例えば、上司や先輩から注意やダメ出しをされたわけでもないのに自分は仕事が全然できてないと思ってしまう。
自分はまだまだ不十分だと思われているような気がして、いつか何か言われるんじゃないかとびくびくしてしまう。
というようなお話をお聞きすることがあります。
自分ができていない部分や不十分さを認めることができる、というのはもちろん大切なことです。
ただ、そればかりが気になってしまうと、ストレスが強くなりすぎ、モチベーションも下がってしまいます。
それよりも、「自分はできた」「自分はできている」と感じることができた方が、ストレスが少ないのはもちろん、モチベーションもあがり、より良い結果が出せることも多いのです。
「今まではコンプレックスをばねに頑張ってきた」という人でも、充実感や達成感がないと、やがて燃え尽きてしまうものです。
とはいうものの「自分はできた」「自分はできている」と感じることが難しいというご相談もよくお聞きします。
ですので、今回は「自分はできた」「自分はできている」と思いやすくするための考え方の1つをご紹介します。
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この「自分はできた」「自分はできている」というのは、自分自身に対する評価です。
そして、「できた」「できている」という良い評価をしている時は、気分がいいものです。
この自分自身に対する評価とそれにまつわる感情のことを、自尊感情といいます。
この自尊感情は、文字通り捉えると、自分を尊重する、という感じになりますが、自分を良いものとして受け入れること、のように思っていただいても構いません。
この自尊感情を高めることができると、自信をもってリラックスして仕事に臨めますし、充実感や達成感を感じることができ、モチベーションも高まります。
逆に、自尊感情が低くなってしまうと、自信がもてず、不安や怖れが強くなってしまうこともあれば、充実感をもつことができず、燃えつきがちになってしまうのです。
だから、自尊感情を高めることは、仕事に関する自信をもつことや、過度なストレスを感じずに働くためにも大切なことなのです。
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では、どうやって自尊感情を高めればいいのか、ということになりますが、それは、あなたの中の基準を低くすることです。
まず、自尊感情を次のような公式であらわす考え方があります。
自尊感情=成功/要求水準(自尊感情=成功÷要求水準)
公式と言われると、拒否感がでてしまうかもしれませんし、数値化できるものでもありません。
ただ、この公式が表したいことは、
「成功が大きいと自尊感情も大きくなるということ」
逆に
「要求水準が高くなると、自尊感情は低くなってしまう」
ということです。
もし、あなたが自尊感情を高めたければ、今までよりも自分の中の要求水準を下げる必要があるのです。
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あなたは「自分はできない」と評価しているとき、つまり自尊感情が低くなってしまっている時、自分の中にどんな基準を置いていますか?
もしあなたが自信を失っている、もしくは大きなストレスを感じているなら、要求水準が高すぎるのかもしれません。
「要求水準を下げることは、自分を甘やかしてダメにしてしまう」と思うかもしれません。
でも、人は不安や怖れを感じている時や、緊張しすぎている状態だと、良いパフォーマンスは発揮できないものです。
あなたが仕事に関して自信や充実感がもてるようになるために、そして、「がんばろう」とモチベーションを保つことができるように、あなたの中の要求水準を見直して、自尊感情を高めていきませんか?