の部分がすごく激しくて、親が疲弊していくばかりの場合だって少なくありません。

・反抗期が怖い親

なぜ私たちは反抗期が不安で怖くて嫌なんでしょうね。
それは、自分がコントロール出来ない状態になってしまうからだと思います。
幼い頃は、親が子どものことを何でも全部把握できてましたよね。

友だち関係
どこで何をしているか
どういうことが好きで何が嫌いか

当然です。ずっと一緒にいるわけですから。
だけど成長して学生時代になると、親意外の世界を知って、親意外の考え方や感じ方、価値観を知っていくわけですから、そこで彼らは彼らなりに学びます。
親から学んだ考えと同意する場合もあれば、
今までの親と自分の考え方に違和感を持つ場合もあると思います。
そんな他者の考えを受け入れる時もあれば、受け入れられない時もあり、自分の今までの考えや価値観が少しずつ変化していくと思います。
その時子どもはどう感じる?

・親が正しいのか間違っているのか。
・俺が間違っているのか正しいのか。
・俺の考えはおかしいのか。親の言う通りにするのがいいのか。
・私は私のままではダメなのか。私はどうありたいのか。

私はナニモノ? 私はどういう存在??

アイデンティティってやつですね。
親から教えてもらったことから、少し遠ざかったり近くなったりを繰り返しながら葛藤する頃だと思います。
でもそんな子どもの葛藤はいろんな形で表現されるから、大人は子どもがどんどん変わってしまうような恐れってあるんだと思うんですよね。

 

■親と子どもの葛藤

・親の葛藤

親にとっては子どもが反抗すれば反抗するほど時には怖くなる。そして悲しくなる。だって何をすれば喜んでくれるのか、笑ってくれるのか、そういうのが手に取るように分かっていた自分の愛おしい存在だったのに、反抗期はそれが分からなくなるよね。
時にいつもしんどそうに見えたり、いつも不満そうに見えたり、いつも怒っているように見えてしまう。その理由が分からない。聞いても答えない。返事をしないことだって顔を見せることだってしない場合もあるかもしれません。
我が子をどうしてあげればいいのか分からない。だから怖くなる。だから悲しくなる。それは当然だと思います。

それでも親だから。子どもが愛おしい存在であるのは間違いなくて、自分の胸で無邪気に笑って幸せそうにしていた姿を知っているから何とかしてあげたい。
でもどうしたらいいのかも全く分からなくなってくる。
この時期は親は愛してあげたい思いと、辛すぎて離れたい思いも時には出てきてしまって、ずっと悩まれる方も少なくありませんね。

・子どもの葛藤

どれだけひどい反抗期の子どもでも、親に対する想いはひとつ。

今の自分をわかって欲しい

ただそれだけなんですよね。
だけど子どもの中での葛藤はすごいもののようです。
まだ子どもだから、察して欲しい気持ちは親にすごくある。甘えたい思いだって持ってます。だけど幼い時のようにはもう出来ません。

だって、親がすべてだった時代ではないからね。

いろんなことを学んで来た。いろんな人がいて、いろんな考えがあることも知った。
嬉しいことも楽しいこともたくさんあるけれど、一方で辛いこと、嫌なこと、聞きたくないこと、見たくないことも知ってしまった。
これが正しいと思っていたことを否定されたり、間違ってないと思ってやったことが非難されたり。
現実的な部分で厳しいこともたくさんあると知った。
そこで考える。

私はどうしたらいいんだろう。
僕は間違っているのか。
この先どうすればいいんだろう。

でも親に相談できない。本当は相談したいし分かって欲しい。だけどこんなこと言ったら変に思われないか。怒られないか。自分で考えろと厳しくされないか。迷惑をかけるだけかもしれない。
でも分かって欲しい、気づいて欲しい。一緒に考えて欲しい。

自分にイライラして、それに気づかない親にイライラして、どうしていいか分からずやっぱり不機嫌な態度、無視。
そんな自分に嫌気もさす。でもそれしか出来ない。
どうしたの?って優しく言われたとしても、「別に。」としてか言えない。
それがこの頃の子どもなのではないでしょうか。

 

■反抗期でも、子どもに親は大切な存在

そんな葛藤を感じながら、親も子どももこの時期はとてもしんどい思いをされる方が多いですね。だけどね。
親が子どもを心配し過ぎて、その話でお父さんとお母さんが口論したり、母親の不安そうな顔ばかりを子どもが見てしまうと、ますます今の自分を責めてしまうかもしれません。

・僕がこんな状態だから。
・私が悪いの?

そんなふうに。

反抗期の時、見守るのが大事だと言いますね。
だけどそんなの多くの親が分かってる。それでもただ見守るのって難しい話です。
やっぱり心配だし、やっぱり気になっちゃう。
でもそれで親自身に笑顔が無くなるのは一番の問題ね。
だってそれでも親には今まで通りで居て欲しいし、自分のせいで落ち込んでいる、苦しんでるなんて子どもは思いたくはありません。

子どもはこの頃でも、親のことは見ています。
無視しているように見えるし、文句ばかり言ってくるかもしれないけれど、でも実は内心はそうでもありません。
そんな自分のそばにいる親を心配もしているし、申し訳なさだってあるし、気になっています。

反抗期の頃の子どもが持つ感情は、不安感と罪悪感なの。

この先の不安と親に対する罪悪感。

反抗期の子どもの不安感は、親があれこれ出来ません。むしろいろいろしない方がいい。
だけど、罪悪感は持たないようにしてあげたいね。それは、

親は親で自分の生活を楽しむこと。
今までの笑顔と元気を彼らに見せてあげること。

なんです。
子どものことも気にはなるかもしれません。書いておきながら、今の私がそうです。高校2年生の男子ですから、なかなかやんちゃで時にイラっとしてしまう自分がいます。
だけどそんな子どものことを気にしてばかりいると、やっぱり自分が笑えなくなります。笑顔が無くなると、子どもも旦那様も心配します。そして心配はそのうち怒りになる。

私がこんなに気にしてるのに!
なんであなたはH3・H3・H3・!

って。
言わなくともそのイラっとを我慢してたり、心配してたり、口うるさくしてしまうと、お互いが、

なんで分かってくれないの!?

ってますます関係が悪くなっちゃうかもしれません。
子どもの反抗に、親は巻き込まれないようにしたいですね。。

彼らのイライラは本人の葛藤であり、自分自身のそんな気持ちを何とかしないとって頑張っている姿勢です。
それは本人が何とかしなきゃいけないことであり、超えなきゃいけないことでもあるから、自ら話しに来た時以外はそっとしておく方がいいかもしれません。
ご飯を作ってあげる、おやつを用意する、お風呂や温かい布団など、日頃やっていることをしてあげたら充分な見守る応援になります。

反抗期は子どもが成長する過程だとしたら、お母さんも成長するところかもしれません。
私も頑張ります。
一緒に超えていきましょうね。

このお話が、反抗期のお子さんを持つ親御さんの、何かのお役に立てれば幸いです。

次回は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。