心の奥底に絶望があると、気力が湧かなくなってしまう。
仕事だけでなく、趣味や友人と過ごす時間など、今までやっていたことに対して、気力が湧いてこなくなって、動けなくなったり、やる気に全くなれなくなってしまうことってあるものです。
もちろん体調不良であったり、突然の環境の変化によって、そのような状態になってしまうこともありますが、今回のシリーズでは、体調や環境の変化によってということ以外で、代表的な原因を解説していきます。
今回は、シリーズ1回目として「絶望している」ことが原因で、気力が湧かなくなったり、やる気が出なくなったりするお話です。
絶望しているというのは、ものすごくショックなことが起こり、自分でも「ああ、もうダメだ」と明らかに絶望しているとわかる場合だけではありません。
私たちは、自分でもそのことに絶望していることに気づいていないけれど、絶望しているということがあります。
例えば、婚活しようと思うけれど、気力が出ないという場合。
(もちろんこれからご紹介するような場合ばかりではありません。)
子供時代、ご両親が喧嘩することが多く、常に両親の愚痴や文句を聞いていたという場合、結婚そのものに絶望しているということがあります。
結婚に絶望しているわけですから、意識的に「彼が欲しいな」「彼女が欲しいな」「幸せな結婚をしたいな」と思っていても、「結婚生活はろくなものではない」「結婚すると好きな人とも喧嘩するようになる」「結婚して子供が生まれたら、私(僕)のように辛い子供時代を過ごすことになる」と、潜在意識に抑圧した思い込みや悲しい思い出が詰まっていることが多々あるのです。
そうすると、意識的には「よし!幸せな結婚をするぞ!婚活するぞ!」と思っていても、潜在意識が結婚に絶望しているので、無意識のうちに「婚活するぞ!」という気持ちにブレーキがかかってしまうのです。
ブレーキがかかってしまうと、「婚活する気力が湧いてこない」「婚活するやる気が全く出てこない」という状態になってしまいます。
他の例。
「人生なんて苦労の連続」「頑張って努力して、我慢して苦労していくのが人生」なんて言葉を、何度も何度も聞いたとしましょう。
それは、子供の頃に親御さんが発していた言葉かもしれないし、友人から何度も聞いた話かもしれません。
その言葉を発していた人が悪いということではなく、知らず知らずのうちに、周りが発するそういった言葉が、自分の中に浸透していくのです。
そうすると、自分自身に何か特別ショックな出来事が起こったわけではなくても、「人生は苦労の連続」「頑張り続けるのが人生」「我慢して苦労するのが人生」という思いが、これもまた潜在意識に出来上がってしまいます。
そうすると、人生そのものに絶望してしまうことにもつながってしまいます。
この先ずっと苦労し続けるのだとしたら?
この先ずっと頑張って努力し続けるのだとしたら?
この先ずっと我慢して苦労し続けるのだとしたら?
考えただけで、しんどくなってしまいます。
「わーい!この先に苦労が待っているぞ!」と気力みなぎる人は、いないわけです。
このように、意識しているしていないに関わらず、何らかの絶望を感じているとき、「やっても無駄」「やっても仕方ない」という思いになり、気力が湧かず、やる気が出ないということになってしまうのです。
もし、歩いて行った先が、断崖絶壁で、歩き続けるということは、崖から真っ逆さまに落下することになるとしたら、「よし!歩くぞ!」という気力は湧いてこないですよね?
何かに絶望していると、このように気力が湧かない、やる気が出てこないという状態になってしまうことがあるのです。
しかもその気力が湧かないことが、仕事だったりすると、「社会人なのに、仕事への気力が出ないなんてダメだ」と自分を叱咤激励して、働こうとしてしまいがちですが、それは自分自身に縄をつけて無理やり引っ張って行こうとするのと同じなのです。
疲れますよね?
そうした心身共に疲れた状態というのは、更に気力が湧かない原因になってしまうのです。
気力が湧かない、やる気が出ない。
そんな状態がしばらく続いているようでしたら、それはただ疲れているというだけでなく、何かに絶望しているからなのかもしれないなと考えてみるといいかもしれません。
自分は仕事をやった先に何があると思っているのだろう?
自分は結婚した先に何があると思っているのだろう?
自分は趣味を続けた先に何があると思っているのだろう?
あえてその先にあるものが、ネガティブなものととして考えてみてください。
その先にあるものが、ポジティブなものであれば、絶望はしていないわけです。
ですから、あえてネガティブなものが先にあると思っていないかな?と考えてみる。
そして絶望していることがわかったら、わかった時点で潜在意識から意識に浮上させることができたわけですから、「楽しい結婚生活を送っている人たちもいる」「楽しく人生を過ごしている人たちがいる」と、そのような人たちに意識を向けてみるといいかもしれませんね。
自分が感じていた絶望とは違う生き方をしている人を、見本としてみてみることで、絶望から抜け出しやすくなります。
気力を湧かせよう、やる気を出そうと頑張るのではなく、絶望から抜け出すことが重要になってくるのです。
(続)
- 気力が沸かない、やる気が出ないのはなぜ?(1)〜絶望している編〜
- 気力が沸かない、やる気が出ないのはなぜ?(2)〜疲れ切っている編〜
- 気力が沸かない、やる気が出ないのはなぜ?(3)〜喜びがない編〜
- 気力が沸かない、やる気が出ないのはなぜ?(4)〜選択していない編〜